房総半島一周 岬巡り(スズキ GSX-8S)

三方を海に囲まれ、数多くの岬がある房総半島。各々の岬には歴史や特色があり、巡ってみると意外と楽しいです。そんな、千葉県のチーバくんの耳からお腹にかけての岬めぐりツーリングにご案内致します。

銚子電鉄 外川駅

予想以上に広い房総半島

房総半島には30を超える岬があるそうです。意外と多くて驚たが、そんな房総半島の主要な岬を巡ってみようと考えてみました。房総半島だし日帰りで一周できるでしょ…と思って出かけたのが間違いでした。いやー、広い。正直、房総半島を舐めてました。なんか「三浦半島や伊豆半島とは違うのだよ」と言われている気がしました。

犬吠埼灯台が美しく見える君ヶ浜

常磐道の佐原香取ICで降り、利根川の南側を走る利根水郷ラインを走りました。爽やかな名前では
ありますが、街中を走るラインでストレスが溜まりやすいです。ここは利根川の中洲の道を走るのが正
解です。そして君ヶ浜経由で最初の岬の犬吠崎に到着しました。

犬吠埼灯台〜世界灯台100選(日本の灯台は5基が選出)や日本の灯台50選に選ばれ、Aランク保存灯台であり、且つ国重要文化財に指定されている凄い灯台なのです。

犬吠埼は関東の最東端にあり初日の出スポットとして人気の場所で、犬吠埼灯台が立っています。ちなみに岬と埼の違いとは陸地が突き出た場所が岬で、その岬の突端が埼とのこと。なお、犬吠岬ではなく犬吠埼です。

犬吠崎〜銚子半島にある関東の最東端に位置する岬。初日の出には多くの人が集まります。某二輪漫画でも描かれた場所です。
ちなみに、某映画会社のオープニングで岩が砕け散るシーンは、犬吠埼から見えるこの岩とのこと。

さて、犬吠埼から南下して長崎鼻へと向かいました。住宅が密集していますが静かな港町です。突端に立つ白亜の塔は灯台ではなく沖に浮かぶ一ノ島を照らす照射灯になります。

長崎鼻〜犬吠埼より南にあるためここが山や離島を除いて日本一早く初日の出が拝める場所とも言われています。
ちなみに関東の最東端ですが、厳密的には銚子港の夫婦ヶ鼻堤防の方が東にあるのですが立入禁止。また、君ケ浜北端の岬が犬吠埼より若干東にあります。

この辺りは銚子ジオパークということで、千騎ケ岩や犬岩などの奇岩が点在し、そのまま東に向かうと東洋のドーバーとも言われる屏風ヶ浦に到着します。崖の景色にしばし見とれてしまいますが、現在、崖上には行けず、そのスケール感を味わえないのが残念。

屏風ヶ浦〜40~50メートルの断崖が約10キロメートルにわたり続く景勝地。崖上は入れないので銚子マリーナから遊歩道で散策を。国名勝。
地球の丸く見える丘展望館近くの高台からは、屏風ヶ浦と風力発電の大型風車を望み見ることができます。
国道126号線沿いにあります、銚子電鉄 直売所 ぬれ煎餅駅。

そして、銚子ドーバーラインを走り刑部岬に。犬吠埼や富津岬に比べ知名度が低い岬ではありますが、駐車場からすぐの展望館から九十九里浜の眺望が望める好景観地です。ちなみに下の漁港から屏風ヶ浦の南端を間近に見ることが出来ます。

刑部岬〜屏風ヶ浦の南端にある刑部岬(ぎょうぶみさき)。日本夜景遺産、日本の夜景100選、日本の夕陽・朝日百選、関東の富士見百選
に選ばれています。
鯛とサンマの鳥居がある長九郎(ちょぼくり)稲荷神社。ここから太平洋の好景観が望めます。

刑部岬を後にして海岸線近くを通る九十九里ビーチラインを走りました。但し海は見えません。時間があれば内陸部に入ったところにある「道の駅 オライ・はすぬま」に立ち寄りたいところです。地元感
があり、いわし丼などの地元食を食べられます。

九十九里有料道路〜九十九里浜の景観を楽しみながら走れる爽快路。但し、ETCは利用不可なので事前に硬貨の準備を(220円)。

そして是非とも走りたいのが九十九里有料道路です。九十九里浜沿いを走る17.2㎞の直線路で、車通りも少なく九十九里浜を見ながら爽快な走りを楽しめます。不動堂ICからすぐの不動堂海岸 町営駐車場(夏季100円)は海にすぐ出れますので海で佇むならお勧めです。

雀島〜いすみ市にある夫婦岩雀島 。干潮時には島に渡れます。未舗装駐車場あり。

爽快な九十九里有料道路を走り終え、一宮でサーフショップやカフェが並ぶ九十九里ビーチラインに入りました。そのまま南下し雀島に立ち寄り、太東岬に着。高台から風光明媚な景色を望めます。

太東岬〜標高70m近い高台で、少し内陸側に太東埼灯台があります。岬までは狭路が続くも、広い駐車場があり。好景観が望めます。
太東岬にある戦争遺跡。都心に近い房総半島の岬周辺は戦争遺跡が多いのも特徴です。

予期せぬダイヤモンド富士

850年前に建立されたと伝わります、日本三大岩船地蔵の岩舟地蔵尊堂。
七十五座漂着の地〜1275年に藤原兼貞が75柱の霊神を奉じるための航海中にここに漂着したという地。高さ約60mの白い断崖の釣師海岸の絶景が望めます。ママ岬のそば。

次に八幡岬公園へと向かい、水戸光圀公の祖母のお万の方の像が立つ展望広場から大海原の好眺望を望みました。

八幡岬〜勝浦城主の正木氏の居住跡地で、正木頼忠の娘のお万が断崖に布を垂らして脱出したという伝承が残っています。駐車場から徒歩10分ほどでお万の像がある展望広場に着きます。

そこから再び外房黒潮ラインを走り、野島崎に着。実はその道中には洞窟のある守屋海岸や鵜原理想郷(明神岬)、魚見塚展望台などがあり、出来れば立ち寄りたかったのですが、そろそろ時間的に厳しくなってので先を急ぎました。

野島崎〜房総半島最南端の地で、日本の洋式灯台として2番目に初点灯した野島崎灯台が立っています(1番目は神奈川県の観音埼灯台)。

野島崎は無料駐車場から少し歩きますが、源頼朝が隠れたと言われる岩屋や、朝日と夕日の見えるベンチなどがあり、岬をぷらっと一周するのも楽しいです。

野島崎にあります「房総半島最南端の地」碑

さて、野島崎からは走っても走っても外房さえも走破し終えない房総半島の広さにそろそろ焦りを感じつつ、時間的に寄り道をせずに、主要な岬のみを巡ることにしました。爽快な海沿いの道から房総フラワーラインに入り、洲崎に着。

洲崎〜房総半島の最西端。洲埼灯台や安房国一宮の洲崎神社などがあります。岬の突端はキャンプ場になっています。
洲崎神社から海に向かって歩くと鳥居越しに富士山が望める一の鳥居(浜の鳥居)があります。
また、一の鳥居の先には海底の竜宮から献上されたという御神石が鎮座しています。

洲埼灯台周辺は有料( 200円)駐車場の案内板ばかりで辟易しつつ外から見るにとどめて洲崎を後にして、内房に入り、次なる目的地の大房岬(たいぶさみさき)に到着しました。

大房岬は今まで寄った岬の中では大きい岬で、無料駐車場から園地内の展望台まで結構歩きます。岬の先には眺望の良い第2展望台や戦争遺跡がありますので、時間があればゆっくり散策してみたい岬です。

大房岬〜東京湾に突き出た長さ2kmの岬で、岬自体が山となっていて歩くと結構息が切れます。東京湾要塞の一部で戦争遺跡が点在しています(大房岬第1展望台より)。
岡本桟橋(原岡桟橋)

さて、大房岬からバイクで約5分の岡本桟橋に立ち寄り、冨山ICから館山道に入り明鐘岬へと向かいました。既に日が落ち始め、洋上がオレンジ色に光る中、立ち寄ってみたかった明鐘岬(みょうがねみさき)の「岬カフェ」に着きました。

音楽と珈琲の店 岬(岬カフェ)〜明鐘岬の高台に立つ、ジャズを聴きながらコーヒーや軽食を味わえるカフェ。映画の舞台にもなった場所で、店内やテラス席からは絶景が望めます。なお、未舗装路(駐車場含む)を少し走ります。
・住所:千葉県安房郡鋸南町元名1・年中無休(不定休) 10時頃~日没位まで

映画の舞台にもなったこのカフェからは眼前に海原が望められて、まさにツーリングならではのひとときを浸り過ごせる場所です。特に夕陽が洋上に沈むマジックアワー時には、心に残る絶景を見ることができます。

富津岬〜東京湾に突出した5kmの砂州の岬で、突端に富津岬展望台があります。日本の白砂青松100選や関東の富士見百景に選ばれています。

再び館山道に入り、最後の岬の富津岬へと急ぎました。なんとかギリギリのタイミングで対岸の富士山の山頂に太陽が重なるダイヤモンド富士を見ることができました。

ダイヤモンド富士に見とれて、気付いてシャッターを切った時には既に太陽が隠れてしまっていました…

房総半島の岬めぐりの最後に、予期せぬ最高の景色を見られました。ダイヤモンド富士をまったく予定していないで訪ねたのですが、そんな素晴らしいご褒美で房総一周岬めぐりツーリングを締めくくりました。

(総走行距離:520㎞)


「崎」と「埼」

例えば野島崎は「崎」であるのに、野島埼灯台には「埼」が使われています。この違いは、国土地理院の前身の陸軍陸地測量部が山へんの「崎」を地図に使用していたため、今も国土地理院の地図には「崎」が使用されているからです。対して海上保安庁では、明治時代の海軍水路部のころから、陸地が水部へ突出したところを表す土へんの「埼」を海図に採用しているため、海上保安庁が管理している灯台は名称に「埼」という文字が使われています。その歴史的背景の違いから地理的には「崎」が、灯台的には「埼」が使われるようになっています。


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