三方を海に囲まれ、数多くの岬がある房総半島。各々の岬には歴史や特色があり、巡ってみると意外と楽しいです。そんな、千葉県のチーバくんの耳からお腹にかけての岬めぐりツーリングにご案内致します。
予想以上に広い房総半島
房総半島には30を超える岬があるそうです。意外と多くて驚たが、そんな房総半島の主要な岬を巡ってみようと考えてみました。房総半島だし日帰りで一周できるでしょ…と思って出かけたのが間違いでした。いやー、広い。正直、房総半島を舐めてました。なんか「三浦半島や伊豆半島とは違うのだよ」と言われている気がしました。
常磐道の佐原香取ICで降り、利根川の南側を走る利根水郷ラインを走りました。爽やかな名前では
ありますが、街中を走るラインでストレスが溜まりやすいです。ここは利根川の中洲の道を走るのが正
解です。そして君ヶ浜経由で最初の岬の犬吠崎に到着しました。
犬吠埼は関東の最東端にあり初日の出スポットとして人気の場所で、犬吠埼灯台が立っています。ちなみに岬と埼の違いとは陸地が突き出た場所が岬で、その岬の突端が埼とのこと。なお、犬吠岬ではなく犬吠埼です。
さて、犬吠埼から南下して長崎鼻へと向かいました。住宅が密集していますが静かな港町です。突端に立つ白亜の塔は灯台ではなく沖に浮かぶ一ノ島を照らす照射灯になります。
この辺りは銚子ジオパークということで、千騎ケ岩や犬岩などの奇岩が点在し、そのまま東に向かうと東洋のドーバーとも言われる屏風ヶ浦に到着します。崖の景色にしばし見とれてしまいますが、現在、崖上には行けず、そのスケール感を味わえないのが残念。
そして、銚子ドーバーラインを走り刑部岬に。犬吠埼や富津岬に比べ知名度が低い岬ではありますが、駐車場からすぐの展望館から九十九里浜の眺望が望める好景観地です。ちなみに下の漁港から屏風ヶ浦の南端を間近に見ることが出来ます。
刑部岬を後にして海岸線近くを通る九十九里ビーチラインを走りました。但し海は見えません。時間があれば内陸部に入ったところにある「道の駅 オライ・はすぬま」に立ち寄りたいところです。地元感
があり、いわし丼などの地元食を食べられます。
そして是非とも走りたいのが九十九里有料道路です。九十九里浜沿いを走る17.2㎞の直線路で、車通りも少なく九十九里浜を見ながら爽快な走りを楽しめます。不動堂ICからすぐの不動堂海岸 町営駐車場(夏季100円)は海にすぐ出れますので海で佇むならお勧めです。
爽快な九十九里有料道路を走り終え、一宮でサーフショップやカフェが並ぶ九十九里ビーチラインに入りました。そのまま南下し雀島に立ち寄り、太東岬に着。高台から風光明媚な景色を望めます。
予期せぬダイヤモンド富士
次に八幡岬公園へと向かい、水戸光圀公の祖母のお万の方の像が立つ展望広場から大海原の好眺望を望みました。
そこから再び外房黒潮ラインを走り、野島崎に着。実はその道中には洞窟のある守屋海岸や鵜原理想郷(明神岬)、魚見塚展望台などがあり、出来れば立ち寄りたかったのですが、そろそろ時間的に厳しくなってので先を急ぎました。
野島崎は無料駐車場から少し歩きますが、源頼朝が隠れたと言われる岩屋や、朝日と夕日の見えるベンチなどがあり、岬をぷらっと一周するのも楽しいです。
さて、野島崎からは走っても走っても外房さえも走破し終えない房総半島の広さにそろそろ焦りを感じつつ、時間的に寄り道をせずに、主要な岬のみを巡ることにしました。爽快な海沿いの道から房総フラワーラインに入り、洲崎に着。
洲埼灯台周辺は有料( 200円)駐車場の案内板ばかりで辟易しつつ外から見るにとどめて洲崎を後にして、内房に入り、次なる目的地の大房岬(たいぶさみさき)に到着しました。
大房岬は今まで寄った岬の中では大きい岬で、無料駐車場から園地内の展望台まで結構歩きます。岬の先には眺望の良い第2展望台や戦争遺跡がありますので、時間があればゆっくり散策してみたい岬です。
さて、大房岬からバイクで約5分の岡本桟橋に立ち寄り、冨山ICから館山道に入り明鐘岬へと向かいました。既に日が落ち始め、洋上がオレンジ色に光る中、立ち寄ってみたかった明鐘岬(みょうがねみさき)の「岬カフェ」に着きました。
映画の舞台にもなったこのカフェからは眼前に海原が望められて、まさにツーリングならではのひとときを浸り過ごせる場所です。特に夕陽が洋上に沈むマジックアワー時には、心に残る絶景を見ることができます。
再び館山道に入り、最後の岬の富津岬へと急ぎました。なんとかギリギリのタイミングで対岸の富士山の山頂に太陽が重なるダイヤモンド富士を見ることができました。
房総半島の岬めぐりの最後に、予期せぬ最高の景色を見られました。ダイヤモンド富士をまったく予定していないで訪ねたのですが、そんな素晴らしいご褒美で房総一周岬めぐりツーリングを締めくくりました。
(総走行距離:520㎞)
「崎」と「埼」
例えば野島崎は「崎」であるのに、野島埼灯台には「埼」が使われています。この違いは、国土地理院の前身の陸軍陸地測量部が山へんの「崎」を地図に使用していたため、今も国土地理院の地図には「崎」が使用されているからです。対して海上保安庁では、明治時代の海軍水路部のころから、陸地が水部へ突出したところを表す土へんの「埼」を海図に採用しているため、海上保安庁が管理している灯台は名称に「埼」という文字が使われています。その歴史的背景の違いから地理的には「崎」が、灯台的には「埼」が使われるようになっています。
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