2024年春 京都の寺院特別公開情報を解禁!

目次

京都・禅宗寺院 大徳寺本坊 伽藍特別公開並びに経蔵(重文)初公開!また大徳寺塔頭3寺院や、壬生狂言で有名な壬生寺などで非公開文化財を特別公開

「京都の伝統文化と世界を繋げる」を企業理念に、非公開寺院の特別公開やワンランク上の京都の文化体験を企画・運営する株式会社京都春秋は、2024年春季の寺院特別公開情報を解禁いたします。

左:大徳寺黄梅院 前庭と庫裡、右:大徳寺本坊 経蔵(重文)

 まずは、2024年3月より、京都でも有数の規模を誇る禅宗寺院「大徳寺」内にある塔頭寺院「黄梅院」、「興臨院」、「総見院」の春季特別公開を順次開催いたします。大徳寺は織田信長や豊臣秀吉など戦国大名ゆかりの地で、その戦国武将に仕えた茶聖 千利休や日本美術史上の重要人物の一人、狩野永徳を代表とする狩野派などが活躍した当時の文化の最先端であり、後世の日本文化に多大な影響を与えた場所です。毎年春と秋に特別公開する黄梅院、興臨院、総見院では、その季節ならではの風景の移り変わりとともに、通常非公開である建造物や重要文化財を拝観できるため、観光シーズンには全国から多くの拝観者が集まり賑わいを見せます。

 次に、大徳寺本坊 伽藍が2024年4月25日(木)より特別公開します。昨春に盛況だった企画が今年グレードアップして開催されます。本公開では、寛永13年(1636)に建てられ「一切経」など経典を納める「八角輪蔵」がある「経蔵」(重文)を初公開します。通常一般非公開である、聚楽第の遺構と伝わる国宝の唐門、狩野探幽が「雲龍図」を描いた法堂(重文)、金毛閣(重文)などを解説付きでご案内します。

 最後に、地蔵信仰・壬生狂言・新撰組のキーワードで知られる壬生寺が4月27日(土)~5月5日(日)の期間に公開します。心地良い春の季節、日常の喧騒を忘れ、新緑を愛でながら贅沢な拝観の時間をお過ごしください。

<2024年 春の特別公開情報(1)>

■ 大徳寺本坊伽藍特別公開

「経蔵」(重文)が初公開!天才絵師 狩野探幽が雲龍図を描いた法堂(重文)の拝観、三門「金毛閣」(重文)をくぐる体験まで!

期間:2024年4月25日(木)~6月2日(日)予定

後醍醐天皇から「本朝無双之禅苑」と評された禅宗の名刹、大徳寺は大燈国師によって1326年に創建されました。 一休宗純や沢庵宗彭などの名僧を輩出したほか、千利休や狩野永徳など後世の日本文化に多大な影響を及ぼした人物たちが活躍した場でもあり、数多くの貴重な文化財を今に伝えます。本公開では寛永13年(1636)に建てられ、 「一切経」など経典を納める「八角輪蔵」がある「経蔵」(重文)が初公開 となる 他、通常一般非公開である、聚楽第の遺構と伝わる国宝の唐門、狩野探幽が「雲龍図」を描いた法堂(重文)、金毛閣(重 文)を見学するなど非公開区域の伽藍の数々を、解説付きでご案内します。 金毛閣をくぐり間近で歴史的建造物を拝観する機会もあり 貴重な体験ができます。

【実施概要】

公開期間:2024年4月25日(木)~6月2日(日)予定 10時~16時(受付終了)

拝観休止日:※法務の都合で休止となる場合有り

拝観料:一般3,000円

公開形式:時間毎に人数を限定して入場、(1回の案内で最大25名)ツアー形式で案内付き拝観(案内所要時間:約60分~75分)

拝観内容:

【重要文化財】金毛閣(外観のみ)

【重要文化財】仏殿

【重要文化財】法堂 並びに 狩野探幽筆 法堂天井画『雲龍図』

【重要文化財】経蔵  ※初公開

【国宝】唐門

特別公開区域

【重要文化財】三門「金毛閣」

三門とは空門、無相門、無作門の三解脱門のことを指します。大徳寺の三門は応仁の乱で焼け落ちた後、大永6年(1526)に一休和尚参徒の連歌師 宗長の寄進により、初層部分が完成されました。その60年後、千利休によって二層部分が完成し、金毛閣と名づけられました。楼上は広い一室で、釈迦如来像と、二大弟子像、さらには千利休が寄進した十六羅漢像が安置されています。天井や柱には長谷川等伯による雲竜図や迦陵頻伽(かりょうびんが)、仁王像などが一面に描かれていています。この楼上に草鞋を履いた利休像を安置したことで秀吉の怒りを買い、利休の切腹の一因になったのはあまりにも有名です。今回は、 三門下をくぐり間近で拝観する機会をご用意しています。

【重要文化財】三門「金毛閣」

【重要文化財】経蔵(初公開)

開山国師三百年忌に現在の法堂と同時期、寛永13年(1636)に那波宗旦によって建立されました。内部には「八角輪蔵」 があり、「一切経」など経典、約3,500冊(うち約半分は平安時代後期から鎌倉時代)が残されています。今回、内部への一般立ち入りを初めて解禁し初公開となります。

【重要文化財】経蔵(初公開)

【重要文化財】仏殿

大徳寺一世 徹翁和尚により建てられましたが、応仁の乱までに二度焼失し、文明11年(1479)に一休和尚の参徒、尾和宗臨により再建されました。さらに寛文5年(1665)那波常有が再建し、現在に至ります。御本尊の釈迦如来像は四代将軍徳川家綱公が寄進したもので、高さは約190センチあります。建築様式は典型的な禅宗様で、天井に描かれた飛天(天女)は狩野元信筆と伝わります。

【重要文化財】法堂内狩野探幽筆『雲龍図』

法堂(はっとう)は、禅宗寺院において長老が修行者に法を説くための建物で、教えを継ぐことを重要視する禅宗にとっては非常に神聖な場所です。ここによく描かれるのが龍。龍は仏法を守護し、法の雨(仏法の教え)を降らせると共に、水を司ることから「火災から寺院を守る」ものでもあります。大徳寺法堂の『雲龍図』は狩野探幽が35歳のときに描きました。方丈障壁画を描いた後年の作風とは異なり、力強い筆遣いで描かれ、見るものを圧倒します。真下で手を叩くと龍が鳴いたように響くことから「鳴き龍」とも称されます。

【国宝】唐門

大徳寺の唐門は別名「日暮門」といわれ、国宝に指定されています。桃山建築の代表作で聚落第の遺構と言い伝えられ、桃山の三唐門(本願寺、豊国神社)の一つに数えられています。彫刻を観賞しているだけで一日暮れてしまう、という所から「日暮門」と名付けられた様です。平成11年から14年までの3年間をかけて修復を施し、再び美しく当時の輝きを取り戻しました。麒麟や孔雀、牡丹、波など、様々な動植物や天然物の彫刻が約40種類、色鮮やかに施されています。このような彫刻に出てくるものは当時の障壁画などにもみられるもので、絵画の立体的表現ともいえるものです。

<2024年 春の特別公開情報(2)>

■ 大徳寺塔頭3寺院: 大徳寺 黄梅院

織田信長が創建し、のちに豊臣秀吉が増築するなど戦国大名ゆかりの寺院。千利休が66歳の頃作庭したと言われる「直中庭」があることでも有名です。苔とモミジが美しく新緑の季節の観光スポットとしても名高い寺院です。

黄梅院 前庭

【実施概要】

公開期間:2024年3月30日(土)~5月19日(日)10:00~16:00(受付終了)

休止日:法務により拝観休止日が増える可能性あり

拝観料:大人800円・中高生400円・小学生以下無料(保護者同伴)

特別公開:

千利休作庭「直中庭」

武野紹鷗好み茶室「昨夢軒」

方丈庭園「破頭庭」

【重文】雲谷等顔筆 本堂障壁画(複製)

【重文】庫裡

特別公開区域

【重要文化財】日本最古の庫裡(くり)

寺院の台所で僧侶の居住空間だった場所。日本に現存する禅宗寺院の庫裡としては最古のものです。

【重文】庫裡

千利休作庭と伝わる「直中庭」

千利休66歳の時に作庭されたと伝わる直中庭。秀吉公の希望により軍旗の瓢箪を象った空池を手前にし、加藤清正公伝承の朝鮮灯籠などを配した苔一面の枯山水庭園です。千利休が茶の世界だけでなく、マルチクリエイターとしての様々な才能と素質が垣間見れる庭の一つです。

千利休作庭と伝わる「直中庭」

【重要文化財】雲谷等顔筆 本堂障壁画(複製)

桃山四大巨匠の一人で、毛利家の御用絵師として雲谷派を築いた雲谷等顔による障壁画。桃山時代を代表する画僧 雪舟の水墨画を手本とし、大胆な構図の水墨画を多く残しました。(現在は複製を展示)

【重文】雲谷等顔筆 本堂障壁画(複製)

■ 大徳寺塔頭3寺院: 大徳寺 興臨院

室町期の建築様式の特徴を見せる本堂(重要文化財)や唐門を持つ大徳寺興臨院。桃山期には豊臣政権の五大老を務めた前田利家が本堂屋根を修復、また菩提寺とするなど前田家とも非常に縁の深い寺院です。優美で安定感のある姿が静寂と落ち着きを感じさせる本堂や、「昭和の小堀遠州」とも言われた作庭家、中根金作が復元した方丈庭園を持ちます。例年、5月中旬ごろから庭園にサツキが咲き誇ります。

興臨院【重要文化財】本堂

【実施概要】

公開期間:2024年3月9日(土)~6月16日(日)10:00~16:30(受付終了)

休止日:3月20日(水・祝)

拝観料:大人800円・中高生400円・小学生300円(保護者同伴)

特別公開:

【重文】表門

【重文】本堂

方丈庭園

茶室「涵虚亭」(かんきょてい) 

特別公開区域

方丈庭園

白砂に石組みを配して理想の蓬莱世界を表します。本堂の解体修理時に、資料をもとに足立美術館の作庭者でもある中根金作氏が復元しました。

【重要文化財】唐門

唐破風、檜皮葺で、室町時代の建築の特徴を表します。波型の連子窓、客待の花頭窓などは禅宗の建築様式のひとつです。

興臨院【重要文化財】唐門

■ 大徳寺塔頭3寺院: 大徳寺 総見院

羽柴(後の豊臣)秀吉が、本能寺の変に倒れた織田信長の追善菩提のために建立した大徳寺総見院。木造織田信長公坐像(重要文化財)はその葬儀に際して造られました。信長亡き後の政権争いの中、秀吉がその主導権を握るため建立した歴史的背景のある寺院です。

総見院【重要文化財】木造織田信長公坐像

【実施概要】

公開期間:2024年3月30日(土)~5月6日(月・祝)の土日祝日のみ 10:00~16:00(受付終了)

※4月27日(土)~5月6日(月・祝)は毎日公開

※4月7日(日)・5月5日(日)は11:30~公開

休止日:法務により拝観休止日が増える可能性あり

拝観料:大人800円・中高生400円・小学生以下無料(保護者同伴)

特別公開:本堂

【重文】木造織田信長公坐像

信長公一族の墓碑

お茶室

特別公開区域

【重要文化財】木造織田信長公坐像

その大きさは信長公の等身大。らんらんと輝くその眼光は信長の面影が良く伝わります。

信長公一族の墓碑

信長公をはじめ、徳姫(信長の息女)、濃姫(正室)、おなべの方(側室)など、一族7基の五輪石や墓碑が並びます。

総見院 信長公一族の墓碑

茶室

総見院と茶の湯は関わりが深く、当時の総見院方丈において、“秀吉が大徳寺大茶会では茶席を設けた”と記録が残ります。

総見院 茶室

<2024年 春の特別公開情報(3)>

■ 壬生寺

期間:2024年4月27日(土)~5月5日(日)

壬生寺【重要文化財】本尊 地蔵菩薩立像

壬生寺は、毎年ゴールデンウィークに上演される壬生狂言( 2024年は4月29日~5月5日 )に合わせ、通常非公開の本堂や京都市指定登録文化財の庭園、寺宝を特別公開しています。  本堂には平安時代前期に彫られた本尊 地蔵菩薩立像(重文)が安置されて います。本堂西側の枯山水庭園は、江戸時代中期(1735年)に当時最も広 く普及した作庭書「築山庭造伝」にも名庭と紹介され、今もその当時の風 情を感じることができます。2024年は宝物である重要文化財「錫杖頭」(しゃくじょうがしら)や、 雪舟筆と寺伝に伝わる「釈迦伝図」、壬生寺の往古の伽藍を描いた「壬生寺古伽藍之図」、元重要文化財であった「正嘉年銘金鼓」を特別公開します。

【実施概要】

公開期間:2024年4月27日(土)~5月5日(日)10:00~16:00(受付終了)

拝観料:大人800円・中学高校生400円・小学生以下無料(保護者同伴)

特別公開:本堂

【特別展示品】

重要文化財「錫杖頭」(しゃくじょうがしら)

雪舟筆と寺伝に伝わる「釈迦伝図」

壬生寺の往古の伽藍を描いた「壬生寺古伽藍之図」

元重要文化財であった「正嘉年銘金鼓」

【重要文化財】本尊 地蔵菩薩立像

【京都市指定・登録文化財】庭園

復元 縄目地蔵尊像(延命地蔵菩薩)

【重要文化財】特別展示される「錫杖頭」

旧本尊の持物で蓮台や輪の文様が美しい

壬生寺【重要文化財】特別展示「錫杖頭」
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