山間の桃源郷
山里の集落の階段状の岩間に、約1,500本もの梅が咲き誇り、春の訪れを知らせてくれます。中には樹齢100年以上の梅の木もあり、可憐な白やピンクの梅の花が咲き、圧巻の梅景を見せてくれます。川売は日本の里100選にも選ばれており、3月には梅花まつりも開催されます(見頃は3月中旬)。
愛知県の新城市にあります川売に行く、最寄りの高速のICは、新東名高速道路の新城ICになります。iCを下りますと道の駅 もっくる新城があり、周辺には戦国時代に織田信長と武田勝頼が戦った長篠の戦場跡や史跡が点在しています。詳しくはコチラをご覧ください↓
さて、新東名自動車道の北側にあります日本百名城長篠城跡の先、JR本長篠駅の南側には大正時代に造られた風情あるコンクリートのアーチ橋の旧黄柳橋があります。河原に下りる階段がありますので、是非、下から橋の美しさを望みたいところです。同橋は登録有形文化財に指定されています。
また、本長篠駅の北東部には、河津桜並木があります。50年前に廃線となった旧田口線が走っていた場所に桜がが植えられていて、旧田口線で使われ、現在車道となっているトンネルがあり、トンネル越しの桜並木が撮れることで有名な場所です。見頃は3月初旬から中旬ということで、タイミングが合えば川売の梅と一緒に見ることが出来ます。
さて、河津桜のトンネルを越えて一般道を走り、県道32号線に入り、北へと向かいます。道中の途中に、少し未舗装路を走りますが、旧田口線の三河大草駅跡があります。駅の手前には真っ暗なトンネルもあり、異世界感のあるとても風情のある場所です。但し、雨後はぬかるんでバイクだと辛いので、途中から歩いて訪ねた方が良いです。
再び県道32号線を北上し、県道524号線を進みますと、やがて鳳来山パークウェイに入れます。 鳳来山パークウェイは山岳路なので寒中は凍結していないか注意が必要ですが、全長7.7kmの追い抜き不可の二車線路で爽快な走りが楽しめます。そして、鳳来寺山パークウェイ 駐車場(220円)に到着。駐車場から鳳来山東照宮までは徒歩10~15分です。
鳳来寺山は創建が702年と伝わる古刹で、鳳来寺がある鳳来寺山全体が国の名勝・天然記念物に指定されています。鳳来寺東照宮は、日光、久能山とともに三東照宮として知られていて、さすが三東照宮のひとつで山中にとても立派な社殿があり、幻想的な雰囲気を醸し出しています。また社殿のそばには見晴らし台があり、周囲の山々の好景観を楽しむことができますが、東照宮から30分ほど歩きますが、北側にあります鷹打場からはその景観をしのぐ絶景を望むことができます。
ちなみに、鳳来寺で有名なのが1,450段の石段です。鳳来寺山パークウェイを使わずに表参道側からアクセスしますと、もれなく石段を上ることになりますので、体力と時間と相談してチャレンジしてみるのもありかと思います。
さて、駐車場に戻り、鳳来寺山パークウェイを走り、来た道を戻ります。先ほど県道524号線に入った分岐点で県道389号線に入りますと、 鳳来寺山の表参道に着きます。表参道を進みますと、途中に木造でノスタルジックな旧 門谷小学校などがあり、そのまま参道を進んで行きますと駐車場が点在していますので(だいたい4輪で500円※紅葉シーズンを除く)、二輪が置けるかどうか聞いてから駐車された方が良いかと思います。前出しましたように、この表参道の先から先ほど訪ねた東照宮まで1,450段もの石段があるのですが、とりあえずここからは石段を200段ほど登ったところにある仁王門まで行きます。
同仁王門は国の重要文化財にも指定されており、一見の価値ありの門です。そして、仁王門を潜り、少し石段を上りますと巨大な傘杉があります。樹高が59.57mで、京都府にあります花脊(はなせ)の三本杉に次いで、日本で三番目に高い杉だそうです。
さて、傘すぎまで行きましたら、そのまま石段を下って戻ります。駐車場を後にして、鳳来山の表参道の分岐点を右に曲がり北上します。そのまま進んで突き当りを右折して県道32号線をしばらく走りますと、海老川沿いのしだれ花桃の里に着きます。しだれ花桃の里では海老川の両岸約500mに約300本もの花桃が植えられ、3月下旬から四月初旬にかけて白や桃色のしだれ桃の花が咲きます。駐車場もありますので、のんびり川沿いを散策してみてはいかがでしょうか。
しだれ花桃の里からは県道32号線には戻らず、海老川の左岸側の一般道を北上します。途中で山びこの丘を過ぎ、分岐路を右に曲がり海老川沿いの狭路を走ります。やがて旧田口線の廃線跡に残る双瀬隧道を通り、そして、県道405号線に入り、海老川沿いに少し南に戻りますと、木下しだれ梅園があります。木下しだれ梅園は個人所有の梅園を一般開放しているところで、園内には7種類90本の梅が咲いています。駐車場もありますので、ぷらっと立ち寄って見られるのもいいかと思います。例年の見頃は3月中旬になります。
そして、 木下しだれ梅園の先で谷川沿いに走る一般道に入り、そのまま進んで行きますと、川売 梅の里に着きます。毎年、3月の初旬から中旬にかけて見ごろとなる梅園で、7品種約1500本の梅が山間の斜面に咲き誇り、さながら桃源郷のような絶景を望むことができます。2023年は2月23日から3月21日にかけて「川売の梅花まつり」がお行われ、3月には地元農家の農産物の直売所も設けられます。入場は無料ですが、駐車場が10台ほどのスペースしかないため、休日に行かれる場合はご注意を。ちなみに、近くの猿ヶ岩からですと、梅園が一望できてとても綺麗な光景を見ることができます。
帰路は、海老川沿いに県道32号線を南下して、国道257号線に入り豊川沿いに南下しますと、 新東名高速道路の新城IC に戻ります。なお、 川売 梅の里を後にして、県道32号線を北上しますと、滝上駅跡 旧田口鉄道、馬頭観音像群経由で日本の棚田百選にも選ばれています四谷の千枚田が行けますが、この時期(初春)は土床の状態で、あまり綺麗な景観は望めないかと思います。
なお、新城市の実走ツーリングレポートはコチラ↓になります。
新城市は梅や桜の時期以外でも楽しめるツーリングエリアですので、是非、機会がありましたら訪ねて見られてはいかがでしょうか。
コメント