清澄養老ラインと素掘りトンネル群を巡る(ホンダCL250)

目次

養老清澄ラインを走破し、素掘りトンネル巡り、そしてアリランラーメンで締める

都心を抜けて、お馴染みの東京アクアラインを渡り房総半島に。そのまま館山道に入り、富津中央ICで降りてもみじロードに入りました。

もみじロード〜富津市にある志駒川に沿って続く約10㎞の県道部で、沿道には約1,000本ものもみじが生えています。段差カーブもあり爽快路とは言えないまでも、楽しく走れる道です。

その名の通りもみじが綺麗な道ですが、もちろんそれは紅葉が赤黄色に染まった時の話し。訪問時には普通の新緑の道でしたが、心眼で沿道の樹々が赤く染まった様相を想像しながら、10㎞ほどの快適な二車線路の走りを楽しみました。

もみじロード沿いにあります志駒休憩所。W.Cあり。

さて、もみじロードを南下して、突き当たりの県道34号線を左折。しばらく走り、大山千米田へと向かう道に入りました。

大山千枚田で行われていました「かかしコンテスト


東京から一番近い棚田と言われる大山千枚田は、少しこじんまり感がありつつも三百七十五枚の棚田が並んでいます。北側と西側に未舗装駐車場付きの展望台があり、どちらからでも棚田の景観を楽しむことができます。

七つの島が浮かぶ鴨川松島。新日本百景にも選ばれています。
鴨川松島をはじめ、外房の景観を楽しめる魚見塚展望台。

再び県道34号線に入り、一路、鴨川市街に向かいました。ここでゆっくりと海の景色を楽しみました。そして、今回の目的が、ここからはじまる「養老清澄ライン」の走破です。

清澄養老ラインにできた養老山道ループ橋。

養老清澄ラインとは房総半島を縦断する約39 ㎞の県道81号線のことで、信号が少なくとても走りやすく、また、ツーリングの雰囲気を満喫できるお勧めのツーリングロードです。国道128号線の天津交差点から養老清澄ラインに入り、清澄山道ループ橋や清澄寺に寄りながら四方木不動滝に到着しました。

清澄寺の境内に立つ清澄の大スギ。樹高45mは巨木として千葉県最大です。

四方木不動滝の近くの瀧観不動明王までバイクで来ることができますが、酷道のため走行にはご注意を。不動明王前でバイクを降りて5分ほど歩きますと四方木不動滝に着。滝壺の水が透き通り綺麗で、名瀑が少ない千葉においてはかなり美麗な滝ではないかと思います。

白岩〜白い岩肌とのコントラストが綺麗で奥清澄の紅葉の名所として知られています。白岩橋の
上から景観を望める。

再び、養老清澄ラインの戻り道を北上。途中で紅葉の名所の白岩橋に。紅葉時には河原まで降りて、紅葉を愛でたいところです。そして、そのまま走り、国道465号線に合流。右に曲がりしばらく走りますと、養老渓谷の紅葉のスポットの一つの筒森もみじ谷に到着しました。川沿いに紅葉が広がる紅葉スポットで静かな場所です。但し、シーズン時はかなり混む場所なのでご注意を。

筒森もみじ谷

再び国道465号線で西に向かい、県道81号線との交差部で一度南側に向かいます。やがて、千葉県最大級の滝の粟又の滝に到着。全長100mの滑落の滝ですが、残念ながら台風13号の影響で立入禁止となっていました

粟又の滝〜長さ100mの千葉県最大級の滝。取材時は立入禁止であった。

来た道を戻り、再び国道との交差部に。この近くには紅葉の名所の懸崖境や雰囲気のある旧老川小学校などがあり、時間があれば立ち寄って行きたいところです。そして少し走ると向山・共栄トンネルの案内があり、左折す
ると、すぐに有名な二階建てトンネルがあります。

向山・共栄トンネル

上の古いトンネルの下に新しいトンネルを掘り、結果、素掘りの二層式になった名物トンネルです。しかも向山トンネルと共栄トンネルと、入り口によって名前が異なる全国でも変わったトンネルです。

向山・共栄トンネル〜養老清澄ライン側からアクセスすると、上下に出口の穴がある二層式のトンネル。当初は上の出口が使われていましたが、利便性を高めるため、掘って下の出口を作成。上の出口をそのまま残したため、今のような状況になったそうです。

そして、その先が養老渓谷の紅葉名所の弘文洞跡に続く中瀬遊歩道の入口になるのですが、ここも台風13号の影
響で立入禁止となっていました。ちなみにここから車道の方を進んでいった先には、異世界への入口のような狭くて雰囲気のある清水代隧道があります。但し、脆くて崩落しそうなので、中には入らない方が良いようです。

かつて隧道があった場所で、崩落して跡として紅葉の名所になっている弘文洞跡。二階建てトンネルを超えると飛び石で渡河する中瀬遊歩道の入口があります。
中瀬遊歩道の入口

養老清澄ラインに戻り、養老渓谷のシンボルでもある二重太鼓橋の観音橋、青い渓谷橋から見る赤い宝衛橋、
そして風情のある小湊鐵道の第四養老川橋梁などの橋を見て回り、そしてチバニアンに到着しました。

渓谷橋から望む宝衛橋
登録有形文化財の小湊鐵道 第四養老川橋梁。上総大久保駅側からアクセスすると見えます。

チバニアンとは養老川沿いにある約77万年前の地層で、世界で最も一番新しい地磁気逆転の記録が残っている場所です。この発見により約77万4千年前から12万9千年前までの時代が全世界的にチバニアン(ラテン語で「千葉時代」)と認定されました。現地は岩肌に杭と円形のプレートが打たれているだけですが、無料ですし、一度はぷらっと立ち寄ってもいい場所かもしれません。

チバニアン〜77万年前の地層。歴史に千葉時代ができました。無料駐車場から徒歩10分の河原にあります。


そして今回のツーリングでの養老清澄ライン走破とは別のもう一つの目的、素掘りトンネル巡りを行いました。まずは、トンネルの真ん中かが見える月島トンネルへ。途中で永昌寺トンネルを通りましたが、見学は後に回しました。しかし、月崎トンネルへ向かう狭路の入口には通行止めの看板が。残念。

月崎トンネル

月崎トンネルはトンネル天井部が崩落し、中が抜けたようになった素掘りトンネルで、雰囲気があり房総の素掘りトンネルの中でも人気の高いトンネルです。今回、入れなかった舗装狭路を1㎞ほど走るとあります。狭路で車ですと離合困難ですが、バイクですと行きやすいです。但し、トンネルの先は突き当たりのため折り返しになります。

永昌寺トンネル

さて、先ほど通り過ぎた永昌寺トンネルに戻りました。永昌寺トンネルは、観音掘りという手法で掘られた将棋の駒のような形が特徴的な素掘りトンネルで、幹線沿いにあるのでアクセスが容易なトンネルです。一応、現役の車道なのでトンネル内をバイクで走れますが、トンネル内は灯火がなく、真っ暗でヘッドライトだけでは路面状況が分かりづらいので、ロードタイプのビッグバイクであれば、次に向かう柿木台トンネルには迂回して向かった方が良いかもしれません。

永昌寺トンネルをくぐり柿木台トンネルへと続く狭路。

永昌寺トンネルを抜けて舗装路ながら狭路を走っていくと、柿木台第二トンネルに到着。素掘り感のある岩肌の模様が綺麗な素掘りトンネルです。

曲線が美しい柿木台第二トンネル。

そのまま進むと観音堀りの柿木台第一トンネルに着きます。トンネル内には蛍光灯が付き、その陰影がトンネル内をより美しく見せてくれているトンネルです。実は柿木台第一と第二トンネルの途中に県道81号線からアクセスできる一般道があります。オフロードバイクや小型バイクでなければ、永昌寺トンネルを見た後、県道81号線経由でその道に入ってアクセスした方がおすすめです。

1899年(明治32年)竣工の柿木台第一トンネル。人工的な蛍光灯の光を点しつつも雰囲気を醸し出しています。

柿木台第一トンネルを後にして、実は今回もう一つ目的にしていたアリランラーメンを食べに15㎞走って(この道も信号が少なくて楽しかったです)アリランラーメン 八平 長南町店に到着。玉葱が煮込まれたコクと旨みに溢れた濃い目のスープを飲み干して、今回のツーリングの締めとしました。

アリランラーメン〜玉ねぎをじっくりと煮込んで、にんにく、ニラ、ネギを使用したピリ辛のスープがとても濃厚で、自家製麺に絡みつき、病みつきになる味。勝浦タンタンメン、竹岡式ラーメンとともに千葉三大ラーメンに数えられています。16時閉店ですがスープがなくなり次第終了となります。長柄町に本店あり(〜18:15)。

アリランラーメン 八平 長南町店

住所:千葉県長生郡長南町山内(山内ダム入口) ☎0475-46-1167

営業時間:11時〜16時 水曜日定休

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