アート集団チームラボと森ビルが共同で手がける、森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス(以下、チームラボボーダレス)が、東京・お台場から移転し、2024年2月上旬、麻布台ヒルズにオープンします。チームラボボーダレスは、チームラボの境界のないアート群による「地図のないミュージアム」です。
オープンに向けてチームラボは、全く新しい作品群や日本未発表作品などを多数制作中で、この度、新作として《Bubble Universe: 実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境によって生み出される光》、《花と人 – Megalith Crystal Formation (work in progress)》、《Black Waves – Megalith Crystal Formation (work in progress)》を発表します。

《Bubble Universe》は、チームラボの新たなアートプロジェクト「認知上の存在」をテーマにした、インタラクティブな作品です。空間は無数の球体群によって埋め尽くされ、それぞれの球体の中には、異なる光の存在が入り混じっています。本作は、認知と存在について、そして、人間が世界をどのように見ているのか、を模索すると同時に、現象とは環境との連続的な関係性の中に存在することを示唆しています。
また、制作中の空間《Megalith Crystal Formation》には、チームラボボーダレスの世界を構成する様々な境界のないアート群が、部屋から部屋へと、館内を移動しながら入ってきます。
チームラボボーダレスの世界は多数の作品群によって複雑に構成され、その体験は大きく進化します。
【新作紹介】
Bubble Universe: 実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境によって生み出される光
teamLab, 2023 (work in progress), Interactive Installation, LED, Endless, Sound: Hideaki Takahashi
作品ページ: https://teamlab.art/jp/ew/bubbleuniverse/

球体の中には、物質的な実体のある光、シャボン玉のような大きくて強い光、ゼリーの塊のような巨大で弱いぷるんぷるんの光、そして周辺の環境によって生み出される光が無数に入り混じる。球体の中には動き続ける光もあれば、全く動かない光もある。
各球体の光は、自分自身だけでは全てを生み出せず、他の球体群が環境となって、環境が各球体内の無数の光を生み出す。それぞれの球体は、互いに他の球体の光を生み出す環境の一部になり、環境がつくり出す現象が、作品の存在である。
また、シャボン玉のような光や、作品空間内の高い位置の球体内に強く現れるゼリーの塊のような光など、実体の光以外は、球体内に物質的に存在せず、認知上の存在である。そして、認知上存在する時、それは存在である。
人が球体の近くで立ち止まり、じっとしていると、最も近い球体が強く輝き音色を響かせ、光はその球体から最も近い球体に伝播する。伝播した光は最も近い球体に伝播し連続していく。光は、常に最も近い球体に連続するだけで、それぞれの球体を1度だけ通り、全ての球体を通る1本の光の軌跡になる。そして、自分から生まれた光と、他者から生まれた光は、交差していく。
一見、球体がランダムに配置されたこの作品は、鑑賞者と他者の関係性に影響を受けながら、連続していく光の作品であり、連続していることそのものの美しさのための配置である。
具体的には、それぞれの球体から3次元上で最も距離が近い球体に線を引いたときに、始点と終点が同じの一筆書きできる1本のつながった線(unicursal)になるように、球体の高さ方向の分布のばらつきと、光の軌跡である3次元的な経路のなめらかさを本に、空間上の球体の配置を数学的に求めている。
その結果、人に呼応した球体の光は、最も近い球体に伝播しているだけにも関わらず、一筆書きのように、必ず1度だけしか通らず、全ての球体を通りる。そして同時期に他者が生んだ光と交わる。一見ランダムに見える球体の配置は、人々が自由な位置で球体と関係して生まれる、光の連続性の美のための配置になる。
様々な光の存在



様々な色




花と人 – Megalith Crystal Formation (work in progress)
teamLab, 2023 (work in progress), Interactive Digital Installation, Sound: Hideaki Takahashi
作品ページ: https://teamlab.art/jp/ew/megalith-crystalformation-flowers-azabudai/
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