■足柄・箱根 峠探訪その1(トライアンフ ボンネビルT120)

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ヤマトタケルと二つの東海道

ヤマトタケルも通った足柄峠と、天下の険とも言われた箱根峠。両峠から東は坂東と称され各々東海道を構成した名峠です。旅は今も昔も同じ。両峠を走り比べて楽しんでみました。

ヤマトタケル(72〜113年)が東征の時に通り、「あづまはや(ああ我が妻よ」と嘆いたと言われる足柄峠(759m)。今も風情が漂います。東名高速道路の大井松田ICで降りて、まずは日本の滝百選にも選ばれている洒水の滝に。静かな山中に流れる上品な滝で、赤い橋とのコントラストがいいです。

無料Pから徒歩5分と行きやすい洒水の滝。日本の滝100選にも選ばれています。

そして次に矢倉沢関所跡に向かいます。江戸時代に小田原藩が建てたという関所らしいですが、今は碑があるのみ。ただ、県道から外れた細い路と集落が当時の往還を偲ばせてくれます。

矢倉沢関所跡~今は関所があったらしい場所に、案内板と碑(民家内)にあるのみです。

さて、再び県道78号線に戻ります。この県道は別名「金太郎富士見ライン」と呼ばれ、沿線には金太郎にまつわるものが多く点在しています。特に南足柄市には金太郎関連の看板や像が多く、町ぐるみで金太郎を推している感があります。金太郎の遊び石や金太郎の力水ほか、金太郎の生家跡までがある。そういえば、確か小山町にある金時神社も金太郎の生家跡地に建っているとか…

「金太郎伝説の里」の看板がある南足柄市。
金太郎とは平安後期の武士・坂田金時の幼名で、足柄峠で源頼光と出会い後に頼光四天王の一人となり酒呑童子を退治しました。実際に怪力の武将だったらしく、金太郎の遊び石なるものも残っています。
金太郎の力水。キャンプ場内にあります。
金太郎が産湯を浸かったと伝わる夕日の滝。こちらもキャンプ場内にあります。
南足柄市にある金太郎の生家跡。

さて、足柄峠に向かってヘアピンが続き高度が上がっていきます。秋には沿道が真っ赤に染まり素晴らしい紅葉が望めるでしょう。足柄万葉公園を過ぎ、古事記に出てくるヤマトタケル助けたという白い鹿の像がある足柄明神を参拝した後、足柄峠に。

足柄万葉公園~同公園の駐車場近くでは、樹々の合間から富士山を望めます。
940年創始の足柄明神。祭神は天照皇大御神 で、ヤマトタケルが道に迷った際に白い鹿に導かれて足柄峠を越えたと言い伝わっています。
899年に峠に置かれたとされる足柄関所跡。 「おじぎ石」は、昔旅人たちがこの石に手をついて通行手形を見せたことから名付いたそうです。
当時の旅人たちが歩いた足柄古道が、ところどころに残っています。

古来飛鳥時代より、五畿七道駅路の一つとして政治の中心の飛鳥(奈良)から東国へと向かう東海道が設けられていました。東海道の相模国(神奈川県)と駿河国(静岡県東部)を行き交う足柄路(足柄古道)の国境の峠が足柄峠で、足柄峠から東は坂東(関東)と呼ばれていました。

平安時代の800年、富士山の噴火(延暦噴火)による降灰で足柄路が通行出来なくなったため、降灰の影響がない南の箱根峠を通る箱根路が整備されることとなり、その後、復旧した足柄路と共に、しばらくは相模国と駿河国の間に二つの街道が並存することとなりました。

899年、足柄峠に関所が置かれていましたが、鎌倉時代初期には無くなっていたらしいです。鎌倉時代に入ると、京と鎌倉間で人の往来が多くなり、武士たちの間では箱根権現(元箱根:現箱根神社) 、伊豆山権現(熱海:現伊豆山神社) 、三嶋明神(三島:現三嶋大社)を巡る三所詣が盛んとなったことから、距離が近い箱根路(平安・鎌倉古道)の利用が進むこととなりました。

足柄峠を越えて静岡県の小山市に入ると、こんな看板が。まさに、南足柄市と競い合っている感が…

鎌倉時代の後の南北朝時代1336年に、足柄路の西側(小山町)と箱根路の西斜面で南朝軍の新田義貞と北朝軍の足利尊氏による箱根・竹ノ下の合戦があり、その後、室町時代にかて、後の江戸時代の東海道に繋がるもう一つの三嶋から箱根峠へと至る箱根越えの道が開かれました。戦国時代、同道は主要道となり、北条氏は西からの守りの強化のために山中城を築城する際にこの道を城中に入れ込み、その後、元の平安・鎌倉古道の方の箱根路は寂れていきました。

江戸時代になり、徳川家康が五街道を整備し、この道と重なるように東海道も整備され、1619年に芦ノ湖畔に箱根関所が設けらました。東海道にある五十三の宿場町の中で、相模湾にある小田原宿から標高846mの箱根峠を越えて次の芦ノ湖畔の箱根宿まで約四里(約5km)。特に難所の橿の木坂は130mで40mもの高低差があるという急坂で、大雨が降ると足が沈んでしまうほどだったといいます。1680年に幕府により街道に石畳が敷かれ、今もその佇まいを見ることが出来ます。

県道78号線〜365号線、別名「金太郎富士見ライン」を足柄峠から御殿場方面に降ると、富士山の絶景が望めます。 金太郎富士見ライン展望台や誓いの丘など、道中に絶景が望める展望地が幾つかあるので、是非、立ち寄って見たいです。

足柄路の方は急な箱根路に対して勾配が緩やかだったこともあり、箱根路の迂回路として多くの旅人が行き交ったそうです。その後、江戸時代には東海道の脇往還となり、足柄峠は矢倉沢往還の峠として、富士山や大山、最乗寺への参詣道として賑ったといいます。なお、足柄峠の歴史は古く、古事記には日本武尊 ( ヤマトタケル ) が、東征の帰りに足柄 峠を通ったという記述が残っています。

ヤマトタケルの伝承があるほどの歴史ある足柄峠で、今は静かな場所ながら、関所跡を見つつ当時は多くの旅人達が峠を往来していたんだろうな~と思うと感慨深くなります。ちなみに、近くの足柄城址からは富士山が一望できます。そしてそのまま新羅三郎義光吹笙之石を横目で見つつ富士見ラインを下り、乙女峠へと向かいました。

誓いの丘~金太郎富士見ライン沿いにある富士山の好展望地。恋人の聖地的な鐘があります。
金太郎富士見ライン沿いにあります石尊佛・石尊松。松越しに富士山が望めて趣があります。

足柄・箱根 峠探訪その2に続きます。

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