プチレトロの街並みを楽しむ
千葉県流山市の流山本町は、江戸時代よりみりん醸造業で栄えた場所で、土蔵や古民家が点在しているプチレトロな場所です。今回は、ロングツーリングで超安定感を誇るBMW R1300GSに乗って、あえて都心から50kmほどの、ある意味プチツーリングともいえる旅に出てみました。
利根運河は、利根川と江戸川を結ぶ全長約8.5kmの人工の河川で、明治23年(1890年)に開通しました。18世紀頃から白みりんの発祥地としてその生産が盛んだった流山は、運河の沿岸には舟問屋や料理店などが立ち並び、船着き場として栄えました。そんな往時の風情を、流山本町では感じられる建物が点在しています。
常磐自動車道の流山ICを下りて、流山市街に。まず、最初に訪ねたのが流山市立博物館です。
専用の駐車場から徒歩5分ほど。館内の1Fが図書館で、2Fが市立博物館になっています。博物館には流山の歴史の史物が多く展示されていました。また、同地で捕縛された新撰組局長の近藤勇絡みで、新撰組の資料も多く展示されていました。ぜひ、流山をより深く知りために、散策する前に立ち寄りたいところです。
さて、市立博物館から諏訪道に入り「あかり館@雑貨konocono」に。ここは、往時の民家を改装して作られた手作り雑貨とパンのお店です。その裏手にあります江戸川に。矢河原(やっから)の渡しがあった場所で、春には桜並木が楽しめる場所です。
そして、江戸回廊の道に戻り、古民家が点在する本町通り(行灯回廊)に入りました。すると、新川屋という呉服屋さんがあります。
残念ながらお店は閉まっていましたが、歴史が感じられる明治23年に建てられた家屋で、恵比寿と大黒が表された鬼瓦は国登録有形文化財に登録されています。
そして、その先には丁字屋という看板のある家屋がありましたが、今は日本茶屋 癒淹(ゆゑん)というお茶屋さんになっているようです。
日本茶屋 癒淹(ゆゑん)の手前の小道を左に入ると土蔵を改築したカフェ&バル 蔵ごころがあります。
こちらも国登録有形文化財らしいです。ランチは1,250円とのことです。
再び、本町通りに戻り、日本茶屋 癒淹(ゆゑん)の対面にある流山浅間神社に。
境内には高さ6mほどの富士塚(流山富士)があります。富士塚とは、富士登山ができない方のために全国の多くの神社に作られた富士信仰に基づいて作られた人工の山で、この富士塚の頂上まで登ると霊峰の富士山に登ったのと同じご利益が得られるとされています。
そして、本町通り(行灯回廊)を少し走り、脇道を右に入りますと閻魔堂があり、その先に、近藤勇が陣をはったと言われる近藤勇陣屋跡があります。ここで新撰組局長の近藤勇が自首(捕縛?)されたと言われています。ただ、今は、碑のようなものが立っているだけで、隣接する売店で新撰組のグッズが販売されています。
再び、本町通りに戻り少し進みますと、黒漆喰磨仕上げで土蔵造りの国登録有形文化財に指定されています寺田園旧店舗があります。
昔は乾物屋だったようですが、現在は万華鏡ギャラリー&ミュージアムになっています。
そこから一本、裏道に入りますと流山キッコーマンの工場があります。流山市特産物であります万上(まんじょう)!みりん工場になります。工場の壁がなまこ壁風に作られていて、そこに往時の写真や資料などが流山まちなかミュージアムとして掲示されています。
ここで、また本町通りに、ちょっと堤防を登って江戸川を見てみました。
普通の川の風景ですが、江戸時代にはここを多くの船が行き来していたことを思うと感慨深いものがあります。そして江戸川沿いの道を走り、一本裏道に入りますと一茶双樹記念館があります。
この場所は流山でみりんで財を成した秋元双樹の家だったところで、俳人の小林一茶がたびたび訪ねた場所でした。
現在は一茶双樹記念館として無料で開放されています(9:00〜16:50 月曜休み。駐車場あり)。庭園には一茶が詠んだ「夕月や流残りのきりぎりす」の句碑がたっています。
縁側から庭園を望みながらのんびりと過ごすことが出来ます。
また、夏季には美味しいかき氷(有料)を食すこともできます(600円〜650円)。
最後に、鳥居には大しめ縄が奉納されている赤城神社に立ち寄りました。この赤城神社は流山の地名の発祥の地とも言われています。
別に遠くまで行かなくても、身近にある史跡や風景をバイクに乗って見に行ってみるのも楽しいものです。ぜひ、秋風に誘われながら、ぷらっとバイクに乗って出かけられてみてはいかがでしょうか。
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