軍神 上杉謙信が落とせなかった城
戦国最強の武将と言うと、だれを思い出すでしょうか。
「覇王」織田信長か、はたまた「甲斐の虎」の武田信玄か。いや、やはり手取川の戦いで織田信長軍を破り、川中島の戦いで武田信玄と対峙した「軍神」上杉謙信の名を挙げる人も多いでしょう。
大きな戦いでは生涯無敗を誇る上杉謙信をもってしても、10度も攻城をして一度も落とせなかった城。そして、関東の雄たる北条軍を4度にも渡り撃墜したのが、佐野氏が籠城した唐沢山城です。
城主の佐野昌綱とその軍が粘り強かったのは言うまでもないですが、この唐沢山城が天険ながら各所に井戸があり水源に恵まれていたこと、そして、空堀の造成や多数の堀切などにより、外部からの侵入者を容易に近づけさせない山城ならではの強さを持っていたこと、そして、山の中に多くの兵を常駐させられる比較的平坦な場所が多くあったことなどが、その堅城要素として挙げらています。
今なお、関東の城では珍しい高石垣や、当時、物見やぐらがあった景色抜群の天狗岩、そして桝形虎口の城門跡など、上杉謙信と戦った戦国の当時を偲ばせてる場所が随所に現存しており、関東七名城の一つにも数えられる城です。
ついつい行きたくなる真ん中
北関東自動車道が出来てから至便となった佐野市北部。難攻不落だった唐沢山城の真下を突き抜けるように作られた唐沢山城跡トンネルを走ると、なんか時代の流れを感じてしまう。
さて、佐野田沼ICを降りて2kmほどのところにある「道の駅 どまんなか たぬま」。分かりやすくてインパクトのあるそのネーミングに、ついつい寄ってしまいたくなる場所ですが、おすすめは無料の足湯(9:30~)。全長が7mもあり、約30が入浴でる北関東道沿線上で唯一の足湯施設です。
そして、道の駅からほど近い場所にある田中正造生家にも、是非立ち寄ってみたいです。
社会の授業でその名前を覚えた記憶のある人物ですが、足尾銅山鉱毒事件においての氏の行動や、命を懸けての明治天皇への直訴などを、改めてこれを機に知り学ぶことによって、時代は変われどなにか感じ得るものがるように思えます。
そこから北に向かって数キロ走ると、名水100選にも選ばれた出流水弁天池湧水を水源とする、水が澄んでいてきれな出流原弁天池があります。
“佐野”と言えば…
佐野と言えば、最近はアウトレットモールというイメージも強いですが、やはり佐野ラーメンと佐野厄除け大師を思い出します。
佐野に行ったら、やはり佐野ラーメンを食べたいところ。しかし市内には二百数十軒!ものラーメン店があるため、何の前情報なしに行くと、迷ったり、定休日だったりすることがありますので、事前にどこに行くか調べておき、人気店であれば行列が出来ていることも考えて数軒リストアップしておく方が無難です。また、ランチ後に午後休憩に入るお店も多いので、行く時間には注意が必要です。
◇佐野らーめん
関東の有名なご当地ラーメン。竹を使って麺を打つ青竹打ちで平麺が特徴。あっさりとしながらもコクのある透き通ったスープのものが多いです。
そのほか、お薦めの佐野グルメは、ご当地B級グルメといってもいいイモフライ。こちらは市内に二十数軒が点在していますが、行き当たりばったりで行くとなかなかお店に巡り合えないので、やはり事前に場所や定休日を調べておいた方が〇です。できれば江原商店のような風情なところで食すると旅感が高まります。
◇イモフライ
ジャガイモに衣をつけて揚げたもので串揚げみたいなものですが、タレが甘辛いのが特徴的です。コロッケや他のフライ、焼きそばなどを併売しているお店も多いです。
◇とちおとめ
実は、いちごの生産量日本一は栃木県。シーズンには至る所で「いちご狩り」ののぼりがあり、食べ放題が行われています。時期はGWぐらいまでですが、粒的にはあまり遅くならない時期がお勧めです。
さて、佐野厄除け大師は関東三大大師のひとつに数えられていて、九四四年創建の古刹です。自身の年が厄年ならばそんなに時間がかからないので、ツーリングついでに厄払いをしてもらうのもいいです。帰路の安全度が確実に高まる、はずです。
当ツーリング時はまだ未開花でしたが、三月下旬より市内の各所で花木が色付き始めます。
佐野の桜は市内の桜山公園が有名ですが、バイクで行くなら満願寺の山門にある樹齢約三百年のしだれ桜もお薦めです。また、三月下旬からゴールデンウィークにかけては菜の花が見ごろで、特に市の南部に位置する秋山川と渡良瀬川が合流する船津川町の土手では、約二キロにわたって一面の菜の花が咲きますので、この時期に佐野に行くなら、是非立ち寄ってみたいポイントです。
そのほか、四月下旬から五月下旬にかけてはツツジが見頃。城山公園や、前出の出流原弁天池周辺がお薦め。唐沢山城跡の石垣もツツジに囲まれるので、江戸時代に「関東八か国一」と称された眺望と合わせて見に行くのも乙である。
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