バイクならではの訪ねやすいツーリングスポット
房総半島(千葉県)の最高峰は標高408mの愛宕山ということもあり、半島自体が房総丘陵とも呼ばれています房総半島。その丘陵沿いに民家や集落が点在していたり、川が蛇行していたりしたため、住民の往来や川の水を田畑に引き込むために、素掘りのトンネルや、川廻しといった川をショートカットするトンネルが作られました。
陽光が当たり光のハートができることで有名になった、房総半島にある濃溝の滝も川回しで作られた人造のトンネル(を流れる滝)になります。
今回、数多くある房総半島の素掘りのトンネルの中で、バイクツーリングで行くおすすめの素掘りトンネルBest.7をご紹介いたします。
7位 林道畑3号線素掘りトンネル
- 雰囲気 ★★
- アクセスの良さ ★★★★
- オリジナリティ ★★
南房総を縦断する安房グリーンライン沿いにある素掘りのトンネルです。なんと言っても安房グリーンラインからすぐのところにあり、舗装路で行きやすく、車はまず通らないので写真が撮りやすいのがいいです。また、トンネル内の地表のラインも綺麗です。
なお、狭道ですが安房グリーンラインを横断して林道畑2号線を600m(約3分)ほど南下しますと、石や土が堆積した層が綺麗な林道畑2号線素掘りトンネルもありますが、秋は落ち葉にご注意を。あと、素掘りトンネル近くにの安房グリーンライン沿いには、「海底地すべり堆積層」という200万年前の大地震の痕跡が見れる地層の露出地があります(無料駐車場あり)。
6位 永晶寺トンネル
- 雰囲気 ★★
- アクセスの良さ ★★★★★
- オリジナリティ ★★★
素掘りのトンネルとしては珍しく幹線沿いにあり、酷道を全く通らずアクセスがとても楽なトンネルです。日本古来の観音掘りという将棋のコマのような掘り方で掘られた素掘りトンネルで、誰でもバイク越しに素掘りトンネルを撮れるのが嬉しいです。
同トンネルを通って舗装狭路を走れば柿木台第トンネル、そして柿木台第一トンネルに道一本で直接アクセスできますが、永晶寺トンネル内が暗くて路面状況が分かりづらいのと、永晶寺トンネルを通って柿木台第二トンネルまでは約750mなのですが(舗装路ですが)やはり路面状況が悪いので、柿木台トンネルに行くには迂回して行く方がリスクが低くておすすめです。
5位 燈籠坂大師の切り通しトンネル
- 雰囲気 ★★★
- アクセスの良さ ★★★★
- オリジナリティ ★★★
素掘りトンネルが多くある房総半島中央部ではなく、富津市の海近くにある素掘りの切り通しで、国道127号線から道一本入って100mほどのところにあり、富津〜浜金谷間を走る際にぷらっと立ち寄ることができる素掘りのトンネルです。
先にある東善寺 燈籠坂大師堂へと続く参道の上り下りが急だったため作られたトンネルとのことです。鋸山の石切り技法を用いて切り出されたということで、他の素掘りトンネルとは少し様相が違う(細長い)のが特徴的です。
4位 奥米トンネル
- 雰囲気 ★★★★
- アクセスの良さ ★★★★
- オリジナリティ ★★
濃溝の滝の近くにある三島湖の南に位置するトンネルです。もともと素掘りのトンネルだったのですが、現在はコンクリで補強されていて、厳密に言うと素掘りのトンネルではないですが、天井灯に照らされたトンネル内は素掘り感があり雰囲気抜群です。全長が300mもあり、入り口から出口が見えないくらい長いので、バイクで走りながら素掘りトンネルの雰囲気を楽しむことができます。
なお、三島湖の北側には三島ダムから湖沿いの集落(突き当たり)に続く道に梅ノ木台1号&2号隧道と言う2連の素掘りのトンネルもあります。1号隧道はトンネル内がL字型に曲がっていて、2号隧道内には横穴(歩行のみ)があり、その先には湖のほとりに鎮座する八雲神社があります。但し、梅ノ木台1号、2号隧道ともに暗くて路面状況もイマイチなので走行にはご注意を。
3位 向山・共栄トンネル
- 雰囲気 ★★★
- アクセスの良さ ★★★★
- オリジナリティ ★★★★★
もうお馴染みとなっています二階建ての素掘りトンネルの向山・共栄トンネル。当初は二階建ての上のトンネルが道に接続していましたが、後に接続する道路との利便性を良くするためにトンネルがより深く掘られた結果、今のような2つのトンネルの出口が上下に重なるような感じになりました。
また、このトンネルの東側が向山トンネル、西側が共栄トンネルと言う名前で、1つのトンネルで2つの名前がついている珍しいトンネルです。もちろんトンネル内は駐停車禁止ですので、トンネルの2階建て部分を撮影する際には、バイクをトンネル外に止めて(車に注意して)歩いての撮影になります。
ちなみに、この向山・共栄トンネルを超えて養老川を渡河した1km先には素掘りの清水代トンネルがあり、短いですがなんか異世界に繋がる感のあるトンネルで、まるで宮崎駿作品の両親が豚になってしまうあのシーンのトンネルを思い出しました。狭くて、未舗装路面はゴツゴツとした岩が出ていますので、くれぐれも走行にはご注意を。
2位 月崎トンネル
- 雰囲気 ★★★★
- アクセスの良さ ★★★
- オリジナリティ ★★★★
素掘りトンネルの中央部分の天井が落ちて、木々の根元越しに空を見ることができる、なんとも風情のある素掘りトンネルです。県道172号線から市立いちはらクオードの森へと向かう道中にあります林道月崎1号線に入り約1km(約5分)。離合困難な狭路(舗装路)で四輪だと辛いですが二輪ならアクセスはしやすいです。
陽光が天井の穴から降り注いだ時に撮影をすると幻想的は光景を撮ることができます。また、そのまま林道を300mほど進みますと台山第二隧道という普通の素掘りトンネルもあります(その先は突き当たり)が、路面が滑りやすいのと、崖崩れなどで通行止めになることも多いのでご注意を。
1位 柿木台第一・第二トンネル
- 雰囲気 ★★★★
- アクセスの良さ ★★★★
- オリジナリティ ★★★★
前出の永晶寺トンネルと同様の観音掘りという掘り方で作られ、将棋のコマのような形が特徴的な柿木台第一トンネル。トンネル内は道幅も広く、またポールも立っていることから風情は薄いものの、素掘りトンネルとしては珍しくトンネル内に壁面灯があり、この光の陰影で五角形のトンネル内が縞々に映り、とても雰囲気がいいのが特徴的なトンネルです。しかもほとんど車が通らないので写真も撮りやすいです。
そして、第一トンネルから400mほど南に降ったところには、普通の丸い形の柿木台第二トンネルがあります。永晶寺トンネルからそのまま道一本(舗装路)で柿木台第二トンネル、柿木台第一トンネルと行くことは可能ですが、永晶寺トンネル内が暗くて路面が見づらいのと、柿木台第二トンネルまでが若干酷道なので、県道61号線(清澄養老ライン)から道一本入って柿木台第二トンネルと柿木台第一トンネルのちょうど間にアクセスした方が楽です。
なお、道中には浦白川のドンドンと言う川廻しが見れる場所(分かりづらい場所ですが…)もあります。
車だとアクセスに離合が困難な場所もありなかなか気軽には行きづらい素掘りのトンネルですが、機動力のあるバイクでなら行きやすいですし、今回ご紹介した素掘りトンネルは全て舗装路のためロードタイプのバイクでも訪ねやすい場所です。
ぜひ、房総ツーリングに花を添える素掘りトンネルにぷらっと立ち寄られてみてはいかがでしょうか。
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