4気筒400cc 77PS(ラムエア加圧時80PS)のスポーツバイク

80-90年代に各メーカーから多くの車種が発売されていました4気筒400cc。日本の免許制度で普通二輪免許(昔は中免とも言われていました)で運転できるバイクが400cc(㎤)までということもあり、80年代では401cc以上のバイクに乗るための大型免許(限定解除)は教習所では取れず試験場での一発試験のみということで合格率は数%と超難関だったこともあり、多くのライダーは普通免許のみの取得に留まり、その中で運転できる最も大きな排気量の400ccに人気が集まりました。
ただし、大型免許が試験場で取得できるようになり、また、コスト的な面からも2気筒(ツイン)エンジンの台頭により、日本国内特有の免許制度の中で隆盛を誇っていました4気筒400ccのバイクは、各モデルのグローバル化もあり徐々にモデル数が減っていきました。

その中で、今回、久しぶりに4気筒の400cc(㎤)として発売されましたカワサキのZX-4R。水冷4ストローク並列4気筒DOHC 4バルブ399㎤のエンジンを搭載し、最高出力はなんと77PS(ラムエア加圧時80PS)という高出力を、14,500rpmという高回転で発生させます。

80年代の400ccはメーカー間の熾烈な馬力合戦や二輪事故の多発という背景もあり、400ccは59PSという自主規制が敷かれました(250ccは45PS)。現在は自主規制こそなくなってはいますが、それでも77PSといえば一昔前のナナハン(750cc)の馬力で驚きの数字です。最大トルクも39N・m(4.0kgf・m)/13,000rpmというかなり大きいトルクを発生させます。

その数値の大きさから馬力が特出されることが多いZX-4Rですが、基本的には同社のZX-25Rと同じボディを使用していることもあり、車体はかなりコンパクトで車重も190kg(ZX-4RR KRT EDITIONは189kg)と、4気筒バイクながらかなり軽量なのもポイントです。

もちろんハンドルはセパレートハンドルで、シートはセパレートタイプ。レーシーライクなスタイルですが、4気筒でありながらタンク幅がスリムで、バイクにまたがって威圧感を味わうことはないです。

ポジションはもちろん前屈みにはなりますが、思ったほどの前傾ではなく(YZF-R7の方が前傾度がきついです)、意外とハンドルの切れ角もあり、ガチガチのレーサータイプではなく、普段乗りでも苦なく楽しめポジションです。この辺りは(レースの絡みから)ガチガチのレーサースタイルだった80年代の400ccモデルとは違っています。

TFTカラー液晶のメーターパネルには斜めにドンと目立つように回転数の表示があ利、高回転まで回るという誇らしさを感じます。なんとレッドゾーンは16,000回転からになっています。そして、SPORT、ROAD、RAIN、RIDERの4つのライディングモードが選べます。

メーターの左側にはラムエアシステムの表示があります。


グリップ周りはライディングモードの切り替えスイッチ以外はオーソドックスな感じですが、その分、スイッチが扱いやすいのが嬉しいところです。

シート高は800mmということでZX-25Rの785mmより少し高いですが、スポーツ系らしくシートは薄めで前端が絞られていますので、ベタ足にはなりませんが足つき性はまずまず良い方だと思います。

そして、フロントにはシングルディスクブレーキのZX-25Rと異なり、デュアルディスクブレーキを装備。それだけで、25とは違うんだぜ、というような気配を感じてしまいます。

リアシート下はこの手のバイクとしては結構深さがあり、ETCの車載器のほか、ちょっとした工具と車検証入れなどが入りそうです。

さて、キーを回してエンジンをかけますと4気筒エンジンならではの図太いサウンドが鳴り響きます。「おぉ!すごい!」400ccでこの音が聞けるとは…と少々感激モードになりました。

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