近畿(重要伝統的建造物群保存地区)

1. 大津市坂本 2. 彦根市河原町芹町地区 3. 近江八幡市八幡 4. 東近江市五個荘金堂 5. 京都市上賀茂 6. 京都市産寧坂 7. 京都市祇園新橋 8. 京都市嵯峨鳥居本 9. 南丹市美山町北 10. 伊根町伊根浦 11. 与謝野町加悦 12. 富田林市富田林 13. 神戸市北野町山本通 14. 豊岡市出石 15. 丹波篠山市篠山 16. 丹波篠山市福住 17. 養父市大屋町大杉 18. たつの市龍野 19. 橿原市今井町 20. 五條市五條新町 21. 宇陀市松山 22. 湯浅町湯浅

滋賀県

目次

53.大津市坂本

門前町と荷揚げ港で発展した町

大津市坂本

山側が比叡山延暦寺や日吉神社の門前町として栄え、湖側が荷揚げ港として発展して大いに栄えた町で、高齢となった僧たちが居住した道路に面した里坊の、穴太衆積みの石垣と塀や、生垣に囲まれた建築物や庭園が歴史的景観を作り出しています。

穴太衆積みの石垣

元里坊で、別荘として整備された旧竹林院は国名勝にも指定されています。

旧竹林院

54.彦根市河原町芹町地区

彦根藩の城下町

彦根市河原町芹町地区

河原町芹町は彦根藩の城下町として発展し、江戸時代から昭和初期にかけて建てられた、切妻造で瓦葺、二階建ての伝統的な町家が並び商家町を形成しています。

55.近江八幡市八幡

近江商人たちの居住地

近江八幡市八幡

1585年に、豊臣秀次によって八幡山城が造られ、八幡はその城下町として発展しました。以後、東海道と中山道と北国街道が交差する要所として、近江商人たちの居住地が建ち並びました。堀に接して石垣や土蔵群が並ぶ歴史的景観が特徴です。

八幡堀

56.東近江市五個荘金堂

豪華な家屋の商家と茅葺屋根の農家住宅が並ぶ

東近江市五個荘金堂

琵琶湖の東側に広がります湖東平野の中央部にあります五個荘金堂は、弘誓寺や勝徳寺、浄栄寺などの寺院がある中に江戸時代にできた農村集落で、江戸時代後期から昭和初期にかけては近江商人の住家の建ち、五個荘近江商人の日本庭園を持つ豪華な家屋の商家と、茅葺屋根の主屋を持つ農家住宅とが並んで、その景観を作っています。

京都府

57.京都市上賀茂

上賀茂神社の神官の屋敷町として発展

京都市上賀茂

室町時代より、上賀茂神社の神官の屋敷町として発展した社家町で、上賀茂神社から流れ出る明神川沿いに社家が並び、「豕扠首(いのこさす)」という独特の切妻造りの主屋を囲むように、土塀や門があり、そして明神川にかかる土橋が風情を醸し出しています。

58.京都市産寧坂

清水寺や法観寺、祇園社などの門前町

京都市産寧坂(二年坂)

清水寺や法観寺、祇園社などの門前町として平安時代以前より形成された場所で、石畳の坂道に沿って町並みが作られました。二年坂、三年坂などがあり、お土産店や茶処などが伝統的な日本家屋が並び、多くの観光客が訪れます。

59.京都市祇園新橋

芝居小屋などが建ち並ぶ遊興の地

京都市祇園新橋

祇園神社の門前町として発展し、江戸時代の初期に鴨川の築堤工事が完成した後は芝居小屋などが建ち並ぶ遊興の地として栄えました。1865年に大火に見舞われ、現愛の建物はそれ以降に建てられたものですが、切妻造、桟瓦葺で、一階には格子があり、二階は座敷としてすだれを掛けています。茶屋町として風情のある伝統的な佇まいを楽しむことができます。

60.京都市嵯峨鳥居本

愛宕詣の門前町として発展

京都市嵯峨鳥居本

平安京以前より歴史を有している場所で、愛宕神社の鳥居前町として江戸時代中期には愛宕詣の門前町として発展。江戸時代末期から明治、大正にかけて、農家、町家、茶屋などが並びました。そのため、茅葺で農業家屋と、瓦葺の町家の建物が混在した風景を醸し出しています。嵐山高雄パークウェイの橋の上からの景色が綺麗です。

61.南丹市美山町北

北山型という独特な構成を持つ茅葺屋根の民家が建ち並ぶ

南丹市美山町北

若桜街道に開けたこじんまりとした集落で、北山型という独特な構成を持つ茅葺屋根の民家が建ち並んでいます。詩賦を山に囲まれ、街道沿いを流れる由良川の清流と共に自然に溶け込んだ和やかな景観を楽しむことができます。里の中には民宿や茶処などがあり、多くの観光客が訪れる場所です。

62.伊根町伊根浦

約230棟もの舟屋が湾に浮かぶ集落

丹後半島北東部にある伊根湾に面した入り江に、江戸時代末期から昭和初期にかけて建てられて湾に続く1階に舟を保管する舟屋が、現在でも約230棟も入り江沿いに建ち並ぶ情緒ある風景を望めます。遊覧船で湾から伊根の舟屋の景観を望むことも出来ます。

63.与謝野町加悦

丹後縮緬の生産を中心に繁栄

与謝野町加悦

与謝野町は丹後半島にある町で、1580年より3年間、城下町として発展しました。江戸中期以降は丹後縮緬の生産を中心とした商業が栄え、江戸から昭和初期に建てられた主屋や土蔵、縮緬工場などが建ち並んでいます。ちりめん産業で繁栄したことから、「ちりめん街道」という愛称が付けられました。町並みというよりは旧家が点在していて今でも普通に生活されている場所になります。

大阪府

64.富田林市富田林

寺院都市として形成された町

富田林市富田林

永禄年間(1558~1570)の初頭に、十六世証秀上人におより真宗興正派興正寺別院を中心とする寺内町が形成され、現在も当時の六筋七町の町割りが残されています。江戸時代には周辺地域の農作物の集積地として、また江戸時代後期には木綿商や酒造業が発達し南河内の中核の町となりました。現在も、入母屋造や切妻造で本瓦葺の町家が軒を連ね、歴史的景観を形成しています。

古い鐘楼と富田林興正寺別院

兵庫県

65.神戸市北野町山本通

洋風建築物が約30棟近く残る町

神戸市北野町山本通

明治や大正時代に外国の商人や外交員が建てた洋風建築物が約30棟近く残る、六甲山の南麓に広がる丘にある北野町山本通り。国重要文化財の旧トーマス住宅や小林家住宅などがあり。別称、異人館通り(北野異人館)とも言われています。結構、急な坂が多いので歩いて回るのに体力を使います。

66.豊岡市出石

出石城の城下町として発展

豊岡市出石

1604年ごろ平山城(出石城)が築城され、その城下町として発展し、但馬地方の中心地と栄えました。1876年の大火により多くの建造物が焼失しましたが、江戸時代の地割をもとに切妻平入の町家が建築され、城下町の歴史的景観を醸し出しています。

67.丹波篠山市篠山

篠山城の城下町

丹波篠山市篠山

1609年に篠山城が築城されたことに伴い、城の四方が城下町として整備されました。1740年に青山忠朝が篠山城に入り、以後は青山氏が城主となりました。武家町や商家町などの町割りが残され、茅葺の武家住宅のほか、江戸時代から昭和戦前期にかけての妻入りの町家が建てられ、商家群を構成。近世城下町の基本的構造をうまく残している場所です。

68.丹波篠山市福住

西京街道沿いに位置する宿場町

丹波篠山市福住

篠山から京都に向かう西京街道沿いに位置する宿場町だった場所です。宿場町の中央に本陣、西端に脇本陣が置かれ、妻入りの二階建瓦葺の町家と建ち並ぶ宿場町の町並みと、それに隣接する周囲に田園が広がる平屋建茅葺の農村集落の歴史的風致が楽しめます。

69.養父市大屋町大杉

養蚕地帯にある山村集落

養父市大屋町大杉

但馬地域屈指の養蚕地帯にある山村集落で、養蚕最盛期の明治後期から昭和前期にかけて、切妻造の瓦葺屋根に越屋根を設け、蚕室を兼ね備えた二階建や三階建の養蚕住宅が建てられました。木造三階建の農家主屋が、周囲の水路や石垣などとともに歴史的風致を伝えています。

70.たつの市龍野

醤油醸造の一大産地として栄えた町

たつの市龍野

16世紀末までに龍野城の城下町として形成され、近代は醤油醸造の一大産地として栄え、発展しました。江戸時代に作られた町割りを残し、軒が低く大壁造の町家や重厚な土蔵等が残っています。白壁や町家造りの建物が多く残る町並みは、播磨の小京都とも呼ばれています。「赤とんぼ」の作者・三木露風の生家もあります。

たつの市龍野
赤とんぼの歌碑

奈良県

71.橿原市今井町

独自の紙幣が流通した町

橿原市今井町

一向宗の布教拠点として誕生しました今井町は、寺内町として発展。江戸中期には一千軒もの家を有し、商取引も盛んに行われ独自の紙幣の今井札までが流通するほどの繁栄を見せ、南大和地方の商業の中心地となりました。

保存地区は旧環濠で囲まれ、やがて鉄道の開通とともに町の中心地は変わりましたが、そのため重厚な歴史的建造物が保持され、まるで時代劇のセットのような歴史的景観を残しています。

全建物数約1,500棟弱のうち、約500棟が伝統的建造物で、全国で最も伝統的建造物が多い地区です。国重要文化財が9棟あり、カフェなどもありぷらぷらと散策するのも楽しく、重要伝統的建造物群保存地区の中でもかなり重厚度の高い地区です。

72.五條市五條新町

ふたつの町並みから成る保存地区

五條市五條新町

1608年に筒井氏の家臣の松倉重政が発展させた城下町の新町と、西川東岸に広がる五條村の、ふたつの町並みから成る保存地区で、国重要文化財で日本最古の町家栗山家住宅があります。中世の不規則な町割りが施工されている 五條と、間口と奥行が揃った地割りの新町と、異なる景観を楽しめます。地区内の建造物の330棟のうち143棟が伝統的建築物として特定されています。

73.宇陀市松山

宇陀松山藩の陣屋町として栄えた町

宇陀市松山

江戸時代には宇陀松山藩の陣屋町として栄えた場所で、江戸後期から昭和初期にかけて建てられた平入の町家群が戦国時代に整備された地割りを残しつつ、城山と宇陀川の間に南北に広がっています。こじんまりとした地区ですが、商家町として発展しながらも城下町の名残を残している場所です。

和歌山県

74.湯浅町湯浅

熊野古道の宿場町として発展

湯浅町湯浅

熊野三山に続く熊野古道の宿場町として発展した湯浅町。中世には醤油醸造で栄え、後に紀州藩の代表的な産業になりました。切妻造平入の町並みに、白壁の土蔵、格子戸、虫籠窓などの醤油醸造の家並みで構成され、醸造文化の伝統と歴史を感じ取ることができます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次