中部(重要伝統的建造物群保存地区)

1. 甲州市塩山下小田原上条 2. 早川町赤沢 3. 長野市戸隠 4. 塩尻市奈良井 5. 塩尻市木曾平沢 6. 千曲市稲荷山 7. 東御市海野宿 8. 南木曽町妻籠宿 9. 白馬村青鬼 10. 高山市三町 11. 高山市下二之町大新 12. 美濃市美濃町 13. 恵那市岩村町本通り 14. 郡上市郡上八幡北町 15. 白川村荻町 16. 焼津市花沢 17. 名古屋市有松 18. 豊田市足助 19. 亀山市関宿

山梨県

目次

34.甲州市塩山下小田原上条

養蚕のために屋根を上げた家屋が特徴

甲府盆地の北東部にあり山村で、明治時代の中期以降に養蚕を行うようになり、江戸時代に建てられた屋根の前面の中央部を切り上げた突上げ屋根がの家屋に、昭和以降は養蚕のために屋根を上げた桟瓦葺切妻造主屋の主屋も建てられるようになりました。

上条集落の養蚕家屋

また、集会所と利用される観音堂を囲むように扇状に集落が形成されています。古民家んの宿泊施設の「もしもしの家 古民家宿」などがありますが、集落としての大きな見どころがないため、旅の目的地にはなりづらい場所ですが、大菩薩ライン沿いにありますので、同道を通られる際はぷらっと立ち寄って見られるのもありかと存じます。

35.早川町赤沢

身延山久遠寺と霊場七面山を結ぶ参道にある宿場

赤沢は、東にある身延山久遠寺と西にある霊場七面山とを結ぶ参道にある宿場町で、旅籠はどこからでも客室に入れるようの土間と廊下が設けられています。また、マネギ板と呼ぶれる講中札が下がっていて、風情を感じることができます。

早川町赤沢

大正から昭和初期にかけては身延山の参拝客の往来で隆盛を誇りましたが、モーターリゼーションが進んだ昭和30年代頃からは来訪客は減少の一途をたどっています。

早川沿いの県道を進み、途中で春木川沿いの道を進みますと、急に山間に同集落が現れて古民家や石畳などがあり驚かされます。中部横断自動車道の下部温泉早川インターチェンジからもほど近いですが、赤沢集落まではピストン往復の道程になります。

実走ツーリング~身延

長野県

36.長野市戸隠

戸隠信仰を背景とした信仰集落

戸隠神社の中社と宝光社の門前町で、戸隠信仰を背景とした信仰集落です。参道沿いには宿坊が並び、その外に江戸時代中期から昭和にかけて建てられた茅葺屋根などの建物が門前町が形成しています。

長野県戸隠

観光客で賑わう戸隠の町並みを過ぎて進みますと、戸隠連山の美峰が望める鏡池や巨木の杉並木のある戸隠神社の奥社などがあり、ツーリングの目的地として楽しめる場所でもあります。また、戸隠の町内におおくあります蕎麦屋さんで、名物の戸隠そばを食すことも出来ます。

戸隠そば

37.塩尻市奈良井

奈良井千軒とも呼ばれ賑わった宿場町

中山道の木曾11宿のひとつで、難所の鳥居峠を前に旅人たちで賑わった宿で、最盛期には奈良井千軒とも呼ばれました。1kmほど続く街道沿いには、一階より張り出した手摺のある二階部分の出梁造りが特徴的な旅籠屋形式の町家が軒を並べています。

塩尻市奈良井

現存する木曽11宿の中でも特に当時の風情を感じられる古い町並みということで多くの観光客が訪ねる観光地となっていて、訪れるなら早朝がお勧め。海道内は一般の車両は進入禁止のため、奈良井宿入り口か、道の駅 奈良井 木曽の大橋にバイクを止めて散策するのが○。飲食店やお土産屋さんが多く、楽しめます。

実走ガイド~こころのふるさと ”木曽路” 中山道

38.塩尻市木曾平沢

中山道随一の漆器業の工人町

木曽平沢は江戸時代より奈良井宿の枝宿として中山道随一の漆器業の工人町として繁栄した宿です。今もなお、漆器店が多くあり、漆器生産量は日本有数です。

木曽平沢

但し、宿自体は生活感にある普通の町という感じで、漆器店があるほかは伝統的な家屋は少なく見どころがないため、ツーリング的には奈良井宿に行く途中に国道19号線から外れて、木曽平沢宿内を通る旧道を抜けるくらいの感じになるかもしれません。

39.千曲市稲荷山

北信濃有数の商都として繁栄

稲荷山宿は善光寺街道の宿場町で、1847の火災で被害を受けますが、その後、復興し、明治から大正にかけては、生糸や繊維製品が集積地として北信濃有数の商都として繁栄しました。

千曲市稲荷山

町の中央部に街道が通り、茅葺屋根の家屋や厚い土塀の建物、また木造りの家屋など、いろいろな形式の建物が混在しているのが特徴の町並みです。ここ、といったも見どころが少ない場所でもありますので、高台にある稲荷山公園からその町並みを望むのがいいかもしれません。

40.東御市海野宿

水路が流れる風情ある宿場町

海野宿は、江戸時代の北国海道の宿場で、約650mに渡りほぼ両側に旧家が並び、また水路が流れる風情ある宿場町です。明治以降、交通網に発達により宿場町の機能は失われていきましたが、養蚕業を営むようになり、旅籠屋形式ながら二階建で建ちが高い家屋が増えていきました。

東御市海野宿

電柱も埋められ、昔の宿場町の風情を楽しむことができますが、お店が少ないのと、車が通るので少し雰囲気がそがれてしまうことがあります。逆にバイクでぷらっと走り楽しむことも出来る場所です。

41.南木曽町妻籠宿

木曽路11宿の宿場町の一つ

中山道の木曽路11宿の宿場町の一つで、板葺で二階に手摺が付いた旅籠屋形式の町家が並んでいます。過疎化対策として、1968年から1970にかけて、家屋の解体修復が行われ、町並みの保存をすすめたことで観光資源と復活し、毎年多くの観光客が訪れる場所となりました。

南木曽町妻籠宿

町と住民が一体となって「妻籠宿保存条例」を試行するなど、国道を一本入った街道沿いにありながら静かで、なおかつ、観光に来ても楽しめるような食事処やお土産屋さん、そして各種体験会なども行われて、古い町並みを楽しめる風情を遊びの両方がうまく溶け込んでいる町です。町明かりが灯る夕方ごろがお勧めの時間なので、できれば同妻籠宿内で宿を取り、ゆっくりしながら過ごしたい場所です。

42.白馬村青鬼

北アルプスの美峰を望む集落

北アルプスの麓にある山村集落で、なだらかな斜面地に三日月状に二段になって集落が形成されています。江戸時代後期から明治時代に建てられた15棟の茅葺大型の主屋があり、また、集落の東端には北アルプスの美峰を望む日本の棚田百選にも選ばれています棚田があります。

白馬村青鬼

集落に入る前に駐車場がありますので、そこにバイクを置いて、集落内を歩き棚田へと向かいます。集落は普通に生活されている方々ですので、見学される際は、農作業などの邪魔にならないようにご注意を。とにかく、棚田まで行き、絶景の北アルプスの景観を眺められることをお勧めいたします。可能なら、まだ冠雪が残る春の訪問が○です。

岐阜県

43.高山市三町

幕府直轄地として商家町

飛騨地方の中心地で、幕府直轄地として商家町として発展しました。建物は、江戸時代に建てられた中二階で屋根の勾配が緩やかで深い軒の家屋が特徴。地区の中心にはさんまち通りという小道が伸びています。

高山市三町

旧家を利用しての飲食店やカフェなどもあり、ぷらぷら散策するのも楽しいです。特に名産の飛騨牛は握りや牛串などで一度は味わっておきたいところです。近くには高山陣屋や飛騨高山レトロミュージアムなどがありますので、時間があれば合わせて見学したいところです。

高山陣屋

44.高山市下二之町大新

伝統的な家屋が並ぶ

前出の三町の北側にある町で、江戸時代から明治時代にかけて商人町として栄えた下二之町地区と、越中街道筋沿いに発展した大新町地区から成り、国重要文化財の日下部民芸館や吉島家などの伝統的な家屋があります。

高山市下二之町大新町

明治8年の大火により町の多くの建物は焼失してしまい、現代に残っている家屋は明治以降の建物になります。当地区は桜山八幡宮の氏子区域でもあり、下二之町は菓子屋、餅屋などの魅力的なお店がありちょっと軒を除くのも楽しいです。前出の三町と合わせて、高山観光として是非立ち寄って見たい場所です。

45.美濃市美濃町

うだつの上がる町並み

江戸時代の初期に戦国武将の金森長近により城下町として形成。金森家が断絶した後は、美濃和紙の生産地として、発展しました。短冊状の細長い地に切妻造平入の家屋、そして防火壁としての「うだつ」家屋が多く造られています。そこから「うだつの上がる町並み」と言われています。

美濃市美濃町

とても美しい町並みで、高速の美濃ICからも近く、ここをツーリングの目的地としてバイクを走らせてくるのもありかと思います。和紙屋やお菓子屋などが軒を並べていて眺めて回るのも楽しいです。徒歩5分ほどのところに市営駐車所があります。近くの小倉山城跡からは うだつの上がる町並みの景観を望むことができます。

小倉山城跡

46.恵那市岩村町本通り

岩村藩三万石の城下町

江戸時代には岩村藩三万石の城下町として繁栄し、その後、東濃地方の中心地として栄えた商家町です。岩村町本通りという通りの沿って町家が並び、家屋は二階部分が低い、厨子二階といわれる造りのものが多くあり、また各家の敷地内には天正疎水と呼ばれる水路が流れています。

恵那市岩村町本通り

こじんまりとした商家町ですが、朝の連続ドラマのロケ地にもなったこともあり観光客が訪れています。通りは車が通れるのでバイクでも走れますが、距離もさほそないので、歩いて岩村城へと続く本通りのその風情を楽しまれるのがお勧めです。

岩村城は、戦ちなみに、戦国時代は織田信長の叔母が女城主となった城でもあり、その後、敵の武田方に寝返ったことで、織田軍に倒された悲劇の城としても有名です。

岩村城

47.郡上市郡上八幡北町

郡上八幡城の麓に広がる城下町

郡上八幡は郡上八幡城の麓に広がる城下町で、八幡北町はその中心市街地になります。その後、大正時代の火事で同地域の建物が多く焼失しましたが、総二階建の切妻平入の家屋が建てられ、今もその町家が密度高く建ち並んでいます。

郡上市郡上八幡北町

また、水路などがあり水利施設と一体となった町です。

郡上八幡城と共に多くの観光客が訪れる場所でまさに観光地ですが、一本裏に入った八幡町職人町の通りは人も少なく静かです。但し、普通に生活をされている場所ですので、ご迷惑にならないようにその風情を楽しまれるとよいかと思います。

48.白川村荻町

ユネスコ世界遺産の伝統的建造物

豪雪地帯であり、また江戸時代中期に養蚕が盛んになったことから、急こう配の茅葺屋根を持ち二層三層の屋根裏部屋を持つ合掌造りの家屋が建てられました。同地は五箇山とともにユネスコ世界遺産に登録されています。

白川村荻町

田畑や用水が広がる景色の中に茅葺屋根の家屋が点在する、日本を代表する景観で、高台の荻町城跡展望台(無料駐車場あり)からその全容を望むことができます。

三連合掌

毎年1月と2月の週末には、夜間にライトアップがされ幻想的ですが、もちろん降雪地のため、バイクでなら田畑が色づく5~6月の訪問をお勧め。但し、人気の観光地で、特に荻町城跡展望台は多くの来訪者が訪れますため、やはり朝早めに訪ねた方がよいようです。

静岡県

49.焼津市花沢

万葉集でも読まれた場所

旧東海道といわれています日本坂峠への道が南北に続く旧街道沿いにある約30戸ほどの集落で、古い民家が多数現存している地区です。緩い傾斜のある地のため道路際から石垣を築いて敷地を造成し、農作業などで使われた附属屋が建ち並んでいます。明治時代以降は、お茶や蜜柑の産業が発達し、各々を貯蔵する貯蔵庫などが増設されました。

焼津市花沢

古くは万葉集でも読まれた場所で、重要伝統的建造物群保存地区に選定された後も観光地などされず普通に生活されています静かな集落ですので、バイクは駐車場(臨時駐車場あり)において静かにのんびり散策されますよう。

愛知県

50.名古屋市有松

有松絞りの絞り染めの産地として繁栄

1608年、旧東海道の鳴海宿と池鯉鮒宿の間宿として尾張藩によって開かれた茶屋集落で、有松絞りの絞り染めの産地として繁栄しました。東海道沿いに広い間口を持った 絞り染め商の主屋や土蔵などが多く見られます。

名古屋市有松

名古屋市内にあるとは思えないほどの情緒のある町並みで、風情を楽しめますが、高級な有松絞りのお店が多いことから気軽に立ち寄れるお店は少ないです。それでも、巾着やマスクなどの小物でしたら手にしやすいので、お店の軒をくぐって楽しむのもありかと思います。

ちなみに有松から2kmほど南にいったところに、桶狭間の合戦場といわれる桶狭間合戦公園があります。

51.豊田市足助

伊那街道の中継地点として栄えた商家町

伊那街道の中継地点として栄えました足助。江戸時代から昭和前期までの町家が並び、細長い敷地に平入・妻入の家屋が、街道沿いに面して所狭しと建ち並んでいます。

豊田市足助

また、足助川沿いには石垣を築いた後、川に張り出す座敷などが建てられました。足助の町並みは古民家ばかりでなく、昭和レトロな建物もあり、歩いていてとても楽しい町並みです。特にマンリン書店脇のマンリン小路はすいぷらっと入りたくなる路地です。

また、同じ足助町内には紅葉で有名な香嵐渓もありますので、合わせて立ち寄られてみてはいかがでしょうか。

香嵐渓

三重県

52.亀山市関宿

東海道の宿場町として唯一の重伝建

旧東海道で、江戸から47番目の宿場町として賑わった関宿宿は、東海道の宿場町として唯一の重要伝統的建造物群保存地区になります。全長約1.8kmの宿場町には、江戸から明治にかけての町屋が約200軒連なり、その様相は国内随一とも言えます。

亀山市関宿

西からは大和街道が、東からは伊勢別街道が分岐していて、江戸時代には往来する人々でにぎわい、参勤交代やお伊勢参りの人たちが立ち寄り、繁栄しました。

全長が2㎞弱と長いので、バイクで走りながらその風情を楽しむか、もしくはバイクを駐車場にとめて町の中心部をぷらぷらと散策するか、お好みで楽しまれると良いかと思います。

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