■2022年式 トライアンフ TIGER660 SPORTに乗ってみました。

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俊足なオールラウンダー

90万円台で鮮烈なデビューを放ちましたトライアンフのTRIDENTと同様の水冷DOHC並列3気筒12バルブ 6600ccのエンジンを積んだ、アドベンチャースタイルのモデルです。

まず跨った感じですが、データ的にはシート高は835mmですが、シートがスリムなためか(大きな体の外国の方が乗られる)輸入車としては非常に足付きが良いです。これは、タイガーシリーズ全般に言えることで、ドイツの方やイタリアの方に比べてイギリスの方は少し小柄なのかもしれません。とにかく、足付きが良いのはうれしいです。

そして、660ccの3気筒という比較的コンパクトなエンジンを積んでいるためか、ビッグアドベンチャーバイクにありがちな跨って迫力のあるタンク回り…というわけではなく、タンクの幅も400ccクラスと見間違えるような安心感のあるコンパクトさですが、タンク容量は 17.2L を確保しています。

タイヤはミシュランのROAD5を装着。但し、リアは取っ手はあるもののタンデムやバッグの積載には少し小さめ&ベルト装着部があまり無いので、大型のキャンプバッグなどを積載する予定のある方はご確認された方が良いかもしれません。但し、純正のパニア3点セットがつけられるようなので、それを付ければ積載量は増えますしタンデムライダーも背もたれが出来て座りやすくなります。

マフラーエンドは腹下にあり、低音が響く…というわけではないですが、小気味よい排気音を響かせてくれます。

そして、ショーワ製の倒立式フォークにショーワ製リアサスペンションと油圧式リモートプリロード調整機能、スリップアシストクラッチ、ROADとRAINのライディングモード、ABSと切替式トラクションコントロールにTFTのカラーメーターとリーズナブルモデルながらチープさは感じられません。

早速走ってみましたところ、姉妹モデルのTRIDENと同様に小回りが利きやすく、特に市街地では重宝しました。アドベンチャーモデルということでTRIDENTほどにはクルクル回る感じではないので調整されているのかと思いますが、それでも幅広なアップハンドルとともに切り返しがしやすく、足付きの良さも伴って町中でもUターンがしやすかったです。もちろんポジションも高いので周囲が見まわしやすくて、通行人や車の挙動も見やすいですし、景色もよく見えました。

もちろん、ビッグバイクとはいえ660ccというミドルサイズのため、タイガーの1200やBMWのGSのような絶対的な安定性こそ排気量や車格的に控えめですが、逆に乗りやすいサイズと小気味よく吹き上がる3気筒エンジンのおかげで大柄のアドベンチャバイクと比べて比較的スポーツ的な走行を楽しむことができます。もちろん、大きめのスクリーンのおかげで高速走行もしやすいです。

そして、実は便利だったのが、メーター上のグリップを手動で上にあげるとでスクリーンが上がって、より防風効果が上がるのです。高速走行時はスクリーンを高くして、一般道ではスクリーンをノーマルにという切り替えがとてもしやすいのがうれしいところです。

スクリーンを上げてみた状態

また、このメーターの上のハンドルもうまく使えば、アクセサリーを付けたりできそうです。

リーズナブルなプライス設定の価格戦略車ということもあり、華美な装備こそ付いていませんが、逆にオプションでハンドガードやGo PRoや音楽の操作が手元で楽しめますMy Triumphコネクティビティモジュールやタイヤ空気圧モニタリングシステム、グリップヒーターなどを好みで着けることが可能です。

さて、個人的に乗ってみて感じたことは、とてもオールラウンダーなバイクだな、ということです。町中、高速、ツーリングと汎用性が高く、各々のステージをそつなくこなします。大型スクリーンと 81PS のパワーで高速も普通に快走できますし、3気筒の俊足さと車体のコンパクトさで町中は走りやすいですし、ワインディングでスポーツ走行も楽しめそうです。まさに俊足なオールラウンダーという感じです。但し、逆に言いますと、どこかに秀でた個性が少ないな、とも感じました。

ビッグアドベンチャーバイクに多い大柄で圧倒的な安定性や重厚性で長距離を楽に走るというタイプでもないですし、もちろんワインディングを爽快に攻めるスポーツタイプでもないです。また、アドベンチャータイプではありますが、このバイクでオフロードを走るのにはそれなりの腕を必要とします。以前にタイガー900を乗りましたが、高速を移動してツーリングを楽しむにはもちろん900の方が楽ですし、オフロードならスポークホイールで腰高の900ラリーの方が走りやすいでしょう。但し、町中では660の方が取り回ししやすいです。タイガー1200になりますと、その差がもっと顕著になってきます。そういう意味では、フレンドリーさもあり、とても間口の広いバイクであると言っていいと思います。

あと、ライトのLED化により、いろいろと凝ったフェイスのバイクが増えている中で、何か保守的なデザインな感じもいたします。この辺りは個人的な好みにはなりますが…

アドベンチャーモデルですが、どちらかというとTRIDENTのカウル版モデルという感もありました。例えば、ホンダCB1300SFに対してのホンダCB1300SB的な、もしくは乗って一番近いな…と思ったモデルが、ヤマハXJ6のカウルモデルのXJ6ディバージョンでした。やはり、高速を使ってツーリングをするライダーが多いことから防風効果の高いスクリーン&カウル付きモデルは日本では人気が高いです。

バイクの価格がグローバル的に上がっている中で、輸入車のビッグバイクで112.5万円はリーズナブルですし、通学から買い物からちょい乗り、そして高速を使った長距離ツーリングまでこの一台で楽しめるバイクです。とにかく、乗るときに身構えずに、さあ走ろうか…と思ってぷらっと跨って走りに行ける気軽感はとてもいい感じでした。初めてのビッグバイクとして、また大きなバイクに身構えて乗るのに疲れてしまった方などにお勧めのオールマイティなバイクだと思います。


■TIGER660 SPORT

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LUCERNE BLUE / SAPPHIRE BLACK
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: tiger-sport-660-graphite-sapphire-black-RHS-1080-1024x576.png
GRAPHITE / SAPPHIRE BLACK
\1,125,000
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: tiger-sport-660-korosi-red-graphite-RHS-1080-1024x576.png
KOROSI RED / GRAPHITE
\1,140,000

全幅:834mm 全高:1,398mm ホイールベース:1,418mm シート高:835mm 乾燥重量:206kg 乗車定員:2名 エンジン種類:水冷DOHC並列3気筒12バルブ 総排気量660cc 圧縮比:11.95 最高出力(kW[PS]/rpm):60kW(81PS)/10,250 最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):64Nm( )/6,250 燃料タンク容量:17.2L 駆動方式:チェーンドライブ 変速機形式:6速 タイヤ(前):120/70 ZR17 タイヤ(後):180/55 ZR17 ブレーキ(前):310mmダブルディスク ブレーキ(後):255mmシングルディスク

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