■こころのふるさと ”木曽路” 中山道(スズキGSX-S1000)

目次

木曽路はすべて山の中である

奈良井宿

木曽路はすべて山の中である…

文豪 島崎藤村の名作「夜明け前」の書き出しにあるように、山に囲まれた木曽路には古い宿場町が残り、木のぬくもりのように住まう方々も優しく、まさに心のふるさとだと感じた場所でした。

「是より南木曽路」の碑。国道にも看板があり。

江戸時代に、東海道と共に江戸と京都を結び物流や人の往来を担った中山道。道中には六十九の宿場町があり、そのうち木曽地域にある北の贄川宿から南の馬籠宿までの十一宿が木曽路と言われています。

ところどころに当時の中山道が残っている。上画像は旧大岨トンネル脇に残る中山道の跡。

木曽路というと、奈良井宿に代表されるような昔の宿場町が続く風情ある街道…というイメージがあったのですが、現在は中山道に代わって国道19号線が木曽路を走り多くのトラックや車が行き交いをしていて、思った以上に交通量が多いです。今もなお、木曽路は多くの物資や人が行き交いをしています。今回、日本風景街道の木曽路を訪ねるため、贄川宿から妻籠宿までの区間を国道19号線を走りながら巡ってみました。

中央高速自動車道の諏訪湖PAにて小休止

長野自動車道の塩尻ICから国道19号線に入り、まず訪ねたのが塩尻市内にある国史跡平出遺跡です。

平出遺跡

縄文・古墳・平安の各時代の生活様式を一同に会して見ることができ、日本の茅葺き造りの移り変わりを見られる貴重な史跡です。広い芝の中にあり開放感も味わえます。

平出の泉

平出の泉~平出遺跡の近くにある透明度の高いエメラルドグリーンの泉。

国道19号線を走り、国道沿いにある“是より南木曽路“の石碑を過ぎますと、いよいよ木曽路に入ります。たまに国道から逸れて旧中山道を走りますと、昔ながらの町並みを楽しめるのが楽しいです。贄川、木曽平沢と古い町並みを楽しみながら通り、そして、奈良井宿に到着。

奈良井宿の入り口

難所の鳥居峠がひかえた奈良井宿は木曽十一宿の中で最も賑わった宿場で、重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。伝統品の木曽木工の土産屋などを見ながら散策するのも楽しいです。記念撮影はやはりSNSなどでも有名なあぶらや旅館前がお勧めです。

道の駅 奈良井木曽の大橋にあります木曽の大橋

1180年、木曽で旗挙をした木曽(源)義仲は越中の倶利伽羅峠で10万もの平氏の軍勢を破り入京。平氏は西国に逃れ、源氏復興の先鞭を付けたましが、後に入京した源義経に討たれました。

木曽義仲が旗挙げをしたと伝わる旗挙八幡宮。樹齢千年を越える大ケヤキがあります。

義仲ゆかりの木曽村には義仲が旗挙げをしたと伝わる旗挙八幡宮や資料が展示されている義仲館などがあり、地元の英雄として慕われているのが感じられます。

木曽義仲の資料が見れる義仲館(300円)。義仲と巴御前の銅像があります。

そして、天下の四大関所に数えられる福島関所跡に寄った後、県道269号線に入り10分ほど走ったキビオ峠展望台に着。木曽路では数少ない、アクセスしやすいながらも御嶽山と乗鞍岳が一望できる好眺望地で、雰囲気も良く好天なら眺望もよく立ち寄りお勧めの場所です。

御岳山や乗鞍岳など周辺の3000m級の山々を望むことができますキビオ峠展望台
「道の駅 木曽川源流の里 きそむ」にて
木曽駒ケ岳連峰が見えます、道の駅 日義木曽駒高原。中山道の中間地点の碑もあります。
なかなか木曽路側からだとその姿を見れない御岳山の山上部が望める、道の駅 木曽福島。

さて、再び国道19号線に戻り南下し、木曽川の手前で川沿いに進むと木曽の桟があります。ここから、緑の川面に白い岩、そして赤い橋という美観が望められます。

木曽の桟

そして、国道を少し走りますと日本五大名峡の寝覚の床に到着。寝覚の床美術館(Pあり)からだと間近に見ることができますが、国道沿いのドライブインのねざめ亭のテラス席からなら、俯瞰にはなるが上から寝覚の床の全容を見ることができます。また同所から木曽山脈の好眺望も望めるので休息にお勧めです。

竜宮城でもらった玉手箱をここで開けて寝覚めたという浦島太郎伝説のある寝覚めの床。
「日本一の絶景トイレ」があります、ねざめ亭。但し、女子トイレになります。なお、テラスからも寝覚めの床の景観が望めます。
ねざめ亭の駐車場から見える木曽山脈。圧倒される景観です。
野尻宿内にあります庭田屋

国道19号線をしばらく走り、脇道に逸れますと木曽森林鉄道の赤い野尻鉄橋跡に着。廃線橋ですが、ポツンと佇んでいる雰囲気が良い橋です。そして阿寺渓谷に向かいます。

1976年まで木材の運搬のために使われていた木曽森林鉄道の野尻鉄橋跡。

エメラルドグリーンの透き通った清流が流れる阿寺渓谷は、渓谷沿いにバイクで走れる舗装路が通っているので、走りやすく、また、一部ですが渓谷を見ながら走れるのも嬉しいところです。見所は狸ヶ淵・狐ヶ淵と犬帰りの淵、そして熊ヶ淵。ところどころに駐車スペースがあり、バイクなら駐車にさほど困らずに美しい渓流の景色を見ることができます。

狸ヶ渕・狐ヶ淵(阿寺渓谷)
狸ヶ渕・狐ヶ淵(阿寺渓谷)

狸ヶ渕・狐ヶ淵(阿寺渓谷) ~ものすごく透明度が高く、エメラルドグリーンの川面越しに川底の石がそのまま見れる美しさに感動すること必至の阿寺渓谷。バイクを下りて2~3分でこの景色が気軽に見れることが驚きです。渓谷の奥にはなりますが、渓谷沿いに舗装路が続いているので、ぜひ、奥の熊ヶ淵まで行きたいところです。

犬帰りの淵(阿寺渓谷)

また、近くには阿寺渓谷と違って川沿いを歩くが、同じ様に水が綺麗な柿其渓谷があり、また中央アルプスを望める恋路峠展望台などもあります。

柿其渓谷
恋路峠展望台

そして、再び国道19号線に戻り南下しますと、国重要文化財の柿其水路橋を潜り、やがて同じく重文の桃介橋や読書発電所を見ることかできます。その後、国道287号線に入り、妻籠宿に到着。全国で最も早く古い町並みを保存・復元した宿場町で、奈良井宿や福島県の大内宿の魁となった町といっても過言ではない宿です。

中山道の42番目の宿場町の妻籠宿。全国で初めて古い町並みを保存した場所だ。

さて、交通量の多い国道19号線に比べて妻籠宿から阿智村へと抜ける国道256号線は交通量が少なく、景観は望めないものの単調な国道19号線に比べて走りを楽しめました。ちなみに、道中に"ねずこ橋"という橋がありました。ねずことは、あの人気アニメのヒロインの事ではなく、木曽五木のうちの一木種だそうです。なるほど…

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次