荒川を生かして作られた要塞
関越自動車道の花園ICから約5km。バイクで10分ほどの荒川のほとりにあります鉢形城。日本百名城のも選ばれているお城です。1476年に山内上杉氏の一門の長尾景春が築城した平山城です。1564年に関東の覇者、北条氏の武将の北条氏邦が入城。以降は北条氏の居城として上杉謙信や武田信玄とも戦いを交えた、武蔵国防衛の最前線の城であったようです。1590年の豊臣秀吉による北条征伐で、前田利家・上杉景勝・真田昌幸軍35,000人に包囲され、城主の氏邦が不在の中、3,000人の兵で籠城したものの、約1か月後に開城。そのまま廃城となりました。その後、同城跡の残存状況が良いこともあり、国の史跡に指定されました。
さて、関越自動車道の花園ICを下りて、国道140号線を寄居方面に西上。道の駅はなぞのを過ぎてしばらく走りますと、県道296号線と交差しますので、県道に入り鉢形城へと向かいます。そして県道30号線を左折して進み荒川を渡河しますと、鉢形城に入ります。
鉢形城跡は鉢形城公園となっていて、公園の中央を県道が縦断しています。すぐ右側には笹曲輪という広い芝生があり、荒川を望むことが出来ます。
その先は芝生が続くものの、県道からは樹々があってよく見えず、途中に未舗装の駐車場などがあります。県道の東側に本丸跡があるので、訪ねるならその駐車場にバイクを置いて歩いて行くのがお勧めです。但し、森の中にあり本丸の雰囲気は分かりづらいです。
公園内を縦断する県道が右にカーブするところで、左に分岐する小道がありますので、そちらに入ります。するとすぐ横に城山稲荷神社への参道があります。ちょっと風情があっていい感じの場所です。
そして、そのままその小道を走って行きますと周りが開けて、右に二の曲輪跡があります。
その先、左側に未舗装ですが駐車場がありますので、そこにバイクを止めて散策します。
まずは、鉢形城のシンボルともいえます四脚門に。
各々復元されたものですが、当時の様相を感じ撮ることが出来ます。そして、三の曲輪に。とにかく芝生が広く、広大な平山城だったことが分かります。
また、ここには復元されました石積みの土塁があり、城の雰囲気を醸し出してもいます。この辺りには、広い芝生の中に、馬出や井戸の跡、お堀の跡などの見どころが多く点在しています。
お堀跡 虎口跡
ここから、自然の要害と化していた、荒川の景観を見ることも出来ます。多分、敵兵はこの荒川を挟んで対峙していたんでしょうね。
そして、その先に諏訪神社という小さな神社があり、舗装の駐車場もあります。また、おトイレもあります。お城の地図を見ますと、ちょうどこの神社が出島のようだったみたいです。
そして、お堀だったような場所を見ながらJR八高線の線路を越えます。
そして、県道294号線を左折してすぐにまた八高線を渡ります。この先のカーブのところが森の中に荒川の支流が流れていて、往時の雰囲気を醸し出しています。但し、バイクを止められる場所がないため、別場所に止めてここまで歩いてくる必要がありますが、木製の遊歩道があります。
そして、その先に鉢形城公園の中心地とも言えます鉢形城歴史館の整備された舗装駐車場があります。
歴史館は小振りながら、中にはお城の復元模型や出土品が展示されています(入館料200円)。但し、ここからですと鉢形城跡を見て回るの距離がありますので、先ほどの三の曲輪跡前の駐車場から三の曲輪中心に見て回った方が良いようです。逆に言いますと、それだけ広い城跡で、多くの曲輪があったことと、荒川を使った自然の要害ということを鑑みて、やはり、35000人の前田・上杉軍をもってしても1か月の籠城が出来たというのもうなづけるところお城です。
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