2023年式 スズキ GSX-8Sに乗ってみました。

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高い基準を擁した今風のスタンダードバイク

スズキGSX-8Sのコンセプトワードは「 Infinite Potential. Limitless Fun(. 無限の可能性、無限の楽しみ)」で、あらゆるシーンで走りを楽しめるストリートバイクだ。

Vストローム800/DEと同様に、水冷4サイクル2気筒 DOHC4バルブ 775cm3のエンジンを搭載。最高出力は59kW〈80PS〉 / 8,500rpmを、最大トルクは76N・m〈7.7kgf・m〉 / 6,800rpmを発生します。

外見的には、縦に2灯のLEDヘッドランプがGSX-S1000を彷彿させ、GSX-Sシリーズのアイコンともなっています。ちなみにデザインコンセプトは「An Icon for a New era of Functional Beauty」とこちらも英語で、訳すと「新時代の機能美の象徴」という意味になります。

機能的には電子制御システムのスズキインテリジェントライドシステム(S.I.R.S.)を搭載。3モードのドライブモードのほか、トラクションコントロール、そしてクラッチやスロットル操作をしなしでシフトアップやシフトダウンが可能な双方向クイックシフトシステムも搭載しています。

スイッチ的には定番のスイッチ類の他には、左側にモードのセレクトボタンと決定ボタンが付いているだけで感覚で操作がしやすいです。

シート高は810mmで、シートの先端部はスポーツ系のそれより若干幅があるので、足付き性的には少し高めかな…という感じは受けました。

またがってみますと、ツインエンジンということでタンクはかなりスリムで、コクピットはオーソドックスなスタイルです。ハンドルはアップハンドルではなく、一文字ながら両側が少し下がっていて、スポーツ系のポジションを意識した感じになっています。ミラーもオーソドックスなタイプです。

ポジション的には体を上げて市街地などではストリートランを楽しみつつ、ワインディングロードでは脇を上げて体を伏せてスポーツランが楽しめるポジショニングになっています。

大型の5インチカラーTFT液晶のディスプレイは回転計とスピード表示をメインにしたオーソドックスなタイプのもの。背景が明るいデイモードと暗いナイトモードに自動でも手動でも切り替えられます。なお、タコメーターのバーの点滅でシフトチェンジのタイミングを知らせる機能も付いています。個人的には燃料計がリザーブ(赤)を入れて5マスなので、もう少し細分化してくれると嬉しい感じがしました。

さて、エンジンを始動してみますと、カジュアル的な車体からうって変わって低く太いエンジン音が腹下に伝わってきました。ここで気が付いたのですが、ショートマフラーのマフラーエンドが車体下の方にあるんですね。いい音させてます。

さて、発進させてみて驚いたのが、クラッチミートがとてもしやすくて簡単にスルスルスルと進めたこと。まるでオートマチック的な感じのようでした。これは、スズキのイージースタートシステム、及びローRPMアシストの恩恵かと思いますが、これは街中の渋滞路などでは有益ですし、このエンストしなさ感はビギナーの方にとって心強いと思います。

走りの方ですが、低速から高速まで綺麗に伸び上がるエンジンで、最大トルクを6,800回転で発生させるということで4千回転〜7千回転くらいが美味しいところです。そのままアクセルを回していきますと、レッドゾーン手前の9,000回転くらいで頭打ち感が出ます。逆に先程のスルスルスルという発進のしやすさと相まって、極低速〜低速はアクセルレスポンスも良く走りやすいです。

エンジンの回転を上げていくにつれパラレルツインエンジン独特の排気音を奏でつつ、静粛性が際立ったVストローム800DEとは異なり心地よいエグゾーストノートを楽しめますが、スズキクロスバランサーの装備によりほぼ振動を感じずに走れるため、いい意味で疲れづらいです。

あと、シーンに応じて使い分けられるスズキドライブモードセレクターのAモード(アクティブ)、Bモード(ベーシック)、Cモード(コンフォート)のキャラクターが結構明確になっていて秀逸でした。

但し、リアシートの座面が狭くて、リアフェンダーが長いので、固定ベルトでテンションかけるタイプのシートバッグですと着用が難しいかもしれません。ですので、Xベルトなどシートにベルトを巻いて固定させるシートバッグの着用がおすすめですが、キャンプをする時などの大容量のシートバッグは安定性を欠いてしまうかもしれません。

リア下のスペースは狭くて、ETC車載器と車検証入れた入れられるくらいです。タイヤはダンロップのSPORTMAX Roadsport2でRoadsmartⅣではないことから、キャラクター的にはスポーツ系であることが伺えます。

確かに、軽量(202kg)でレスポンスが良くトルクフルなエンジンで中速域のトルクをうまく使って、前屈みのポジションでのワインディング走行など楽しめそうです。実際に同車のHPでもそのようなイメージ画像が掲載されています。

ただ、ホイールベースが長め(1,465mm)ということもあり、高速走行などでは安定感があるのですが、ツーリング中のUターンやワインディングでの小回りなどがちょっとしづらい感じもありました。同車のキャラクター的には小回りが効くショートホイールベースの方が良かったかな、とは思いましたが、Vストローム800/DEと同じ仕様ということもあり致し方ない部分かもしれません。

市街地、高速、ワインディング、山道と、どこでも楽しめるバイクながら、逆にここが秀でているといったものが少ない、まさに、乗りやすくてオールマイティなバイクと言ってもいいかもしれません。実際に、SV650からの乗り換えや、ビッグバイクビギナーユーザーの購入も多いと聞きます。

価格も税別で100万円を割る97万円ということもあり、昨今、バイクの値段が上がっている中では比較的買いやすいモデルです。まさに、高い基準を擁した優等生的な今風のスタンダードバイクだと感じました。

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