2023年式 BMW F900XRに乗ってみました

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日本人の体形や国内の道路事情にマッチした、価格対パフォーマンスの高いBMWのスポーツツアラーバイク

BMWのHPではS1000RRとともに「スポーツ」のカテゴリーに属するF900XR。車両のキャッチコピーが「より高く、より速く、より遠くへ」ということで、”より高く”というのが欧州らしくて面白いです。

水冷4ストローク並列2気筒DOH894ccのエンジンを搭載し、最高出力は77 kW / (105 hp) at 8,500 rpm  を発生します。グリップヒーターやETCを標準装備し、スタンダードやプレミアムラインなどのメーカーオプションを選ぶことによって、DTCやクルーズコントロール、キーレスライド、ローシート、ダイナミックESAなどが付きます。

実際、BMWといいますと、R1250GSなどのフラットツインや4気筒のS1000RRなどのスポーツバイクのイメージが強いですが、それらのラインナップの中で並列ツインを搭載し、ハーフカウルを装着したF900XRは、BMWの中では国産のツアラーバイクに近しい雰囲気を持ったバイクです。

なんか外車っぽさという雰囲気は薄いですが、逆に国産車的な感じでの乗り出しやすさ感はあります。タンクもスリムでそのあたりで気構えて乗るようなことはありません。

タイヤはミシュランのロード5を装着、このあたりからツアラー的な部分が濃いことが分かります。

さて、跨ってみますと、ノーマルのシート高は825mmということで、外車としては低い感じです。なお、オプションでシート高を775~870mmに変更できます。

ハンドルは少しアップタイプでポジションは立ち気味のアドベンチャースタイルポジションですが、腰を少し後ろにずらすとスポーツ的な感じのポジションをとることができます。

さて、今回乗ったバイクがプレミアムラインということで、キーレスでエンジンを始動。ツインのドコドコドコというよりドドドドというような爆発感覚が短い4気筒のようなエンジン音です

実際に走り出してみますと4気筒のようにスムーズに回転があがりますが、4気筒のように高回転までは回らず8500回転くらいで頭打ちになり、7500回転からオーバーレブリミッタのランプがピカピカ点滅します。エンジン音は4気筒的な感じですが、もちろん2気筒エンジンですので、回転を回して走るというよりは安定的なトルクを使ってぐいぐいと走って行く感じです。なお、回転を上げると若干メガノイズ的な感じの音が大きくなる感じがしました。

さて、さすがはBMWという感じで高速では路面のギャップもきれいに吸収してくれるので、まるでレールの上を走る電車のようきピタっと路面に貼り付いているように安心して走れます。これはメーカーオプションのダイナミックESA(プレミアムライン)によるものもあるかと思います。

こちらもメーカーオプションにはなりますが、車体が傾いている時にコーナーの出口方向を照らすアダプティブヘッドライトを搭載。

BMW Motorradコネクティビティもオプション設定ありBluetoothでスマートフォンとF 900 XRをつないで、ナビ、音楽、通話などの機能を手元で操作をすることができます。操作は左グリップにあるクルクルと回るダイヤルで操作はしやすいです。

また、オプション設定ではなく標準で付いています手動で可変できるウィンドスクリーンが秀逸です。高速に入る前にパッと高くして、高速を降りたら戻すということが止まった際にすぐにできます。これは、正直、かなり重宝しました。他ツアラーバイクも是非、付けていただきたい装備です。とにかく防風効果が高くて高速は走りやすいです。

また、しっかりしたタンデムグリップもあり、タンデムもしやすそうです。

但し、シート下はほとんどスペースがありません。ETCの車載器はリアシート下にあり、鍵でシートを取り外せるので、ETCカードは挿入しやすいです。とにかく(オプションになりますが)キーレスとETCがメチャ楽ちんです。

なお、個体差もあるのかもしれませんが、ツインエンジンのイメージでコーナーリングをしますとエンジンブレーキがあまり効かない(ようになっている)と感じましたた。なので、コーナーリングではフロントブレーキを多用して走る感じになりましたので、特にオーバースピードにはご注意を。

総体的には、高速をガーッと走って混雑している市街地や山間部の狭路を走る、日本国内の道路事情にあったツーリングスタイルにマッチングしているツアラーバイクで、BMWらしい高速などでの走行安定性が高く、幅広ではなくスリムな車体で臆することなく走れるのも◯です。そして、なんといっても100PSオーバーでスポーツにカテゴライズされているだけあって、スポーツ走行も楽しめますが、前出しましたようについついスピードが出てしまいオーバースピードになるのには気を付ける必要があります。

ツーリング使用で燃費が約20km/L。タンク容量が16Lなので満タンで320km。但し残70kmくらいでディスプレイに”リザーブタンクに入りました”表示が出るので、同表示が出るまで約250kmくらいで、もう少し航続距離が長いといいかな…とも思いましたが、まあこれもスリムなタンクの恩恵もあるので致し方なし、という感じです。

普通に乗れる、国産車に近いBMWのバイク。BMWとして比較的リーズナブルなのもいいです。この価格でBMWのエンブレムが入ったキーを所有できるのも嬉しいところです。

※キーレスはメーカーオプションになります。

走行シチュエーションでの汎用性か高く、ETCやグリップヒーターなどが標準装備と装備も充実していますが、外車(BMW)らしい個性というか突き抜けた何かがないのは少々残念。但し、価格に対してのパフォーマンスがとても高く、日本人の体形や国内の道路事情にマッチングしたスポーツツアラーバイクだと思いました。

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