シンプル・イズ・ベスト
昨今、人気が高いロイヤルエンフィールド。ロイヤルエンフィールドも以前のクラシカルテイストメインのラインナップから、今風のおしゃれなデザインでのネイキッドバイクやアドベンチャーバイクなどカテゴリーも増え、またエンジンも信頼性が上がり、それでいて他車がプライスが上がり手が届きづらくなっている中で、比較的、手に届きやすいという価格帯で、特に若年層を中心に人気を得ています。
このHunter(ハンター)350は、そのロイヤルエンフィールドのラインナップでも人気の高いモデルのひとつで、価格は657,800円(2023年5月現在)になります。
エンジンは空冷単気筒SOHC349ccで最高出力は20PS(14.9kW)/6100rpmで、最大トルクは4000rpmで27Nmを発生します。4000回転で最大トルクを発生させるということで、単気筒エンジンでもあり高回転までは回りづらいですが、それでも3速でMAXまで引っ張ってメーター読みで80km/hまで出ましたので、ギアは5速ながら公称値のMax Speedの114km/hは確実に出せそうです。
ポジションはバイクにまたがって手を伸ばすとそこにハンドルがある自然な感じで、前方も見やすく取り回しもしやすいのでとてもリラックスして走ることができます。
メーターは速度計がアナログながら、真ん中にはデジタル液晶スクリーンがあり、各種情報を表示してくれます。また、USBポートが装備されています。なお、オプションでロイヤルエンフィールドのトリッパーナビゲーションシステムの追加装備も可能なようです。
エインジン音は単気筒らしいトコトコトコと少しライトな感じながら、走り出しますとドコドコドコという重低音感にある音に変わり、マフラーエンドが腹下にあるためか鼓動感も感じやすいです。以前のロイヤルエンフィールドといいますと、振動感があり、それが逆にクラシカルテイストをより醸し出していましたが、驚いたのはその頃のロイヤルエンフィールドのエンジンとは異なり非常に振動が少なかったこと。これは、振動を抑えるプライマリーバランサーシャフトが採用されていることも大きな要因かと思います。キャストホイールはアルミ製で、前後17インチのチューブレスタイヤを装着しています。
シートも肉厚でありながらも790mmのシート高で、シートの前の方が細くなっていて足付きは良いです。
ABSを装備し、フロントには300mm径、リアは270mm径のディスクブレーキを装着しています。但し、ブレーキ的な部分なのか、CEAT社のZOOM XLというタイヤがツーリング的なタイプだからなのか、制動力は思ったほどには高くないので、ワインディングなどでスポーツ走行などをする際にはかなりマージンをとって制動を行った方が良いようです。とはいえ普通に市街地やツーリングであれば、まったく問題はないレベルです。
一体型シートのリア部も幅広でタンエムグリップもありタンデムはしやすそうです。積載性もありますが、若干盛り上がったリアシート部とタンデムグリップも幅広ですので、シートバッグを装着する際にはバッグの装着性を確認された方がよいかもしれません。
さて、ハンター350のライバルといえますのがホンダのGB350でエンジン的にはほぼ変わらない空冷4ストロークOHC単気筒で、出力的にもハンター350とほぼ変わらない、最高出力:20PS[15kw]/5,500rpm、最大トルク:29N・m/3,000rpm を発生します(ギアも5速です)。但し、価格的にはGB350は550,000円~と、GB350の方がハンター350に比べて10万円以上も安いです。この辺りは輸入車ということもあり、昨今の円安では致し方ないことかもしれません。
特に華美な装備などはなく、シンプルながらそれが逆におしゃれで、乗り手が無理をしない等身大で乗れるバイク…まさに、シンプル・イズ・ベストといった感じのバイクです。タンク部などのデザインにもおしゃれ感があり、ぷらっとツーリングに行ってバイクを共に写真を撮れば映えそうです。正直、長距離の高速走行ではその防風性や加速性から、疲れやすく、また、もの足りなさを感じるかもしれませんし、ハードはスポーツ走行はあまり期待はできないかもしれませんが、通学・通勤や日常のチョイ乗りに、そして週末のツーリングなどに、気張らずに気軽に楽しめるベーシックなシングルバイクだと思います。
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