「ちょうどいい」スポーツバイク
昨今では希少になりつつあります、ミドルクラスの4気筒バイク。このCBR650Rは水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒648cm³エンジンを搭載。最高出力は70kW[95PS]/12,000rpm、最大トルクは63N・m[6.4kgf・m]/9,500rpm)を発生します。
タイヤはスポーツ系のダンロップ スポーツマックスD14を装着。フロントが120/70ZR17M/Cでリアが180/55ZR17M/Cになります。
ホンダさんのHPを見ますと、デザインコンセプトは「ちょうどよさ」とのことです。
パッとコクピットを見た感じは、メーターやトップブリッジなど直線的な感じがします。
フル液晶デジタルメーターはスマホっぽい感じですが、各アイコンがバラついている感じで、若干、回転計が見づらい感じがしました。
ハンドルはセパレートでトップブリッジ下に付いていてスポーツ系のそれですが、あまり前傾は強いられない、前かがみ的なポジションです。ミラーは大きくて見やすいのですが、若干無骨な感じはします。
装備的には、アシスト&スリッパー® クラッチ、トルクコントロールやエマージェンシーストップシグナル(急ブレーキ時にハザードランプが高速点滅して後続車に伝えるシステム)が付いていますが、ハンドル周りはいたってシンプルです。
シートはスポーツ系バイクとしては肉厚で、長く乗っていても疲れなさそうです。また、リアシートも幅があるので比較的タンデムもしやすそうですし、積載幅もある感じですが、リアのウィンカーが結構遠いところにありますので、ベルトでシートに固定するタイプのバッグでないと、固定ベルトがかなり長くなってしまいそうな感じです。
さて、跨って見ますと、810mmというシート高ということもあり、そんなに足付き性は悪くはありませんでした。これは前傾というよりも前かがみ的なポジションにもよるのかもしれません。ただ、コクピット周りも含めて、少しオーソドックスな保守的な雰囲気があり、ちょっと90年代っぽいレトロ的な雰囲気も感じました。
エンジンをかけますと、4気筒らしい低くドドドド…というエンジン音が聞こえてきて、気持ちが高揚します。個人的にやはりスポーツ系バイクは4気筒の排気音だとテンションがあがります。
さて、発進しますと、アシスト&スリッパー® クラッチのおかげでクラッチ操作が楽でスルスルとスタートしますが、ピーキーな感じはなく、あくまで穏やかにエンジンが回って行く感じです。
個体差もあるのかもしれませんが、4~5千回転くらいまではそんなに加速力を感じられず、少しもったり感が感じられましたが、6千回転を超えてから4気筒らしく吹け上がり一気に最高出力を発生する12,000回転まで回りますが、グワッを体を持っていかれるような加速感ではなく、スルスルスルと回転が回って行きますのでアクセルを回す恐怖感はありません。
スポーツバイクですが、サーキットでタイムを出すようなタイプではなく(いや、それでもサーキットで走らせれば速いのでしょうが…)、公道を楽しむスポーツバイクという感じで、4気筒のビッグバイクにありがちな体が引っ張られるような怒涛の加速とか多くの電子装備でコントロールされているというのではなく、安心してアクセルを回してスムーズな加速力を楽しむ。そして、前かがみくらいのポジションで視界の良い大きなミラーや積載幅のあるリアシートなどと相まってスポツツーリングを楽しむ…そんな使い方が楽しめるバイクのような気がしました。また、税別で98万円〜という100万円わ切る価格も嬉しいところです。
よもすれば、何かを犠牲にして何かに突出した高いバイクも多い中で、誰が乗っても安心して楽しめるスポーツバイクという、まさにホンダさんらしいバイクな感じがしました。跨った雰囲気も今風のデジタル感ではなく、一昔前のアナログ感もあり、外観のデザインから鑑みますと中庸的になりがちな部分でもありますが、それらを含めて確かに「ちょうどいい」バイクなのだな…と思いました。
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