■2022年式 トライアンフ TIGER 1200 GT EXPLORERに乗ってみました。

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激しく乗ってこそ、その真価が分かるアドベンチャーバイク

トライアンフのアドベンチャーモデルでありますTigerシリーズのフラッグシップモデルのTiger1200。オンロード志向の強いキャストホイールのGTシリーズとオフロード性能が際立つスポークホイールのRALLYがありますが、今回はGTに乗ってみました。

GTシリーズの中では、20LタンクのGT PRO(¥2,364,000:2022年9月現在)と30LタンクのGT EXPLORER(¥2,549,000:2022年9月現在)があり、 18.5万円の差がありますが、GT EXPLORERは多くの装備が採用されています。今回は GT EXPLORER に乗車させて頂きました。

水冷並列3気筒DOHC12バルブ1160 ccのエンジンを搭載し、最高出力は150PS (110.4kW) @ 9,000rpm、最大トルクは150PS (110.4kW) @ 9,000rpmを発生。シート高は850-870 mmのアジャスト式ですが、サスが沈み込むため、足付きはまあまあ良い感じです。

但し、 GT EXPLORER は30Lタンクということもあり、結構タンクの張り出し感があり、跨るとタンクの威圧感があります。しかし、意外と車体は軽く感じられます。255 kgという車重ですが、このジャンルの1200ccクラスとしては軽い方だと思います。

実は、最初にこのタイガー1200 GT EXPLORER に跨り、都内や首都高速、そして、行きの高速道路を走った際に感じたことは「まあ、普通のアドベンチャーバイクだなぁ」という感じでした。”普通の…”という表現が適しているのか微妙ですが、走っていてBMWのGSのような超安定感があるわけではなく、また、ホンダのアフリカツインのDCTのような特徴的な装置があるわけでなく、ドゥカティのムルティストラーダやハスクバーナのノーデン901のようにデザインが個性的という感じも薄いです。

もちろん、トライアンフのアイデンティティでもあります3気筒エンジンの「ドルルル…」という独特なエンジン音や、タイガー的なデザイン感はあるのですが、激戦区のビッグアドベンチャーバイク群の中で、このバイクならではのアイデンティティというか、正直、走っていて独自性があまり感じられなかったのです。総評すると「トルクフルな3気筒エンジンでパワフルながら走りやすく、12V電源が真下にあるヒーター付きのタンデムシート装備でタンデムランも楽しめるオールマイティなビッグアドベンチャーバイク」という感じでした。

しかし、ツーリングの道中で道を一本間違えて、悪路の山道に入ってしまったときのことです。一応舗装路ではあるのですが、狭路で道の状況も悪く、しかもかなり斜度がある下りの曲道で、先行していたロードバイクが走行が辛くなり道端にバイクを止め、同行していた車から焦げたにおいが漂いフェード現象を起こしかねない状況の中、タイガー1200に乗っていた僕は、実はヘルメットの中でほくそ笑んでいました。そのような悪路をタイガー1200で走るのが楽しかったのです。

タイガー1200に装備されたショーワのセミアクティブサスペンションと、減衰力を常時監視・調整するセミアクティブシステムの効果により、どんなギャップも綺麗に吸収してくれるので、安心して、そして楽しくハードな悪路を走破できたのです。しかも、トライアンフシフトアシストによりクラッチを握らずにシフトアップシフトダウンができるので、ライン取りに集中して悪路を下るのみ、です。

そして、コーナリングABSとコーナリングトラクションコントロールにより、小刻みに続く急坂のカーブを適宜に安心してブレーキングを行えるので、ちょっとアドベンチャー気分を楽しみながら走ることが出来ました。トライアンフのタイガー1200のHPに「世界一扱いやすくキビキビと走る大型アドベンチャーバイク」と書かれている、まさにそんな感じでした。

そう、タイガー1200の良さ、アイデンティティとは、よりハードに走り、激しくバイクを操ることで、その魅力が見えてくるのです。逆に言いますと、普通に流して乗っているだけではそのレベルがまだまだ低いということになります。狭くて悪路の峠道を下った後、今度はタイトな上りの峠道に入りましたら、トルクフルなパワーと軽い車体により極低速でもぐいぐいとタイトカーブを上っていき、カーブの途中でも息切れをせずにグワッと曲がって上ってくれるのでとても楽ですし、安心して走ることができます。

それが分かってから、今度は中速のワインディングロードをその大きなトルクと出力を使ってガンガンに攻めて走ると、トリプルエンジンの本領発揮という感じで、いやー楽しい楽しい。ツインエンジンとはまた違う感じのスポーティな走りを楽しむことができます。

巨体ゆえ、酷道では少々扱いづらいと感じがちですが、逆にそのパワフルさゆえ、とても安心して楽に酷道を走ることができます。もちろん、タイガー1200からすればそれでも全然レベルが低いのかもしれませんが、僕レベルのライディングレベルをカバーしつつ、アクティブにライディングを楽しませてくれます。

自分が体を激しく動かす状況になればなるほど、楽しく乗れるバイク…それがタイガー1200です。なので、今まで行くのをためらっていたり、ちょっと臆していた場所をこのバイクで走ると楽しめる、そんな感じなため、より冒険を楽しみたくなること請け合いのバイクです。まさに、乗ったら冒険に出たくなるバイクです。

GT EXPLORER では、前出のショーワ製のサスペンションにセミアクティブシステム、コーナリングABS、コーナリングトラクションコントロール、トライアンフシフトアシストのほか、最大6種類のライディングモードを装備。また、死角に車などが近づくと光って注意を喚起するブラインドスポットレーダーやクルーズコントロール、ヒルホールドコントロール、コーナーリングライト、クラッチ操作が楽な油圧式スリップアシストクラッチなども付いています。

ライディングモードやサスペンション、また空気圧のモニタリングのほか、音楽や電話とも接続やGoProの操作が可能なMy Triumphコネクティビティシステムは 5インチTFTディスプレイ上で簡単にセッティングや操作が可能です。唯一、言語で日本語対応していないのが残念ですが、分かりやすくまとめられているので、英語表記でも分かりやすいです。

そのほか、グリップヒーターやヒート付きのライダーシートとタンデムシート、12V電源もフロントとリアに各々ひとつづつ装備、アルミニウムスキッドプレート、エンジン保護バーなどコンフォートも充実。

また、手動でスクリーンを上げ下げできるのがうれしいです。高速を走る際に、ぐっとスクリーンを簡単に上げられるのがとても重宝します。

夜間には各スイッチ類の表示が赤く光ったりして、ラグジュアリー感も楽しめます。

キーレスシステムも便利で、給油口もキーレスのため煩わしい給油作業もスピーディにスマートにできます。燃料タンクも30Lで、満タンで600km近く走ることができます(今回の燃費は途中から結構ハードに走って約17.5km/L)。

所有感もあり、バイクならではのスポーツ、アドベンチャー、ラグジュアリーを楽しめるバイクです。

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