■隠岐諸島(ツーリングルート)

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世界ジオパーク登録の隠岐4島

島根半島の北、約50km先の洋上にある隠岐諸島。小島を入れますと約180もの島がありますが、主要な島は島後水道を境にして、島後、そして島前三島の知夫里島、中ノ島、西ノ島の、4島になります。フェリーは島根県の境港、及び松江市の七類港から、島後、 知夫里島、西ノ島に航路があり、中ノ島を含めた4島間でフェリーが行き来しています。4島の中では島後が一番大きく、一周約100kmになります。できれば、世界ジオパークに認定されてます4島全てを回りたいですが、フェリー移動のため、許される時間の中でのプランニングになるかと存じます。主なフェリーの概要は下記になります(2022年9月現在)。

フェリーしらしま

<フェリー(隠岐汽船)>※各片道料金

①フェリーおき

  • 七類港(松江市)9:00発~西郷港(島後)11:25着 [2時間25分]
  • 西郷港(島後)12:05発~菱浦港(中ノ島)13:15着 [1時間10分]
  • 菱浦港(中ノ島)15:15発~別府港(西ノ島)15:30着 [15分]
  • 別府港(西ノ島)15:45発~七類港(松江市)17:55着 [2時間10分]

※知夫里島(来居港)には寄港せず。※太字は本州にある港

②フェリーくにが

  • 七類港(松江市)9:30発~来居港(知夫里島)11:30着 [2時間]
  • 来居港(知夫里島)11:35発~別府港(西ノ島)12:05着 [30分]
  • 別府港(西ノ島)12:20発~菱浦港(中ノ島)12:40着 [20分]
  • 菱浦港(中ノ島)12:50発~西郷港(島後)14:00着 [1時間10分]
  • 西郷港(島後)15:10発~七類港(松江市)17:35着 [2時間25分]

③フェリーしらしま

  • 西郷港(島後)8:30発~菱浦港(中ノ島)9:40着 [1時間10分]
  • 菱浦港(中ノ島)9:50発~別府港(西ノ島)10:05着 [15分]
  • 別府港(西ノ島)10:20発~来居港(知夫里島)10:50着 [30分]
  • 来居港(知夫里島)10:50発~境港(境港市)13:20着 [2時間30分]
  • 境港(境港市)14:25発~別府港(西ノ島)17:05着 [2時間40分]
  • 別府港(西ノ島)17:15発~西郷港(島後)18:30着 [1時間15分]

[運賃]

  • 七類港(松江市)/境港(境港市)~西郷港(島後)/ 菱浦港(中ノ島)/ 別府港(西ノ島)/ 来居港(知夫里島):3,510円(2等)
    • 西郷港(島後)~菱浦港(中ノ島)/別府港(西ノ島)/ 来居港(知夫里島):410円~1,610円(2等)

    [フェリー手荷物料金]

    • 七類港(松江市)/境港(境港市)~西郷港(島後)/ 菱浦港(中ノ島)/ 別府港(西ノ島)/ 来居港(知夫里島):125cc未満~2,640円、750cc未満~3,950円、750cc以上~5,280円
    • 西郷港(島後)~菱浦港(中ノ島)/別府港(西ノ島)/ 来居港(知夫里島):125cc未満~1,720円、750cc未満~2,580円、750cc以上~3,430円
    • 菱浦港(中ノ島)/別府港(西ノ島)/ 来居港(知夫里島)~菱浦港(中ノ島)/別府港(西ノ島)/ 来居港(知夫里島):125cc未満~930円、750cc未満~1,390円、750cc以上~1,850円

    ※上記のほか、 菱浦港(中ノ島)/別府港(西ノ島)/ 来居港(知夫里島) の島前内航路で車両搭載可の[フェリーどうぜん]あり~運賃:300円、 125cc未満~200円、750cc未満~300円、750cc以上~400円  但し、 菱浦港(中ノ島)来居港(知夫里島) の運行は無し。

    隠岐空港

    ※また、島後に隠岐空港があり大阪(伊丹)と出雲縁結び空港から直行便がありますが、調べましたところ島内にはレンタルサイクルはあれどレンタルバイクは無いようです(2022年8月現在)。今後、レンタルバイク店が出来れば(もしくは、よく探せばあるかもしれませんが…)、遠方の方は、空路+レンタルバイクというツーリングプランも検討できるかと思います。

    さて、本州からフェリーでなるべく早く隠岐諸島に行くには、① フェリーおきの「七類港(松江市)9:00発~西郷港(島後)11:25着」か、②フェリーくにがの「 七類港(松江市)9:30発~来居港(知夫里島)11:30着 」になりますが、今回は、一例としましてまず②のフェリーくにがに乗ってのツーリングルートをご紹介いたしますが、ご自身のご日程に合わせてルーティングされてみてください。

    ツーリングルート(1日目)

    中ノ島

    9:30に島根県松江市の七類港を出港。11:30に隠岐諸島の知夫里島の来居港に着。 実は、今回のご案内ルートでは、ここ知夫里島にはこの時点では下りず、続いての12:05着の西ノ島(別府港)にも下りず、その次の12:40着の菱浦港(中ノ島)で下船します。各島を巡る時間とフェリーの発着を合わせてできるだけ合理的に組み立てました一例ルーティングですので、滞在日数やご訪問したい場所によってアレンジをされてみてください。

    菱浦港

    中ノ島は島の面積が約32平方キロメートル、海岸線長約89kmで、4島の中では知夫里島に次いで小さい島になります。同島の見どころは、県道318号線にあるカルデラ展望所と、島の北西部にあります明屋海岸です。さて、菱浦港に着いていきなりですが、時間的にランチタイムですので、港にある「島生まれ島育ち 隠岐牛店」に寄ってランチを食べていきたいところです。美味しい隠岐牛と岩牡蠣を食せます。但し、事前に要tEL予約が必要となります。

    菱浦湾を後にして、諏訪湾を回りこむように海岸線沿いを走り、島北部の海が望める樹林帯の道を走ります。道中では洋上に三ツ岩の三郎岩が見えたり、田んぼの真ん中にある雰囲気の良い宇受賀命神社、明屋海岸の景観が良い明屋海岸展望所などがあります。そして、明屋海岸に到着。明屋海岸はとても綺麗な海岸で、海水浴場やキャンプ場もあります。ハート岩というハート型に穴があいた屏風岩が人気の海岸です。

    屏風岩(明屋海岸)

    明屋海岸から県道317号線に入って、島の東部を南下。そして、御波集落を過ぎて県道317号線が内陸部に入り、県道318号線を左折し数百メートル進みますと、島前カルデラが望めますカルデラ展望所があります。実は、知夫里島、西ノ島、中ノ島の三島を含む島前は島前カルデラと呼ばれ、500万年前までにできたカルデラになります。例えるなら、海の中に阿蘇のカルデラがある感じでしょうか。

    なお、その6km先には島南端の木路ヶ埼灯台がありますが、狭路でもありますので、時間によっては カルデラ展望所 まで行って 菱浦湾に戻ります。 木路ヶ埼灯台 に行かなければ、島内の同ルートの走行距離はおおよそ27kmで1時間ほどですので、食事時間を入れても約2時間ほどで回れるかと思います。同島上陸後、2時間20分後の15時菱浦港発の島内内航路のフェリーどうぜんに乗って、次は西ノ島へと向かいます。

    西ノ島

    西ノ島は面積が約56平方キロメートルあり、島前3島の中では一番大きな島になります。15時に中ノ島を離岸したフエリーどうぜんは15時15分に西ノ島の別府港に着きます。西ノ島は舟引運河を境にして東と西の島部に分かれますが、東の島部は見どころも少なく、唯一、別鎌倉時代に同地に島流しにあわれた後醍醐天皇が住まわれた場所と伝わる黒木御所跡が別府港の近くにあります。

    別府港(西ノ島)

    時期にもよりますが、 西ノ島の別府港に15時15分着のため、同島最大の見どころの国賀海岸や摩天崖に夕陽を見に行くのがお勧めです。とはいえ、別府港から摩天崖まで約10km、バイクで20分ほどの距離ですので、別府港や浦郷地区にある宿泊施設に先にチェックインをしてから、国賀海岸(ローソク岩)、摩天崖と夕陽をゆっくりと見に行くのが良いかもしれません。

    国賀海岸の観音岩(ローソク岩)と夕日

    ツーリングルート(2日目)

    この日は、9時20分出航のフェリーどうぜんに乗って知夫里島に向かいますので、できれば日の出を見に行くくらいの感じで再び、国賀海岸と摩天崖に。ちなみに、国賀海岸と摩天崖の各駐車場間は3㎞ほどで、バイクで10分ほどの距離になります。

    通天橋(国賀海岸)
    諸仏像岩

    国賀海岸は奇岩や断崖が連なる奇勝美を楽しめる海岸で、前出したローソク岩(観音岩)のほか、諸仏像岩や象鼻岩、通天橋などがあります。時間があれば、是非、定期観光船に乗って、海から摩天崖と共に、これらの景観を望みたいところです。そして、摩天崖へ。道中には放牧された馬が歩いていたりしますのでご注意を。

    馬に注意

    摩天崖とは海抜最大257mもある崖で、約2.3kmにもおよび続いている隠岐を代表する絶景地です。

    摩天崖

    摩天崖の迫力と、放牧されている牛馬ののどかな感じとのコントラストがとてもいい景観の場所です。

    牛にも注意

    摩天崖展望台駐車場から徒歩5分で摩天崖の上まで来ることができます。遊歩道もありますので、少しだけ歩いてみますとちょっと見える景色が変わったりもします。

    摩天崖遊歩道

    さて、後ろ髪を引かれながら摩天崖を後にして、島を南下。そして、国が海岸の南側にあります赤尾展望所へ。好天時には通天橋や摩天崖などの好眺望を望める展望台です。 赤尾展望所 から赤尾スカイライン、鬼舞スカイライン(※スカイラインといいましても車線なしで、土や糞が落ちてますのでスピードは出せません)を走り 鬼舞展望台に。

    鬼舞展望台

    島前カルデラの綺麗な眺望が望める絶景ポイントです。フェリーの時間もありますが、できれば。是非訪ねておきたい場所です。さて、ここから別府港へと向かいます。ちなみに、国賀海岸~摩天崖~赤尾展望所~ 鬼舞展望台~別府港の距離は30kmで1時間ほどかかります。これに各展望所での移動時間と滞在時間、そして牛馬の通行による移動時間の遅延を鑑みますと、2時間~2時間30分を見ておいた方が良いかもしれません。例えば、1日目の夕方に国賀海岸と摩天崖を見たので、2日はその2か所を除いて回れば余裕ができますし、時間があれば、別府港へ戻る道中にあります、隠岐国一宮だった由良比女神社や、湾内に鳥居が立ちますイカ寄せの浜、舟引運河などに寄って行かれるのもいいかもしれません。とりあえず、別府港9:20出航のフェリーどうぜんに乗って、知夫里島に向かいます。

    知夫里島

    知夫里島は面積が約13平方キロメートルで、島の海岸線長が27km。知夫里島灯台がある東側は見どころが少ないため、西側を一周いたします。西ノ島の別府港を9:20に出たフェリーどうぜんが9:51に知夫里島の来居港に着きます。海側により近く走れるように時計回りに、まずは知夫漁港方面へと向かい、南から西根と向かい、島内の名所の隠岐知夫赤壁に。

    隠岐知夫赤壁は1kmに渡り赤褐色の岩肌が続く、国の天然記念物で、コバルトブルーの海とのコントラストが素晴らしい場所です。柵などは無いので、足を踏み外さないようにご注意を。ここから北にありますアカハゲ山展望台へと向かいます。島内の移動は舗装路で行けますが、狭路なのと、牛が多く、土や糞などが道にあり滑りやすくなっている箇所もあります。

    この島内最高峰の標高325mのアカハゲ山の展望台から、その島前カルデラの景観を見ることができます。そして、島の北西部に向かいますと、対岸の西ノ島の好景観が望めるウグイガ崎展望台があり、そして、そのまま東に進みますと来居港に戻れます。 そのルートで約20km。赤壁、アカハゲ山展望台、 ウグイガ崎展望台に立ち寄っても1時間30分ほどの行程になるかと思いますが、次に乗るフェリーは来居港11時35分発になりますので(乗船手続きの時間を含めて)ご注意を。そして、その11時35分来居港発の②フェリーくにがに乗って、島前3島を離れて島後島へと向かいます。離島を周る場合はどうしても決められたフェリーの時間に追われがちですが、焦るとトラブルのもとになりますので、プランニングの際に立ち寄られる場所の優先順位付けや、時間によっては訪ねる場所をあきらめる決断も必要かと存じます。

    島後

    隠岐諸島で最大の島、島後、面積は241平方キロメートル、周囲長は211kmにもなり、 本州・北海道・九州・四国・北方領土を除くと国内で12番目に大きい島になります。11:35に知夫里島の来居港を出港しました②フェリーくにがは、西ノ島の別府港、中ノ島の菱浦港に寄りながら、14時に島後の西郷港に到着します。

    西郷港

    さて、隠岐の島語を代表する景観といいますとローソク島です。ローソク島の先端が夕焼けで火が灯っているように見えて人気にスポットですが、ローソク島が見える場所のうち、最も陸地側から近く見えますローソク島展望デッキ(展望台)が、自然災害のため通行止めになっていますため(2022年8月)、陸地からは遠く離れた久見のローソク島展望台からのみ見ることができます。とはいえ、やはりできれば遊覧船に乗って間近で見るのが一番かと思います(遊覧船:3/15~11/30※要事前予約、3,000円、時間50分、日没に合わせて出航)。遊覧船は島の西にある福浦(赤崎)から出航しますので、西郷港から海沿いを時計回りに走りながら島の西へと向かいます。

    ローソク岩

    まずは西郷港から町中を走り、県道43号線、そして県道44号線に入ります。途中、島の南端部の近くに奥津戸遊歩道という綺麗な場所がありますので、ちょっと立ち寄って行かれるのもいいかもしれません。そして、県道44号線を進み牛突きの像がある先に平屋の舟屋が並ぶ「屋那の松原の舟小屋群」があります。

    屋那の松原

    そして、県道44号線を進み、島の西岸に出ますと、油井前の洲という夕刻時には水鏡のようになるという隠れた絶景スポットがあります。そのまま県道を進みますと遊覧船乗り場のある福浦(赤崎)に着きます。遊覧船に乗られない方は、その先の(通行止めになっていなければ)ローソク島展望デッキ(展望台)、または久見のローソク展望台に向かいましょう。そして、夕刻を待ってローソク島に日が灯る景観を是非、見たいところです。

    ローソク島

    その後は日も暮れますので、2日目はここまで。宿泊地に入ります。ちなみにローソク展望台の近くには吉浦野営場というキャンプ場があります。また、宿の多い西郷港はちょうどローソク島の反対側になりますが、島を横断する国道485線を使えば30分ほどで戻れるため、再び西郷港付近に戻って宿を取るのもいいかもしれません。

    ツーリングルート(3日目)

    今回のルートプランでは、西郷港を出て本州(七類港)に戻るフェリーは15:10発のため、それまで島後で観光、グルメを楽しみます。昨日、ツーリングを終了した福浦(赤崎)、またはローソク島展望台まで再び戻り、島を周遊する旅を再開します。まずは、島最北端の白島崎に。駐車場が完備されていて展望台、そして灯台があります。

    そして、国道485号線を走り島の東側に。静かで綺麗な景勝地の浄土ヶ浦に立ち寄りつつ、県道47号線を走り、龍ケ滝、島最東端の黒島埼灯台と黒島が見える黒島展望台に。県道47号線をそのまま進みますと西郷港に戻ります。帰路のフェリーの時間を見ながら、町中で地物グルメを食べたり、時間があれば西郷港と湾を挟んだ場所にあります、海が綺麗な塩浜海水浴場に立ち寄って和むのもいいかもしれません。

    15:10西郷港発の②フェリーくにがに乗船し、2時間25分の船旅を楽しみますと、 17:35に島根県松江市の七類港に到着します。

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