■2022年式 カワサキ VERSYS-X 250に乗ってみました。

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ツアラーorオフローダー

カワサキの250ccツーリングアドベンチャーモデルのヴェルシス-X 250。現在では、VERSYS-X 250 TOURERと、ツアラーの名も付いています。

カワサキのヴェルシスシリーズのコンセプトであります「ANY ROAD ANY TIME(いつでもどのような道路でも)」を具現化したようなモデルで、水冷4ストローク並列2気筒DOHC 4バルブ248cm³のエンジンは、同クラスのライバルとも言えますスズキのVストローム250ABSに対して最高出力が9psも多い33psを11,500回転で発生。まさしくスポーツバイクのNinja250譲りの高回転型で出力を発生させるバイクです(スズキVストローム250ABSは、最高出力24PS / 8,000rpm)。

逆にトルクを見てみますと、最大トルクが21N・m(2.1kgf・m)/10,000rpmで、Vストローム250ABSの22N・m (2.2kgf・m) / 6,500rpmと比べて低く、また最大トルクを発生させる回転数がVストローム250ABSより3,500回転も高くなりますので、やはり高回転型のエンジンと言っても過言ではないかもしれません。ですので、Vストローム250ABSが日本の山岳路をズズズ…と上っていくイメージに対して、ヴェルシス250は高速をガーッと走るイメージで、実際に高速は250ccとしてはかなり早く走ることができます。

しかも、フロントが19インチでリアが17インチ、そしてキャストホイールと、未舗装路での走りを視野に入れた足回りで、高速から未舗装路までと、まさに「いつでもどのような道路でも」という感じがします。

アドベンチャーバイクらしくリアにはアルミキャリアを装備。ハンドルガードが付き、フロントは細身で、エンジンガードを装備。試乗車は外されていますが’(ステーは残っていますが)、パニアケースが標準で装備されています。

メーターは、何故かアナログのタコメーターがドンと中心部にあり、右側にデジタルスピード計が配置されています。スポーツバイクならともかくタコメーターメインでスピードが分かりづらく、ツーリングモデルとしては旅的なコクピット感が薄くて、少々もったいなく感じました。なお、AC電源は付いています。

さて、跨ってみますと、シート高は815mmということですが、シートの前部が細いこともあって、足付きは良いです。Vストローム250ABSのベッタリさとはまた違うポジション取りが出来ます。そして、Vストローム250ABSに比べて軽さ感があり、ポジション、および軽さは未舗装路の走行に生きてくると思います。

さて、エンジンをかけてみますと、ニンジャ250と同じような軽いエンジン音で、2気筒らしくトコトコトコという鼓動感はあります。

さて、実際に走らせてみますと、アクセルは軽くて、スッと高回転まで吹き上がっていきます。Vストローク250ABSよりは吹け上がりが軽いです。但し、力強さはあまり感じられず、全体的にトルク感は薄い感じがしました。しかしパワーはあるので、高回転が伸びて高速走行に適しているなと思いました。また、スクリーンが高いので高速走行が楽だなとも感じました。

いろいろVストローム250ABSと比較をしてしまいましたが、同じ250ccのアドベンチャータイプのバイクながら、各々キャラクターやその方向性が違っていて面白いなとも感じました。高速走行時に「もう少し馬力があれば…」と思うことが多いVストローム250ABSですが、ことヴェルシス250に関しましては33馬力もありますからそのようなことを思うことはないでしょうし、また高いスクリーンやハンドルガードなども装備し、高速走行もしやすいと思います。そして、未舗装路では車体の軽さや若干高めのポジション、そして、19インチのフロントやロングストロークフロントサスペンションとリンク式のリヤサスペンションなどとともに、積極的まではいかないまでも未舗装路も走りやすい車体になっています。Vストローム250ABSは前後17インチということもあり、アンダーガードが付いていますが、未舗装路を走ると下部をヒットさせてしまうことが多いと思われます。

逆にVストローム250ABSはトルクフルなエンジンと低いシート高で、旅先での山岳狭路などでもグイグイと上っていきますし、酷道や登坂ヘアピン路など足を付けながらゆっくり回っていくということも出来やすいですが、ヴェルシス250ですと、低速域を使っての登坂などは若干苦手のような気がします。個人的には、この回して楽しむ高出力のエンジンを生かして、あえて未舗装路は考えずにキャストホイールで前後17インチにして、よりツアラー向けのバイクにすればいいのにな…とも思いました。

Vストローム250ABSとは10万円以上の差はありますが、狭路酷道をものともせずに進むVストローム250ABS、未舗装路を得意とするホンダCRF250 RALLY(24ps/9,000rpm)に対して、標準装備のパニアケースを付けて高速を走り長距離を走る250ccのツアラー的なポジションが似合っていなとは思いました。それにあと、埋もれがちな同車のキャラ的な部分もあり。Vストローム250ABSやCRF250RALLYのように旅感をそそるような演出(デザイン?個性?キャラクター出し?)が必要なのかも…とも感じました。乗る前には、失礼ながら早いだけのアドベンチャーバイクという印象でしたが、実際に試乗してみますと、軽くて乗りやすくて、かつ早くて走りやすい楽しいバイクでした。

VERSYS-X 250 TOURER

キャンディライムグリーン×メタリックフラットスパークブラック
メタリックオーシャンブルー×パールロボティックホワイト
\726,000

全長:2,170mm 全幅:940mm 全高:1,390mm ホイールベース:1,450mm 地上最低高:180mm シート高:815mm 車両重量:183kg 乗車定員:2名 最小回転半径:2.5m エンジン型式:LE250D エンジン種類:水冷4サイクル並列2気筒DOHC4バルブ 総排気量:248立方センチ 圧縮比:11.3 最高出力(kW[PS]/rpm):24[33]11,500 最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):21[2.1]/10,000 燃料タンク容量:17.0L 燃料消費量(※60km/h定地走行):30.0km/L 変速機形式:6速 タイヤ(前):100/90-19M/C 57S タイヤ(後):130/80-17M/C 65S ブレーキ(前):290mmシングルディスク ブレーキ(後):220mmシングルディスク

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