■2022年式 ヤマハYZF-R7に乗ってみました。

私が乗っていますWR250もそうですが、ヤマハといいますと、セローしかり、SRしかり、その道のこだわったモデルが多いのが特徴的です。少し前ですとVMAXなんかもそうですし、MT-09が出た時はあまりのやんちゃぶりに、本当に公道で走らせるバイク?なんて思ってしまいました。まさに、ヤマハのものづくりの「revs your heart」らしく乗って心を震わせるバイクをいつも作ってきます。

で、今回のYZF-R7です。

正直、乗るまでは猜疑的でした。同じエンジンを積むMT-07に乗った際、トトトト…いう軽めのエンジン音と汎用的なキャラクターで、心を震わせる部分が少ないバイクでした。が、逆に言いますと誰でも乗りやすくてソツがなくて価格的な部分を鑑みると、よくまとまったとてもいいバイクでした。しかし、そのスーパースポーツ版ともなりますと…どうなんだろう。

まず車体ですが、2気筒エンジンということでMT-07同様にスリムでコンパクトです。まるで250ccぐらいなコンパクト感があり、足付きもよくて、逆に若干窮屈感を感じるくらいでした。

でもハンドルはまさにセパハン。ちゃんとトップブリッジの下にハンドルが付いています。昨今は、スポーツバイクながらツアラー要素を意識してハンドルが高めのミドルスポーツバイクも多いですが、ばっちりスーパースポーツしています。そしてキーをOnにしますと…

おぉ、カラー液晶メーターです。着座して視野に入りますメーター、ハンドル、タンクとどれも質感が高くて、リーズナブルモデル(すみません)とは思えません。といいますか、カウルなどの外装を含めてトータル的に質感が高くて、100万円を切るスポーツバイクとはとても思えず、このあたりのこだわりはさすがヤマハさんという感じです。

で、気になっていたエンジン音ですが、恐る恐るスターターを押してみますと、ドドドド…おっ、MT-07ほどには軽くはないですが、それでも小気味よいツインエンジンの音がします。少しスロットルを回してみましたらツインらしいいい音を奏でました。

もちろん、4気筒バイクのような重低音感は薄いですが、2気筒バイクですし、パルス感も薄い感じですがこれはこれでありかと…

そして、実際に走らせてみました。久しぶりのスーパースポーツらしい前屈みのポジションにワクワクしつつスロットルを開けていくと、ダダダダ…と排気音も太くなっていって気持ちが盛り上がっていきます。昨今の150ps以上もあり街中でスロットルが開けられないビッグスーパースポーツバイクと違って、開けやすくて乗りやすいです。いや、それでも73PSもあり必要にして十分早いですし、不用意にアクセルは開けづらいほどです。

ただ、多分身長が170cm以上ある方はポジションが若干窮屈に感じるかもしれないことと、4気筒ハイパワースポーツバイクのような乗っている時の(速さやスロットルワークの怖さも含めた)ドキドキ感は薄かったです…まあ、それは致し方ないことかもしれませんが。そのあたりでスリムな車体からくるライティングポジション的にも、また走り方的にも、若干ギクシャク感を感じてしまうのは否めませんでした。

ちなみに、R7で走ったイメージ的には、パワーのあるYZF-R3に乗った…という感じでしょうか。クロスプレーン思想のYZF-R1やMT-09とはまた違う、YZF-R25やR3の延長線上にあるバイクだと思いました。

質感は高いながらリーズナブルで(とはいえ100万円近くしますが…)、街中も走りやすくて、コンパクトで乗りやすくて、格好よいスーパースポーツバイク…といいますと欠点が無さげですが、実際にunder100万のスーパースポーツバイクとしては、正直よく作った(値段を付けた)なぁと感じました。パッと見、120〜130万円くらいな感じでチープさは全くないですし、デザインも格好いいですし。ただ…

ただ、このバイクに何を求めるか、何に使うか…というところをふと感じました。人にもよりますが、スーパースポーツで味わいたい一つがワープするような胸のすく加速感やスピードですが、それを得るにはやはり150psを超えるようなハイパワーのスーパースポーツバイクの方がいいでしょうし、重低音から甲高く胸がすくように吹け上がるマルチサウンドを楽しみたいのであれば同価格帯の中古で4気筒のミドルスーパースポーツバイクを買った方がいいかもしれません。R7の73PSはすごいですが、もっとハイパワーのバイクに乗った事がある方が走らせましたら、少々物足りなさ感を感じるかもしれません。

高速巡航であればツアラータイプの方が楽ですし、ツーリングならアドベンチャータイプの方が汎用性が高いです。オフロードならテネレ700、エンデューロならセロー、ツーリングならトレーサーという中、R7はヤマハらしい本格的な(突き出た)キャラクターさが見え辛いことがネックと感じられることでしょうか…これはある意味、前出したMT-07にも言えることなのですが「いいバイクなのですが…何か突き出たものがあったら」という感じです。

もちろんジャンル的にはスーパースポーツですが、価格は違いますがヤマハにはYZF-R1というフラッグシップのスーパースポーツのバイクがありますし、こと速さからすれば120PSのMT-09の方がYZF-R7より早いでしょうし加速感も高いです。そういう意味では、走っていてR7に乗っていて心を震わせる場面が見当り辛かったのが残念でした。これは単にスピードという訳ではなくて、セローでもWRでも走っていてドキドキワクワク感があります。もう少し長く乗ればまた違う感じがあるのかもしれませんが…

リアシートを開けるとこんな感じです。

ですので、YZF-R25やR3からのステップアップでスーパースポーツ系のバイクに乗りたい方や、やはりこのデザインが好きな方が購入する場合が多いのかな…と思いました。確かにルックスは格好いいです。昨今のヤマハのバイクは昆虫系が多いので、なおさらそう感じられます。

あと、身長的な部分や取り回しに不安があるけどスポーツバイクに乗りたい方には、車体のコンパクトさを生かして候補の一台になると思いますし、何しろ100万円以下で新車で買えるスポーツバイクですので、予算的にも他のスポーツバイクに比べて買いやすいのは確かですので、大型のスポーツバイクに初めて乗ってみたい!という方にはお勧めのバイクだと思います。

目次

YZF-R7

ディープパープリッシュブルーメタリックC(ブルー)
ヤマハブラック(ブラック)
999,900円

全長:2,070mm 全幅:750mm 全高:1,160mm ホイールベース:1,395mm 地上最低高:135mm シート高:835mm 車両重量:188kg 乗車定員:2名 エンジン型式:M410E エンジン種類:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒 総排気量:688立方センチ 圧縮比:11.5 最高出力(kW[PS]/rpm):54[73]/8,750 最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):67[6.8]/6,500 燃料タンク容量:13.0L 燃料消費量(※60km/h定地走行):41.6km/L 変速機形式:6速 タイヤ(前):120/70ZR17M/C 58W タイヤ(後):180/55ZR17M/C 73W ブレーキ(前):ダブルディスク ブレーキ(後):シングルディスク

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