■2021年式スズキGSX-S1000に乗ってみました。

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熟成

スズキのスーパースポーツGSX-R1000の排気量998cm3水冷4気筒4ストロークDOHCエンジンエンジンをストリート用にチューンングして搭載したGSX-S1000。平成28年国内排ガス規制に対応しました前モデルに対して、今回のモデルはより規制の厳しい令和2年国内排出ガス規制に対応。カムのプロフィールの最適化などにより、前モデルに対して最高出力が2PSアップしました。

やはりこのモデルの最大の特徴はそのエンジン。ストリートチューンされたハイパフォーマンスなGSX-R1000のエンジンは熟成に熟成を重ね、谷間のない滑らかでトルクフルなパフォーマンスを発揮します。

普通に走る分には4000回転以上をほぼ回すことはないのですが、その回転域の中でもとてもスロットルレスポンスが良くコントロールがしやすいのが特徴です。

スズキクラッチアシストシステムやローRPMアシスト、スズキイージースタートシステムなどが付いていて、極低速でもごくわずかにスロットルを回すだけでスルスルと走ってくれるのでとても安心感が高いです。スーパースポーツのエンジンながらまったく怖さを感じず、とてもフィーリングよく走れるのが素晴らしいです。そのマイルドさに、すごくエンジンが熟成されているなぁ、と感じさせられます。

とはいえ、元はGSX-R1000のエンジンで150PSも発生するのですから、すさまじい速さを持っているのは当たり前で、そのすごさを味わえますのが5千回転を越えてからで、スロットルをグッと回すだけで一気にレッドゾーンまで回り、きちんと体をホールドしていないと身体がのけぞり置いて行かれるようなすさまじい加速力を発揮します。これで最高出力を11,000回転で発生させるということですから、そのすごさに恐ろしさすら感じます。

そんな、容易にアクセルを回しづらいくらいのハイパフォーマンスを持ちながら、多用します極低回転でもスロットルフィーリングが素晴らしくコントロールしやすいのがすごいバイクです。

電子制御システムとしましては、A,B,Cの3つのドライブモードセレクター(SDMS)のほか、スズキトラクションコントロールシステム(STCS)、電子制御スロットルシステムを装備し、また双方向クイックシフトシステムも採用していますが、奇をてらった装備はなく定番系のものを搭載しています。

昨今、いろいろな電子制御システムやスマホなどとのリンクシステムが向上し、ハンドルやグリップ周りにいろいろなスイッチ類が付くことも多いのですが、GSX-S1000のハンドル周りはシンプルで、とても好感を持てます。

但し、スーパースポーツ系のネイキッドバイクのストリートファイター系ということで、やはりショートテールでシートバッグなどの積載スペースは乏しいです。ベルトなどを付けるところも少し離れていますため、あまり大きなシートバッグの着用は難しいと思われます。

ツーリングで使って走ってみた印象としましては、ハイパワーでひとたびアクセルを回すとシートから振り落とされそうなくらいの怒涛の加速力を持ちながらも、ツーリングで多用します低中速域でとても乗りやすく、スズキ車らしい実直さと変に華美ではないシンプルさを感じ、そしてやはり熟成されたこのエンジンの素晴らしさを一番に感じました。また、同系のエンジンを積むKATANAと比べて7Lも多い19Lの燃料タンクも嬉しいです。

そして、やはりこのバイクの一番の特徴は、唯一無二の独特な三連のヘッドランプと、MotoGPマシンのデザインを反映したウィングレットが付いたフロント周りのデザインかと思います。結局は、このデザインが好きか嫌いかで、GSX-S1000の好みが分かれるのかな…と思います。

また、やはり感じてしまうのが前モデルとの価格差。同系エンジンのKATANA(1,540,000円)もそうなのですが、前モデルがとてもリーズナブル(¥1,152,800)でした分、今回のモデル(¥1,430,000)は他社モデルと比べますと決して高いわけではないのですが、プライスアップが大きく高く感じてしまいます。

電子制御システムが付いたり、グローバル的な価格設定などいろいろ要因はあるのですが、前モデルと実施30万円近くの価格差がありますため、どうしても高くなったなぁ…と感じがちになります。

とはいえ、一度、試乗などをされて乗ってみられましたら、外観のデザインの良し悪しは別にしてこのバイクの素の良さ、そしてこのエンジンの晴らしさを即座に感じられるかと思います。

ツーリングでも高速は余裕をもって走れ、下道や狭い道の一般道では低速がコントローラブルでしかも見た目以上に足付きが良く取り回しが良いので走りやすく、とても懐の広いバイクだなと感じました。

前出しましたように今モデルは見た目の印象が強いので好き嫌いが分かれがちですが、このGSX-S1000、そして同系のKATANAと、是非ともこのエンジンの素晴らしさを一度体感されてみられることをお勧めいたします。意外とバイクの印象が変わるかもしれません。

■GSX-S1000

トリトンブルーメタリック(YSF)
グラスマットメカニカルグレー(QT7)
グラススパークルブラック(YVB)

¥1,430,000

全長:2,115mm 全幅:810mm 全高:1,080mm ホイールベース:1,460mm 地上最低高:140mm シート高:810mm 車両重量:214kg 乗車定員:2名 最小回転半径:3.1m エンジン型式:T719 エンジン種類:水冷4サイクル直列4気筒DOHC4バルブ 総排気量:998立方センチ 圧縮比:12.2 最高出力(kW[PS]/rpm):110[150]/11,000 最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):105[10.7]9,250 燃料タンク容量:19.0L 燃料消費量(※60km/h定地走行):21.2km/L 変速機形式:6速 タイヤ(前):120/70ZR17M/C 58W タイヤ(後):190/50ZR17M/C 73W ブレーキ(前):ダブルディスク ブレーキ(後):シングルディスク

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