■2021年式 ホンダ CRF250RALLYに乗ってみました~2nd

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あらゆるシーンを走破する軽二輪アドベンチャーバイク

ヤマハのセロー250が生産終了となり、車検のない250ccクラスでの国産アドベンチャー&オフロードモデルは、ホンダのCRF250LとCRF250RALLY、そしてカワサキのVERSYS-X 250 TOURERにKLX230、あと、スズキのVストローム250ABSの5機種となりました。その5機種の中で純然たるオフロードモデルではなくツーリング的に航続距離(タンク容量)があるアドベンチャーモデルが、ホンダの CRF250RALLY と カワサキのVERSYS-X 250 TOURER 、そしてスズキの スズキのVストローム250ABS となり、その中で唯一ブロックタイヤを標準装備していますがの CRF250RALLY です。

水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒249㎤のエンジンを搭載し9,000回転で24psを発生。ちなみにVストロームも24psで、VERSYS-X 250 TOURERは33psを発生します。但し、トルクでは CRF250RALLY が6500回転で23N・mを発生させるのに対して、 Vストローム250 は 6500回転で22N・m、VERSYS-X 250 TOURER は10,000回転で21N・mと、一番出力の高い VERSYS-X 250 TOURERがトルクでは一番低い値になっています。

ということは、3機種の性格的な部分としましては、 VERSYS-X 250 TOURER は高速走行向きで、トルクフルな CRF250RALLY はオフ寄り、そして Vストローム250 は汎用的という感じでしょうか。実際に Vストローム250 は、同3機種の中では一番安定性が高いモデルかと思います。

さて、その CRF250RALLY ですが、乗って一番驚きましたのがその足着き性です。シート高は830mm([S]は885mm)と数値的には決して低いシート高ではないのですが、オフロード系バイクならではの細目のシートと、跨ぐと大きく沈むこむサスペンションのおかげで数値以上に足付きはいいです。但し、乗車前はシート高がありますので、跨ぐときはちょっとキツイかもしれません。

そして、完全にオフロード用のブロックタイヤを装着しているのですが、ツーリングではそのほとんどの走行が舗装路という中で、予想以上にオンロードや高速道路でも走りやすいということに驚きました。もちろん完全なロード系のタイヤには舗装路での接地感やグリップはかないませんが、以前に乗った事のあります同様にブロックタイヤを装着したヤマハのセローに比べると(パワーに部分もありますが)各段に高速道路が走りやすかったです。しかも、ブロックタイヤながらチューブレスタイヤというのもツーリング的には応急措置がしやすくて嬉しいところです。

なので、この CRF250RALLY の凄さは、ほぼVストローム250並みの高速道路の走行性を持ちつつも、しかもブロックタイヤを装着していますので、そのまま未舗装を走破できるという点です。しかも、もしパンクをしてもチューブレスタイヤのため応急措置がしやすいということ。ホンダのHPにも記載されていますが、まさに「ラリーレーサーを彷彿させるアドベンチャーモデル」で、走る場所を選ばない、ある意味、高速網が発達しながらも山岳路はまだ酷道や狭路が多かったり、未舗装林道なども点在している日本という国内においては、走破する道を問わない最強のツーリングバイクかもしれません。

装備的には、大型のスクリーンに、LEDヘッドライト&LEDウィンカー、ナックルガードなどを装備。

そして、デジタルメーターの上に、ナビなどの電子機器を付けるのに便利なハンドルバーと同じφ22.2mmのアクセサリーバーを装備。これも嬉しい装備です。また、オフロード走行時用などにABSのOFFボタンも付いています。

また、工具や小物、登録証などを入れるのに便利なキー付きツールボックスにプッシュ式ヘルメットホルダーも標準装備。この辺りのそつの無さはさすがホンダさんという感じです。フットペグはワイドタイプでステップラバーを備えオフロード走行などでスタンディングがしやすく、チェンジペダルは万が一の転倒時にもダメージを軽減させる可倒式となっています。

そのほか、ツーリング時に便利な荷掛けフックも装備されていてます。

タンク容量は12Lで、カタログでは燃料消費率がWMTCモード値で34.8km/Lということで、計算上では満タンで約420kmの走行が可能となります。

さて、エンジンをかけますとトントントントンと、単気筒ということで排気音は軽めですが、アクセルを回すと低回転域より力強いトルクを発生してくれて、そして、アシスト&スリッパークラッチが採用されていることもあり、クラッチ操作も軽くて、街中や未舗装路などでの走行がとても楽です。サスペンションは前後ともに260mmのストロークを持ち、未舗装路などをはじめとして路面からの衝撃を吸収してくれます。但し、あまり高回転までは回せないので、なるべく早めにシフトアップをしていく必要があります。トルクを使って未舗装路や酷道などをじっくりと走るのは得手としますが、エンジンを回して高速や峠道を走るというのは不得手なエンジンな感じがしました。

乗った感想ですが、とにかくどんな状況でも走破が可能な152kgと軽量なアドベンチャーバイクで、航続距離、高速道路、そして未舗装路など、いろいろなことや所で安心感の強いバイクです。

一応ネガな部分を絞り出してみますと、(オフ系バイクなのでしかたないですが)キャリアなどが装備されていないので積載性が(他のアドベンチャーバイクに比べて)低いこと、 (これもオフ系バイクなのでしかたないですが) サイドスタンドが立ち気味なので多くの積載をするとサスが沈んで倒れやすくなってしまいそうなところ、そして、粗探し的にはなりますが、大柄の人が乗るとサスが沈み込んでバイクの乗っているスタイルが窮屈そうにみえていますのと(そういう方には[S]がお勧めですが、シ-ト高が885mmになります…)、あまりにうまくパッケージングされている分、何か危うさ的なヒリヒリ感を感じられる部分が見えづらいことでしょうか…

いや、完全に粗探しになっていますが、それくらいツーリングの中に未舗装路走行というカテゴリーを入れるのであれば、74万円という価格を鑑みますと欠点が見つけ辛いバイクです。但し、このバイクに乗ると、ツーリングのルートの中に未舗装路を入れてくなってしまうかもしれませんが、未舗装路はまた舗装路と乗り方が変わってくる部分もありますので、事前に練習したり、知識を得てからまずは走りやすい未舗装路からトライされることをお勧めいたします。

個人的に、今までツーリングに行って、行きたいところが未舗装路や砂利道などの先にあるということで、ロードモデルですと行くのを断念していた場所がありましたが、このバイクに乗ることによってそのハードルが下がるだけでも、かなりツーリングで行ける場所が広がるようになるかと思います。とりあえず、伊豆に行って旧天城トンネルに寄る際には時間が短縮できるな…と、 CRF250RALLYに乗ってふと思いました。

■CRF250 RALLY

エクストリームレッド

\741,400

■CRF250 RALLY <s>

エクストリームレッド

\741,400

全長:2,200mm【2,230mm】 全長:920mm 全高:1,355mm【1,415mm】 ホイールベース:1,435mm【1,455mm】 地上最低高:220mm【275mm】 シート高:830mm【885mm】 車両重量:152kg 乗車定員:2名 最小回転半径:2.3m エンジン型式:MDE エンジン種類:水冷474ストロークDOHC4バルブ単気筒 総排気量:249立方センチ 圧縮比:10.7 最高出力(kW[PS]/rpm):18[24]/9,000 最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):23[2.3]/6,500 燃料タンク容量:12L 燃料消費量(※60km/h定地走行):46.0km/L 変速機形式:6速 タイヤ(前):80/100-21M/C 51P タイヤ(後):120/80-18M/C 62P ブレーキ(前):シングルディスク ブレーキ(後):シングルディスク
※【  】はS

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