日本のスイスを訪れる
一度は走ってみたい天空のカルストこと四国カルスト。但し、場所が国道から遠い少々微妙なところにあり、また周囲は酷道や狭路が多いことから、四国を一周している、もしくは高知からアクセスするというのであれば立ち寄りしやすいのですが、本州のしまなみ海道から、または九州からとなりますと結構距離があります。今回は、本州のしまなみ海道からや九州からのアクセスとして汎用性がありそうな松山自動車道の松山ICから四国カルストを走り、愛媛県の大洲へと至るルーティングをご紹介(高知方面から入るルートもあります)。ICからICまでの総走行距離は約160kmで狭路の県道走行も多いですが、やはり四国カルストを走るためだけ、と割り切って道中の酷道も安全に楽しむのがお勧めです。
総走行距離~約160km
松山自動車道の松山ICから国道379号線を南下します。松山市内には現存12天守の一つの松山城や、日本三古湯で小説「坊ちゃん」でも描かれました道後温泉がありますが、松山ICから離れているのと市内は車通りも多いですので、好き好きで立ち寄られることをお勧めいたします。
国道379号線を南下して、とべ動物園、とべ温泉と越えて進みますと、国道440号線との分岐点になります。四国カルストに行くには国道440号線の方が近いのですが、今回は沿道に見どころが多い国道379号線をそのまま進み、南下します。そして1kmほど進みますと衝上断層公園があります。
衝上(しょうじょうだんそう)断層 とは逆断層のことで、この衝上断層公園(つきあげだんそうこうえん)は、日本列島を横断する中央構造線上に約6500万年前の古い地層が約4000万年前の新しい地層の上に乗り上げている珍しい逆断層で、国の天然記念物にも指定されています。公園内には断層の上を渡る吊橋があり雰囲気が良い場所です。
再び砥部川沿いに走る国道379号線を南下し、万年トンネルを超えてすぐ右側に水量が少ないですが銚子滝という滝があります。そしてそのまましばらく玉谷川に沿って国道379号線を走りますと、やがて国道沿いに仙波渓谷という渓谷があります。
仙波渓谷は小さい渓谷ですが風情があり、国道上の橋(峡乃橋)の上から好景観が見られるアクセスの良さがうれしいところです。その先には道の駅ひろた峡の館があり、地元の野菜が買えたりできます。
そして、国道379号線を少し走り、左折して県道42号線に入ります。県道42号線は車線のない酷道部もありますが、バイクでならそんなに苦労せずに抜けられます。そしてそのまま走りますと国道380号線に突き当たりますので左折しますと国道440号線(国道33号線)に突き当たりますので、左折します。国道440号線の道中には国重要文化財の茅葺屋根の旧山中家住宅や道の駅みかわがあり、そして御三戸嶽(軍艦岩)に到着します。
御三戸嶽は川の合流地点にあります切り立った岩で、能登の軍艦島を彷彿させるような鋭角さがあり迫力があります。そして川もとてもきれいです。国道440号線を面河川沿いに南下しますと、途中で国道33号線と国道440号線に分かれる場所があり、左折して国道440号線に走りぐるっと回って進みます。
道中には、日本で2位を誇る超軟水の福地蔵の湧水や、少し歩きますが八釜の甌穴群、また受験生にはうれしい久万高原町営バスのごうかく駅などがあります。
そして、その先には、かかしのトトロやカオナシなどが立っている場所もあります。そして、水の綺麗な赤子水辺広場を過ぎて、途中で左折して県道303号線に入ります。しばらく高野本川に沿って走り、その後、山間部を走り抜けると開放感のある景色に変わります。そしてトンネルを抜けますと四国カルストに入ります。
四国カルスト~標高1400m、東西25kmにわたり愛媛県と高知県の県境にあります白い石灰岩がところどころに出ているカルスト台地で、日本三大カルストにも選ばれています。「日本のスイス」とも称され、眼下に四国山脈を見下ろしながら走る尾根道は、走るにまさに爽快そのものです。
まさに遮るもののない高原に四国山脈の山並みや白い雲、青い空を背景に、石灰岩が所々に出ている素晴らしい景観地です。まず最初にありますのが天狗高原駐車場でここから250mほど歩きますと天狗高原見晴し台という好眺望地がありますので、ぜひ立ち寄りたいところです。また、少し歩いた先には天狗高原展望台もあります。
再び県道383号線を西へと進みますと、五段高原があります。
五段高原からは四国カルストの360度の大パノラマを望むことができます。そして、天空の路ともいえるようなライダーにはたまらない爽快な四国カルストの道を走ります。
そして、梼原風力発電所を過ぎますと、四国カルストの中心地でもあります姫鶴平に到着します。
姫鶴平にはキャンプ場やカフェ、そして宿泊施設もありますので休憩や宿泊をするならここがお勧めです。
そして、姫鶴平からはカーブなども続く爽快な四国カルストの道を満喫しつつ走りますと、やがて地芳峠に到着。そのまま県道383号線を西上します。道中にはかなり車線が狭くなる酷道部もありますが、開放感のある景色を見ながら走れる区間でもあります。しばらく走りますと途中に左へとそれる道があり、そこを進みますと大野ヶ原の最高地点の源氏ヶ駄場(げんじがだば)があります。
道沿いに源氏ヶ駄場駐車場があり、 源氏ヶ駄場まで少し歩きますが、ここからも雄大な四国の景色を見ることができます。ぜひ、ぷらっと立ち寄ってもらいたい場所です。
再び県道383号線で西へと向かい県道36号線に入り西へと向かいますが、途中に小学校があり、このようなところに…と驚かされます。そしてその先に韮ヶ峠(にらがとうげ)があります。
韮ヶ峠は坂本龍馬が土佐藩(高知県)を脱藩したときに通った場所らしく、坂本龍馬の銅像ではなくなぜか等身大のパネルが立っています。そして酷道部になりますがそのまま県道36号線を走ります。四国の中央部を横断する際にはこのような道を通ることが多く、それが四国=秘境と思う一因にもなっていると思います。
さて、韮ヶ峠からは県道36号線と東津野・城川線(西線)があるのですが、比較的走りやすい東津野・城川線(西線)のルートを今回は選択しました。東津野・城川線(西線)を進みますと県道2号線と交差しますので左折して県道2号線に入ります。ここも車線無しの酷道部になりますが、そのまま走り、やがて三滝川沿いに走るようになりますと片側1車線の道になります。そして、途中で右折して北上する道に入りますと三滝渓谷があります。
三滝渓谷は四国西予ジオパークを代表する渓谷で遊歩道沿いに大小いくつもの滝を見ることができます。一番の見どころの二見滝まで狭路ですがバイクや車で行くことも出来ます。
再び県道2号線に戻り西へと進みますと国道197号線に突き当たりますので、ここを右折して大洲市方面へと向かいます。そして、しばらく走りますと高知自動車道の大洲富士ICに入ることができます。
ちなみに、大洲富士ICを超えて国道197号線を3kmほど走りますと大洲の市街に入り、景勝地の臥龍淵を望む国重要文化財の山荘の臥龍山荘や、同じく国重要文化財の大洲城などがありますので、時間がありましたら、是非、立ち寄られてみてはいかがでしょうか。
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