■山陰海岸(ツーリングルート)

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絶景の山陰ジオパークを巡る

兵庫県から鳥取県の海岸線に続います、山陰ジオパークにも認定されました、日本海が作った奇岩奇勝の景勝地の数々。夜にはイカ釣り船の漁火が海上に見えるという但馬漁火ライン や海岸線を走りながら、その景観を楽しむ山陰の旅です。但し、高速の接続箇所が少ないのと、好景観の展望所が多いため、ルート的には山陰の海沿いを走る一本道に近く、総走行距離も長いというほどではありませんが、時間配分にはご注意を。特に浦富海岸と鳥取砂丘は見どころが多く意外と時間を費やしがちです。できれば、各展望所巡りを楽しむ為、泊りがけのツーリングをしたい絶景エリアです。

鳥取砂丘(鳥取県)

総走行距離~約140km

北近畿豊岡自動車道を終点の但馬空港ICで下りて、但馬空港線に入って但馬空港脇を通ります県道713号線で北上。県道242号線、国道178号線経由で円山川沿いの県道3号線を走り、JR玄武洞駅近くにあります渡し舟乗り場から対岸に渡し舟(往復700円)に乗って、玄武洞公園に到着します。なお、渡し舟を使わない方は円山川の東側の県道548号線を走れば、バイクで玄武洞公園に行けますが、渡し舟の風情も気持ちいいので、是非、乗ってみられてはいかがでしょうか。

玄武洞公園へと向かう渡し舟

さて、玄武岩で出来た洞窟がある玄武洞公園ですが、青龍洞や白虎洞、南朱雀洞など、四神獣の名などが付いた圧倒される景色の5つの洞窟がある公園です。

さて、渡し舟に乗って、再び公園の対岸に戻り、県道3号線を北上。やがて、城崎大橋を右手に見ながら通過しますと、城崎温泉に入ります。

志賀直哉の「城の崎にて」で有名な温泉地で、奈良時代からその歴史があると伝わる古湯で、温泉街も風情があります。鴻の湯(こうのゆ)やまんだら湯、御所の湯などの気持ちの良い外湯がありますので、時間があれば、一湯浸かっていきたいところです。

さて、城崎温泉を後にして、再び県道3号線で北上しますと、やがて、日本海沿いを走る県道11号線と交差しますので、左折して県道11号線で西上します。途中で、城崎マリンワールドの奥に、リアス式海岸で浦島太郎伝説のあります沖にある後ヶ島(のちがしまが見える日和山海岸があります。後ヶ島には龍宮城のような東屋が建てられ、水霧がある時には、さながら雲の上に浮かぶ幻想的な龍宮城を見ることが出来ます。但し、駐車場は周辺には城崎マリンパークの駐車場しかありません。

さて、再び県道11号線を西へと走りますが、この県道11号線は但馬漁火ラインと呼ばれ、夜走りますと、その名の通り、日本海に浮かぶイカ釣り船などの漁火を見ることが出来ます。城崎マリンワールドから西へと走りますと。まずは道沿いに御待岬の展望所が、そして、ゴルフ場の近くにも展望台があり、やがて、田久日漁港に着きます。田久日漁港は小さな漁港ですが、岩肌がむき出しになっていて雰囲気のある漁港ですので、是非、ぷらっと立ち寄って見られることをお勧めします。

御待岬

但馬漁火ラインでそのまま西へと走ります。途中に竹野浜海水浴場があります。県道からすぐそばにあり、水の綺麗な風光明媚な遠浅の砂浜です。

そしてその先には、岩が挟まったはさかり岩があります。トンネル手前の県道脇に展望台がありますので、是非ともちょっと止まって、その不思議な景観を望みたいところです。

はさかり岩から一湾越えた県道沿いの岬に、名のない展望所があり、ここからも風光明媚な日本海の景観を望むことが出来ます。 但馬漁火ラインには至る所にこのような展望所がありますので、走りにあまり熱中せず、のんびりと景観を望みながら、景色が良さそうな場所でちょっと止まって、その風景を楽しむのがお勧めです。そして、そのまま但馬漁火ラインをずっと走っていきます。

但馬漁火ライン

但馬漁火ライン ~兵庫県豊岡市気比から新温泉町を繋ぐ約67kmの国道178号線を中心とした主要道路の愛称で、ところどころで山陰ジオパークの奇勝奇岩の景勝を眺めながら走れます。6月~10月の夜にはイカ釣り漁船の漁火が見られます。

やがて、夕陽の美しい入り江の今子浦海水浴場があり、そこからはかえる島などの奇勝が、そして先には打ち付ける波が迫力のある大引の鼻展望台があります。

今子浦のかえる島

また、今子浦から県道を挟んだ高台には日本の夕陽百選にも選ばれましたゆうなぎの丘があり、そこからは今子浦を一望することが出来ます。そして但馬漁火ラインを進みますと、香美町に入ります。ここで但馬漁火ラインを離れ、町に入り海に向かいますとアニメ「AIR」の舞台ともなりました香美町立香住天文館と、日本海と断崖絶壁の素晴らしい景観が望めます岡見公園、そして、風情のある八坂神社などがあります。

そのまま、海沿いの産業道路を走って行きましと、サーフィンが盛んなしおかぜ公園、そして香住浜海水浴場脇を通り、 但馬漁火ラインの県道4号線に入ります。ちなみに、山陰近畿自動車道の一部として建築された香住道路の香住ICが香美町のすぐ近くにありますので、ここから高速へと入ることも出来ます。

さて、県道4号線( 但馬漁火ライン )に入るも、すぐに海沿いの道に入って行きますと、2000万年くらい前のゾウやサイ、鶴、シカの足跡の化石があります下浜の足跡化石があり、その先に景観地の地蔵鼻展望台があります。その先には鎧の袖や松ヶ崎百層崖などの奇勝地があるのですが、残念ながら車道がなく、かなり歩きますため、再び県道4号線に戻り、西へと向かいます。残念ながらこの辺りは海から離れて走りますため海の景観は見れませんが、途中で山陰本線の鎧駅へ行く約1kmほど道があり、小さな入江にポツンとある鎧駅と鎧漁港は、海も綺麗で、バイクツーリングならではの風情を満喫できる場所です。

鎧漁港

さて、再び県道4号線を走って行きますと、香住道路の余部ICに繋がりますが、ICには入らず、国道178号線で再び山陰海岸方面へと向かいます。少し走りますと道の駅あまるべがあり、 そこから山陰本線の高いコンクリート橋を見上げることが出来ます。そして、初代の鉄橋跡に設けられました地上40mの空の駅があり、新たにできたコンクリートの橋はもちろん日本海の好景観も望めます。また余部のコンクリート橋を端から望む餘部鉄橋南展望台などもあります。

余部鉄橋 空の駅より

余部鉄橋 ~1912年に作られました、高さ41.45 m、長さ約310mの山陰本線の鉄橋。2010年に新しくコンクリート製(余部橋梁)の橋に架け替えられ、旧余部鉄橋の3本の橋脚は保存され、展望施設の余部鉄橋「空の駅」として生まれ変わりました。

再び但馬漁火ラインを走ります。余部埼灯台や洞門がある海側にも道が走っているのですが、狭路の酷道で景観も無くヘアピンだらけで時間がかかるので、交通量はあるのですがこのまま但馬漁火ラインを走ります。そして、新温泉町に入り、浜坂を流れる小川沿いの小道のあじわら小径などを見つつ温泉街の風情を楽しみながら、ここで国道178号線に入ります。そして、西に進みますと、国道のそばに小さな釜屋海岸があります。岩に出来る丸い穴のポットホールが多くある海岸でのんびり出来ます。そしてその先の道沿いに沖に岩礁が浮かぶ綺麗な景色が見える穴見海岸展望所があり、ベンチなども小休止もできます。

そのまま国道178号線を進みますと、居組ICがありますが、ここは七坂トンネルでパスせずに、風情を楽しむために居組港から旧道の方を走ります。細かいワインディングが続きますが、追い越し可の1車線路で爽快な走りが楽します。途中には但馬漁火ラインのヘアピンカーブで著名な七坂八峠展望台があり、展望台からは海上に浮かぶ小島とリアス式海岸の好景観の海を臨むことが出来ます。

七坂八峠展望台より望む

そして、そのままワインディングロードの旧道を走りますと鳥取県に入り、やがて東浜海水浴場に着きます。

陸上洞門

ここの左端あたりからは陸上洞門の遠望が見えるほか、西の方には西脇展望駐車場があり、小さな砂浜に下りて行くことが出来て、隠れ家的な美観が望めてお勧めの場所です。

西脇展望駐車場からの眺望

さて、再び国道178号線に入り、西へと走ります。岩見の町中を過ぎ、浦富の海岸線を楽しむ為、海沿いの道は県道155号線へとそのまま入ります。やがて、山陰ジオパークを代表します浦富海岸がt続きますが、まずお勧めは岩見町の西にあります荒砂神社。この裏山の展望台からは底が見えるくらいに綺麗な浜と鳥居(向島恵比寿神社)が立つ小島や青松越しの砂浜などの好景観を望めます。

荒砂神社 展望台

そして、山沿いの細いですけど風情のある県道155号線か、田後港沿いの走りやすい道かどちらかを走り、田後神社の奥に行きますと、素敵な海の景観が望めます田後公園 展望台があります。そこから県道を少し進んだところにトイレのある城原海岸の無料駐車場があり、ここから海に浮かぶ菜種諸島の好景観を望めます。そして駐車場から道を挟んで石の階段があり、降りて行きますと城原海岸があり、素晴らしい景色を見ることが出来ます。

時間があれば、バイクを置いて、浦富海岸線沿いにある浦富海岸遊歩道(網代~田後)を歩いて、その奇岩奇勝美を堪能したいところですが、約3kmで1時間30分以上かかりますため(しかも、またバイクのところまで戻らなければなりません…)、一度 城原海岸の駐車場に戻り、1kmほど西に走り浦富海岸降口駐車場に再びバイクを止めます。ここから再び階段を下りて浜に向かいますと、途中に鴨ヶ磯展望所が、そして、海辺の小鴨ケ磯に着きます。

浦富海岸~鳥取県の岩美町にある約15kmに渡り続くリアス式海岸で、鴨ヶ磯や千貫松島、菜種島など、多くの景勝地や奇勝奇岩があり、好景観の展望所も数多くあります。山陰海岸ジオパークの一部でもあり、日本百景にも選ばれています。

鴨ヶ磯から西に歩いて行きますと水尻洞門や網代休憩所があります。そして東に向かいますと、大鴨ヶ磯や酒盛り洞門などがあります。この辺りが浦富海岸のメインの景勝地になります。

水尻洞門

再び駐車場に戻り、県道155号線を走り網代地区に入ります。網代港からは比較的千貫松島の展望が良い千貫松島展望所があり、その先には鳥取砂丘が遠くに見える網代展望台があります。

網代港から 網代展望台 なでは片道10分くらいですので、ここまで来て戻った方が良いかと思います。網代の町から蒲生川を渡り対岸の大谷地区に。ここから浦富海岸島めぐりの遊覧船(1400円/40分:3月~11月)が出ています。ここで再び国道178号線に入ります。そしてすぐに、江戸時代の石畳が残る駟馳山峠の石畳道があります。国道沿いにありますので、ちょっと立ち寄って見るのもありかと思います。

駟馳山峠の石畳

そして、県道328号線を左折して鳥取市方面へと進みますが、途中、潮見川の手前で海に向かって住宅街内の道を進みますと、岩戸海岸と鳥取砂丘が望める恵比寿浜展望所があります。しかも、そこから更に10分ほど先に進みますと、柱状節理の絶壁を落ちる名もなき高い滝と断崖絶壁の美観が見られます。

恵比寿浜展望所から望む岩戸海岸

そして、まっすぐに続きます県道319号線(砂丘道路)を走りますと、ちょっと小振りな砂丘があります砂浜の砂丘海岸があり、やがて鳥取砂丘に到着します。

鳥取砂丘(馬の背)

鳥取砂丘~南北2.4km, 東西16kmに広がります、日本最大級の砂丘で、日本三大砂丘のひとつ。国の天然記念物に指定されています。

人気は、鳥取砂丘で一番の高所の馬の背で、上からは鳥取砂丘を一望できるほか、山陰の海をも臨む好景観ポイントです。但し、高さが約50mと15階ビル相当の高さで、足元が砂のため上るのが結構大変です。最寄りの駐車場から馬の背の麓まで徒歩約20分ですが、ライディングシューズだと中に砂が入るかもしれませんのでご注意を。そこまでは…という方にお勧めは、鳥取砂丘パークサービスセンターのある大きな駐車場にバイクを止めて、鳥取砂丘をぱっと見るか、または砂丘センター 見晴らしの丘の展望台(3F)まで行って砂丘を全体的に見るか、もしくはそこから観光リフト(往復300円)に乗って、砂丘を眺めながら鳥取砂丘に着き、奥にある馬の背を眺めるに留めるというものありかと思います。

鳥取砂丘のリフト

また、時間があれば、鳥取砂丘のそばにあります鳥取砂丘 砂の美術館(入館料600円)や湖畔に弁天宮がありお種伝説が残る多鯰ヶ池(参拝用Pあり)も見どころです。

また、鳥取砂丘から南の方に下って行きますと鳥取城跡があります。悲惨な歴史がある鳥取城ですが、石垣や天守台も綺麗に残っていて美観ですので、是非立ち寄りたいところです。

鳥取城跡~1581年に羽柴秀吉による凄惨な兵糧攻めが行われ落城したお城で、後に「鳥取城の渇え殺し」とも言われました。関ケ原の戦い以降は池田氏が入り明治維新まで続き、1871年に廃城令により廃城となりました。

その他、鳥取城の麓の久松公園には、国重要文化財に指定されています洋邸の仁風閣もあります。

鳥取市内からは国道9号線で、再び西へと向かいます。国道から少し外れますが、途中に日本最大の池の湖山池があります。

そして、国道9号線を進んで行きますと、神話の因幡の白うさぎの舞台でうさぎの石像がある白兎神社があり、その海岸にはその神話の場所でもあります白兎海岸があります。また、近くには「道の駅 神話の里 白うさぎ 」があります。

「道の駅 神話の里 白うさぎ」にあります因幡の白うさぎ像

神話「因幡の白うさぎ」~ワニザメに毛を剥ぎ取ら、兄神の八十神たちに騙されて泣いている兎を助けた神様の大国主に、兎は「あなたこそ 八上姫の婿になるお方です」と伝えました。その後、八十神たちが求婚しても相手にしなかった八上姫は、大国主を見初め、2人は結ばれました。

「道の駅 神話の里 白うさぎ」の少し先には、気多岬や鳥居の立つ淤岐之島(おきのしま)が望めます気多ノ前展望台がトンネルの上部にあり、白兎海岸も一望できます。

淤岐之島(おきのしま)

さすが、一桁番代の国道だけあって国道9号線は交通量が多いですが、そのまま西へと走りますと、やがて魚見台という景観スポットに到着します。日本海と中国山地の好眺望が望める場所ですので、是非とも立ち寄りたいスポットです。

なお、近くには夏泊海岸という岩場が広がる好景観な海岸があります。そして、そこから山陰自動車道の青谷ICに入り、帰路に着きます。

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