■南紀(ツーリングルート)

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景勝地の宝庫

かつては交通路が海沿いの国道しかなく、陸の孤島とも言われました南紀。最近では紀勢自動車道がかなり伸びて、近畿圏はもとより中京圏からもアクセスが良くなりました。南紀熊野ジオパークとして認定されていますように、荒々しい海岸線沿いには多くの奇岩奇勝の景勝地が数多くあり、移動時間も含めそれらを見ているとかなり時間を費やしてしまうことは必至です。但し、ルート的には、海沿いの道を走り一本ルートで、あとは瀞峡や那智の滝などの内陸部に入るかどうかのルーティングになるかと存じます。しかし、やはり日本一大きい半島の紀伊半島は広いですので、使える日時とご自身の興味を鑑みて、景勝地をチョイスしながらルーティングされることをお勧め致します。

那智の滝(和歌山県)

総走行距離~約250km(円月島経由で上富田ICまでの場合)、約200km(すさみ南ICまでの場合)

紀勢自動車道の終点の熊野大泊ICでおりて、まずは近くの鬼ヶ城へ。

昔、坂上田村麻呂がこの地にいた鬼と恐れられていた海賊を討伐したと伝わる場所で、世界遺産にも登録されています奇勝地です。荒波によって浸食された素晴らしい景観を望むことが出来ます。駐車場から近く、ほぼ鬼ヶ城城跡や千畳敷まで行って戻る方々が多いですが、その先にも好景観が続きます。但し、遊歩道は約1.2km(30分)あり、また同じ道を戻ってこなければならないため(山側に一方通行の歩行者専用トンネルあり)、どのあたりで戻るか思案どころですが、できれば鬼の見張場(20分)までは行ってみたいところです。各名所の詳細は鬼ヶ城のHPに掲載されていますので、そちらでご確認ください。

また、鬼ヶ城がある場所の山側に、熊野古道の松本峠があります。紀伊半島の随所にある熊野古道で、世界遺産にも認定されていますが、この松本峠は比較的にアクセスがしやすいながらも風情があり、そして、熊野古道随一ともいわれます七里御浜の眺望が望める場所でもありますので、30分の登坂にはなりますが、是非、時間があれば立ち寄りたい場所です。そして、国道311号線で南下していきますと、道の駅 熊野・花の窟があり、そのそばに巨大な岩があり、日本の神のイザナミが眠る聖地でもあります花窟神社があります。まさに神々しい場所ですので、道の駅に立ち寄りつつも是非、訪ねることをお勧めしたい世界遺産です。ちなみに、近くには同じく日本神話にも出てくる日本最古の神社のひとつでもあります産田神社がありますので、是非、合わせて参拝することをお勧めいたします。

さて、 花窟神 から、狭路ですが県道34号線か県道52号線で内陸部に入り25kmほど走りますと、北山川沿いにあります道の駅 おくとろに着きます。ここから時折しか見えないのですが、 北山川の瀞峡(上瀞)を望みながら国道69号線を走ります。川沿いの峡谷の眺望スポットが少ないため、同所の景観を見るならやはりウォータージェット船に乗って北山川からその景観を見るのがベストです。

瀞峡のウォータージェット船

瀞峡~奈良県、三重県、和歌山県の三県にまたがります国特別名勝の大峡谷です。下瀞と奥瀞(上瀞)とに地名が分かれて呼ばれ、下瀞はその景観から瀞八丁(どろはっちょうと呼ばれています。陸側からですとその景観が眺め辛いですので、やはり川からジェット船などに乗って渓谷の美観を見るのがお勧めです。 [ジェット船…志古~瀞峡 往復:約2時間 3,500円~、小川口~瀞峡 往復:約1時間 2,500円~]

ウォータージェット船に乗られない場合は、瀞ホテル(Pあり。ランチ営業:要予約)から瀞八丁の好景観を望めます。また、瀞ホテル前の小路を川沿いに沿って歩きますと、山彦橋という木製の吊橋があり、そこから瀞八丁の一端を垣間見ることが出来ます。

ちなみに、この北山川が屈曲してできた中ほどに、木津呂という限界集落があります。この湾曲した部分を風水では龍穴とよぶのですが、この龍穴部分の景観を見ようとしますと対岸の嶋津地区からになりますが、歩道が整備されていない山中を1時間30分以上登山する必要があるため(もし行かれるならマムシ等もいますため細心の注意と嶋津観光協会に道を確認されるのと、もしくは 嶋津観光協会主催のツアーに参加するのがおすすめです)。

木津呂

そして、国道169号線から国道311号線に入り、丸山千枚田へと向かいます。

丸山千枚田~1340枚の田を持つ日本最大級の棚田です。特に水がはられた夕刻時は特に綺麗な景観を望めます。また、虫取り行事として6~7月には棚田に1300本もの火がともされ幻想的な風景を醸し出します。日本の棚田百選。

国内最大級の千枚田で駐車場も完備。1300枚を超える棚田が並び、まさに見ごたえありです。いろいろな案山子もたっていて楽しませてくれます。ちなみに瀞峡の周辺には、藤堂高虎が築城しました赤木城跡があり、小規模ながら積まれた石垣が美しい風情あるお城跡です。

そのまま国道311号線を走って行きますと、再び鬼ヶ城方面に戻ってしまいますため、途中で県道62号線に入って尾呂志川沿いに南下、そして、県道141号線に入って新宮市へと入ります。お城好きであれば、是非、新宮城跡に。続日本100名城、和歌山県三名城に選ばれている天守台の石垣が素晴らしいお城です。紀宝町の眺望もいいです。

また、新宮市内には秦朝の時代に、始皇帝に命じられて不老不死の薬を探しに日本に来たと伝わる徐福を祀る公園があります。この徐福公園には徐福のお墓もあり、悠久の浪漫を感じることが出来ます。

徐福公園にある徐福のお墓

さて、国道42号線を走り新宮氏を後にします。するとすぐに世界遺産の熊野古道の高野坂があります。登り口には小さいながらも駐車場があり、坂を上った先にすぐに古道が見れるのも嬉しいところです。高森展望所もあり、王子が浜を一望できます。

春の熊野古道高野坂 新宮側上り口
王子ヶ浜~熊野古道高野坂より~

再び国道42号線を走りますと、そのまま紀勢自動車道に入り、那智勝浦ICで下ります。ここから那智川沿いに走ります県道43号線を約7kmほど走りますと、那智の滝があります。

那智の滝~落差133mの直瀑で、一段の滝としては落差日本一で、日本三名瀑にも選ばれています名瀑です。滝から徒歩約10分のところにあります、青岸渡寺の三重塔と絡めた撮影も人気です。

日本三名瀑にも選ばれています高さ133mの直瀑です。拝観料(300円)を払い、見上げて首が痛くなるくらいに間近で滝を見ることが出来ます。また、有名な三重塔と那智の滝との景観が見える展望台へは、約650m徒歩10分裏参道を歩いて行くと着きますので、合わせて訪ね、那智の滝の絶景を楽しみたいところです。

三重塔と那智の滝

さて、再び来た道を戻り、那智勝浦ICから 紀勢自動車道 に乗り、太地町に。捕鯨で有名な町ですので、街中にある食事処でクジラ料理を食べていくのもありかと思います。ちなみに、太地町があります燈明崎には、くじらの見張り台があり綺麗な海が一面に見えます燈明台や、白い灯台が立つ梶取崎園地、また平見台園地展望台など好眺望地がありますので、時間があれば立ち寄って行きたいエリアです。

燈明台

国道42号線を南下して行きますと、神宿る岩の石切岩があり、やがて、橋杭岩に到着します。

橋杭岩~大小40もの岩が850mにも渡り一直線に並んでいる景勝地で、まるで橋の杭が並んでいるように見えることから橋杭岩と呼ばれています。弘法大師が天邪鬼と賭けをして作ったという伝説があります。国名勝。国天然記念物。

海岸に40余もの岩が一列に並ぶ様は壮観で、すそばに道の駅があり、道(駐車場)越しに見れるので、バイクと絡めて写真が撮れるのもいいところです。

そして、そのまま国道を走って行きますと、本州最南端の潮岬へと向かう県道41号線に入りますが、先に橋で渡れます大島へと渡ります。突端には海原の好景観が望めます樫野崎があり樫野埼灯台や、同所で座礁したエルトゥールル号の記念塔が立っています。

樫野崎より民家の中の道を、看板に沿って南下しますと海金剛があります。日米修交記念館より歩いて5分くらいのところに展望台があり、柱状摂理の荒々しい岸壁がそびえる、迫力ある景色を望めます。

その後、大島を後にして潮岬へと向かいますが、その道中には朝貴ノ浜や出雲ノ浜などの綺麗な浜もあります。そして、潮岬に着。本州最南端の地であり、よく台風中継などで放映される場所でもあります。岬には芝生が広がり、本州最南端の碑や本州最南端 潮岬看板が立っています。潮岬観光タワーがあり、そこからも最南端の地のほか周囲の景観をパノラマで見ることが出来ます。また、西に向かいますと潮岬灯台も建っています。

潮岬観光タワーより潮岬灯台を望む

さて、潮岬を後にして、再び国道42号線に入ります。西に向かって走って行きますと、和深海岸という南紀熊野ジオパークを実感できます地層の岩肌を見ることが出来ます。国道からすぐですので、是非立ち寄られて見てはいかがでしょうか。

また、国道を走りますとその先に赤い鳥居が立っています金刀比羅神社があり、そこからの景色もいいですが、手前のトンネル越しに神社を絡めてバイクで走っているところを撮影するのもお勧めですが、バイクを駐車するスペースが無いため、ご注意を。

そして、そのまま走って行きますと紀勢自動車道のすさみ南インターチェンジに入って帰路に着けますが、 可能であれば、神社とその先の参道が島へと続く江須崎や、国道沿いから大海原上の離島が見えます恋人岬、高浜海岸 千畳敷、美観の和深崎、安宅崎、ベアーズロック、鳥毛洞窟、志原千畳敷、メズロ島など、見どころがたくさんあります。

鳥毛洞窟

そして、白浜に入りますと、南紀を代表する景観の三段壁や千畳敷、白良浜、番所山公園、そして、円月島があります。南紀はそこまでのアクセスが遠いため、近畿圏、中京圏からでも観光地を見ながらの日帰りツーリングはキツイと思いますが、宿泊するにしろ、1泊か2泊で立ち寄る場所も変わってくると思いますので、ルート自体ほぼ一本道のため、日程とご自身の興味を鑑みてルーティングされることをお勧め致します。なお、白浜からは紀勢自動車道の上富田ICに入り、帰路に着けます。

円月島~海上に浮かぶ南北130m、高さ25mの島で、中央部に円月形の海蝕洞が空いていることから円月島と呼ばれています。春と秋には穴の中から夕日が見える時もあり、多くの観光客やカメラマンが集まります。

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