■駿河湾(ツーリングルート)

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旅ゆけば 駿河の道に 茶の香り

富士山が見える荒天時、というのが条件とはなりますが、薩埵峠(さったとうげ)、三保の松原、日本平と、富士山眺望の好景観地を巡り、静岡最南端の御前崎へと至る、駿河湾に沿って走るツーリングルートです。清水市や焼津市などの市街を通るため車通りも多く、のどかな海沿いの道を走る…という感じにはいきませんが、それでも潮風を満喫しながら爽快な走りを楽しめるルートです。

日本平の梅園からの望む富士山

総走行距離~約140km

歌川広重の東海道五十三次にも描かれていて、今なお、その景観を見ることが出来ます薩埵峠(さったとうげ)。高速の出口から少し離れていて、東名高速であれば清水IC(約9km)から、新東名高速からでしたら新清水IC(約13km)からのアクセスになります。ちなみに国道1号線バイパスの興津ICから国道52号線に入り、4kmほど北上したところに国指定史跡の小島陣屋跡という、陣屋跡というよりは城跡に近いような立派な城壁が残っていますので、城好きの方にはお勧めの場所です。

さて、薩埵峠ですが、一般道の狭路を上って行くため、アクセス路を通り過ぎないよう国道1号線バイパスを早めに下りて、東名高速と並行して北側を走る一般道を走り、薩埵峠へと向かいます。薩埵峠には車が5~6台止まれる駐車場があり、バイクも止められますが、好天時などは車ですぐに埋まってしまいます。そこから薩埵峠展望台までは遊歩道を歩いて5分ほど。木の展望台があり、写真でよく見る海上を走る東名高速と富士山のコラボ景観を見ることが出来ます。

薩埵峠~歌川広重が東海道五十三次の由比宿の絵として描いた富士山の好景観地で、現在は海上に張り出した東名高速を眼下に、ほぼ歌川広重が見た景観を望める景勝地です。

さて、薩埵峠の駐車場から由比川に抜けることも出来ますが、道がより細くなるのと、望嶽亭の手前に狭路の坂道があるためかなり細心の走行が必要です。由比方面に行きますと、幕末に山岡鉄舟が隠れ逃げたという望嶽亭やその先にある由比宿は正雪紺屋などがあり風情ある建物が残っていますが、今回は、薩埵峠まで行ってそのままUターンして戻るのルーティングにしています。

再び、国道1号線バイパス(静清バイパス)に入り、途中、東海道本線を潜る前に清水港を周るしみずマリンロードに入ります。海沿いの道ですが、交通量も多く海も見ずらいため、風情はありませんが、清水港に入りますと「河岸の市 いちば館」という海鮮食堂街があり、地物の海産物を食すことができます。そして、そのまま国道149号線に合流します。ちなみに、この先に駿河湾フェリーの乗り場があり、伊豆半島の土肥までの航路があります。

駿河湾フェリー

また、その近くには、あの清水の次郎長の生家や次郎長宅跡などがあります。国道を進み、清水港沿いに走る県道199号線に入ります。道中には国鉄清水港線三保駅跡などがあり、そしてそのまま三保灯台通りに入ります。岬の先端には東海大学の自然史博物館や海洋科学博物館があり、その裏に真崎海岸があり、綺麗な富士山の眺望が望めます。そして、そのまま三保灯台通りを進みますと、駐車場完備の清水三保海浜公園があり、ここからも富士山の眺望を望めます。

清水三保海浜公園

その先に、Aランクの保存灯台の清水灯台があります。そして、そのまま進み、三保の松原に向かいますと大きな清水羽衣公園駐車場があります。嬉しいことにバイク用駐輪所があり、駐輪無料です。そこから三保の松原まではすぐ。天女が羽衣を掛けたという羽衣の松(三代目)があり、そのまま海岸に出ますと、松原越しの富士山の好景観を望めます。まさに、富士山と三保の松原の世界遺産の競演です。

三保の松原~三保半島に約7kmに渡り広がります5万本以上の松が生い茂る松原で、日本最古の和歌集の万葉集でも詠まれているように、平安時代より富士山の好景観地として知られている場所で、羽衣伝説が残っています。日本新三景、日本三大松原、国名勝にも選定されています。世界遺産にも認定されています。

尚、駐車場の前には三保の松原の羽車神社から先の御穂神社へと続く、神の道と言われる神さまが通られる松並木があり、歩けますので、風情を感じながら交通安全のご参拝をされてみてはいかがでしょうか。

三保の松原を後にして、日本平方面に向かい、清水日本平パークウェイに入ります。道中、景観は望めませんが、一瞬、富嶽台(離れたところに小さい駐車スペースあり)があり、そのまま進みますと日本平展望台の駐車場(無料)に着きます。ここから歩いて、高台にあります日本平夢テラスに。その昔、観光地コンクールで1位になった日本平からの美観を望むことが出来ます。

日本平夢テラスからの望む富士山

日本平~富士山の好眺望を望める標高307mの丘陵地で、日本観光地百選コンクールで第1位にも選ばれた景勝地です。入場無料の望施設「日本平夢テラス」からは清水港越しの富士山や、周辺の景観を望めます。また、2月~3月には梅園も見頃です。

今度は、反対側の日本平パークウェイで山を下りて、道中で左折後、大谷街道に入り、再び海方面へと向かいます。やがて国道150号線に入りますので、そのまま、焼津方面へと向かいます。ちなみに、日本平の麓には久能山東照宮があり、日本平からロープウェイで久能山東照宮に行けるほか、来た道の清水日本平パークウェイを再び走って山を下りて、国道150号線(清水バイパス)で海沿いを走りますと、久能山東照宮の表参道に行くことも出来ます。

久能山東照宮~標高216mの久能山に建立されたお寺で、徳川家康が1616年に死去した後、同寺に埋葬され、後に日光東照宮に遺骨が移されました。美しい装飾が施された社殿は国宝に指定されています。日本三東照宮のひとつで、久能山と日本平は日本平ロープウェイ(往復1,250円)で結ばれています。拝観料500円(社殿)。

そして、そのまま海沿いの国道150号線を走って行きます。交通量はありますが、海を眺めながら爽快な走りを楽しめます。やがて、安倍川を渡り、国道から外れて海の方に行きますと、広野海岸公園という難破船のオブジェがある公園があります。遊具も多くありますが、砂浜があり、休息も出来ます。

さて、そのまま用宗漁港を周り県道416号線に入ります。実はこの先に、大崩海岸を回避するために作られました石部海上橋があり、橋を渡った先に駐車場があり石部海上橋を見ることが出来ます。過去に崩落事故のあった石部洞門も現存しており、離れた場所に小さな慰霊碑も建てられています。ちなみに、石部海上橋の先の県道を進みますとトンネルに入り、トンネルを抜けた先すぐ右側に小さな有料駐車場があります。ここから海岸に下りられて、旧東海道本線の崩れた石部隧道を見ることも出来ます。

石部海上橋と石部洞門跡
大崩海岸

大崩海岸~駿河湾沿いに約4kmにわたり続く、高さ100m~300mの崖で、その名の通り崩れやすく、1887年のトンネル工事の際に崩落事故が起き、犠牲者が出た。

さて、断崖絶壁の大崩海岸沿いの県道416号線を走りつつ、そしてまたトンネルを越えますと、左側に虚空蔵山という特徴的な山が見え、瀬戸川を越えますと焼津市街に入ります。そして、途中でオーシャンロードという海沿いの道に入り、そのまま海沿い近くを走って行きますと、石津海岸公園という駿河湾に富士山の好眺望を望めます。とても広い公園で、砂浜もあり、のんびり出来ます。

そして、海沿いを走ります県道355号線に入り、やがて大井川を渡河して、国道150号線に入ります。この国道150号線は、車通りは多く、ところどころに堤防があり、海沿いの道ですが意外と海も見えず、爽快度は薄いです。

そして、御前崎に向かう途中で、国道が大きく曲がり海から離れますので、海沿いの一般道に入り、そのまま進みます。その先に、地頭方海浜公園という公園があり、富士山の遠望が見えるので、好天でしたらちょっと立ち寄ってみるのもいいかもしれません。そしてそのまま走って行きますと、御前崎ヤシの木通りに入りますので、御前崎に向かいます。途中でマリンパーク御前崎があり、駐車場からかなり歩きますが、港の見える丘に富士山展望台があり、好天であればここからも富士山の遠望が望めます。そして、道はサンロード(県道357号線)という名に変わり、御前崎の先端を周ると高台に御前崎灯台が見えてきますので、灯台に向かって走って行きます。

御前埼灯台~御前崎に建つ、1874年に初点灯した高さ22.47mの白亜の灯台で、日本の灯台50選に選ばれています。Aランクの保存灯台にも指定されています。

白亜の綺麗な灯台で、灯台の近くでバイクを絡めて写真を撮ることも出来ます。そして、再びサンロードに戻り、御前崎海岸に下りてみます。海岸には、静岡県最南端の岬の木碑が立っています。

そして、海沿いのサンロードを走ります。距離は短いですが、御前崎ロングビーチ沿いを海を見ながら走る爽快な道です。但し、海から吹きつける風が強いですので、ふらつかないように走行にはご注意を。

サンロードを走って行きますと、風力発電用の大きな風車が見えて、やがて国道150号線に交差しますので、そのまま国道150号線を左折して浜松方面に向かうことも出来ますが、高速までがとても遠いので、ここは国道を越えて、一般道を走りながら北東にあります金谷御前崎連絡道路に笠名ICから入り北上しますと、相良東名高速の牧之原ICに繋がり帰路に着くことが出来ます。

実走ガイド

日本平・由比(トライアンフ スクランブラー1200XC)

御前崎(トライアンフTIGER900 GT PRO)

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