普通二輪免許で乗れて、90万円以下で買えるアドベンチャーバイク
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2024年の4月に発売となりました、水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒399ccのエンジンを搭載したクロスオーバーモデルのアドベンチャーバイクです。前モデルは400Xよりモデル名が変更となりNX400となりました。
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デザインは、400xのちょっとくちばしがあったデザインから、フェイスがすらっとしたオリジナリティのあるデザインになりました。
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最高出力は9,000回転で34kW[46PS]を、最大トルクは7,500回転で38N・m[3.9kgf・m]を発生させます。前モデルの400Xと数値は同じですがエンジン型式は変わっています。なお、価格は400Xより33,000円アップしました。
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タイヤは、ダート走破性とオンロード性能のバランスを追求したダンロップのTRAILMAX MIXTOURになります。
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リアには荷掛けフック付グラブレールが装備、シートは一体式になります。リアキャリアは付いていません。
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シートの下はさほどスペースはないですが、工具があるリアにはETCの車載器や小物類なら収納が可能です。
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さて、跨ってみますと、シート高は800mmという数値ながらサスが沈み込み、シート形状も相まってシート高が高めになりがちなアドベンチャータイプとしては、足つきが良いと感じました。
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ポジションはアップライトで、座って手を前に出したところにグリップがあるニュートラルなポジショニングとなっています。
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今回、400XからNX400に変更となった部分でデザイン以外で大きく変わったのが、5インチのフルカラーTFTメーターです。情報表示がかならあっさりしていて速度と回転数と時計以外の細かい表示が少々わかりづらい感じがしましたが、今回、標準で車両とスマートフォンを連携させられるHonda RoadSyncが装備され、Bluetoothで接続したスマホなどの機器をディスプレイを見ながらハンドルスイッチで操作ができるようになりました。
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左ハンドルには、Honda RoadSyncの操作や各種設定の変更が可能な4wayセレクトスイッチと、スリップしやすい路面で後輪への駆動力レベルを必要に応じて制御するトルクコントロールのHSTC(Honda セレクタブル トルク コントロール)のスイッチが付いています。
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さて、エンジンをかけると、直列2気筒399ccの軽いトトトトトというエンジンを奏でます。アシスト&スリッパークラッチの採用により、軽くクラッチを繋いで発進。
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スムーズに、そして軽やかに走り出します。ただし、意外と早く5〜6千回転くらいで息切れし始め、それから最大トルクを発生する7,500回転くらいまで変わらぬ感じで回転が上がり、最高出力を発生する9,000回転強で頭打ちとなります。
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ですので、意外とこまめにシフトチェンジをする感じになります。なので、スポーティな走行には少々、分が悪い感じがしました。逆に高速道路などは6速でゆったりと流すような走りになるかと思います。また、車重も196kgということもありハンドルは軽めなのですが、車体が大柄でポジションが高いため、細かい道での切り返しは少し鈍重になる感じもいたしました。
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とはいえ、400ccでこれだけ風格があるというのも嬉しいところ。個人的には、たぶんオプション設定であるのかもしれませんが(設置場所はあり)、USBコネクタが付いていれば良かったと思いますし、できればリアキャリアとアンダーカウルも標準で装備して欲しかったところですが、そうすると当然価格も上がってしまうので、90万円以下という売りであれば、(オプション設定があれば)これで良かったのかもしれません。
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ナビホルダーはハンドルには付けづらいですが、メーター上のバーに設置することが可能です。燃費もWMTCモード値で28.1km/lを誇り、17Lのタンク容量と相まって満タンで約480kmの走行が可能です。
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特筆する様な個性のあるオリジナリティさは少ないものの、ホンダ車らしく、乗りやすくてうまくアドベンチャーバイクというパッケージにまとめられているバイクだと思いました。普通二輪免許で乗れて、価格も90万円以下とリーズナブルながら低中速を中心に、気張らない走りを楽しめるツーリングバイクだと思いました。
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