ここはかつての首都高速!?
八ヶ岳の東麓を走る八ヶ岳エコーライン。八ヶ岳の秀麗を望みながら快走できる道です。今回は尖石遺跡に寄りつつ、八ヶ岳エコーラインから国道299号戦(通称メルヘン街道)を通り、白駒の池へと繋ぐルートでツーリングを楽しんでみました。爽快な走りをメインで楽しみたいのなら、八ヶ岳高原ライン〜八ヶ岳エコーライン〜ビーナスラインというルートもありかと思います。
八ヶ岳の美峰を満喫できる道
八ヶ岳の西麓を走る八ヶ岳エコーライン。長野県の茅野市と富士見町とを結ぶ全長16.2kmの広域農道の通称で、正式名は八ヶ岳西麓広域農道といいます。
八ヶ岳山麓の田園地や林の中を抜けて走るほぼ追い越し可の二車線路になります。富士見町側の起点は“おっこと”の交差点(Google MAPでは「八ヶ岳エコーライン起点」と表記されています)で、実はこのおっとこ交差点から狭路になりますが、エコーラインと逆側の道に少し入ると、段々畑越しに南アルプスの遠望が望められて風情を楽しめます。
さて、エコーラインを茅野市方面に向かって走りますと、ミステリースポットの稗之底古村址の近くを通り、やがて樹々や高台に眺望が遮られ八ヶ岳を垣間見ながら走るようになります。
そして、県道17号線とエコーラインの分岐路で右に入ると、それまで右斜め後方にあって見辛かった八ヶ岳が右横になり見やすくなり、それが八ヶ岳ズームラインの先まで続きます。
その後、樹々に阻まれて眺望が無くなるものの、年に一度開催される原村の御柱祭の御柱が移動する御柱道との交差点を過ぎてカーブを曲がった先でパッと視界が開けて、エコーラインのハイライトスポットでもある右に八ヶ岳、左に南アルプス、そして左前には中央アルプスの遠望と、360度の好景観を楽しめる場所に出ます。
なお、お盆の頃にはエコーラインの泉野地区の西側にある8000本〜1万本も植えられたひまわりが開花し、絶景を楽しむことができます。
やがて、エコーラインは再び樹々に囲まれますが、尖石遺跡付近で視界が開け、メルヘン街道、そしてビーナスラインと交差し滝の湯川付近で終点を迎えます。
八ヶ岳エコーラインは、富士見町から茅野市に向かうと八ヶ岳は右斜め後方に位置して見づらいので茅野市から富士見町に向かった方が八ヶ岳の眺望が良いですが、エコーライン経由でビーナスラインやメルヘン街道に入るのなら富士見町からのアクセスになるかと思います。また付近には信州そばの食事処が点在しているので合わせて舌鼓も打ちたいところです。
縄文期に日本一の人口密度
実は長野県は国内有数の遺跡数を誇り、特に八ヶ岳南麓~西山麓は縄文時代の出土品が多く、縄文期は日本一の人口密度を誇った地域だったと言われています。
言わば“縄文期の首都”と呼んでも過言ではない地域であった。その代表的な縄文時代の遺跡なのが尖石遺跡です。5000年前の縄文時代の遺跡で、、石斧を研いだ尖り石と呼ばれる岩がありその名が付いたとされています。
そして跡隣接する尖石縄文考古館には、2点もの国宝の縄文式土偶が展示されています。
縄文後期~弥生期に入り、諏訪地域にて守矢氏による一大勢力(諏訪大社の源流)が生まれたのも無関係ではないと言えるでしょう。また、祭祀遺跡であるドルメンを疑われる遺跡も残存。諏訪守矢王朝でも信仰された古日本人達の信仰、石器~縄文期の原始宗教からの流れをくむミシャクジ信仰(現在も北関東に一部現存)の源流もこの地域にあると言えるかもしれないです。沿線に多くの遺跡が存在し、今も車の行き来が多い八ヶ岳エコーラインは実は古代人の首都を貫通する現代で言うところの首都高速道路だったのかもしれません。
静かで美しい白駒の池
八ヶ岳エコーラインで茅野市に入りそのままビーナスラインに入るルートもありますが、今回は白駒の池を見に行くため、国道299号線、通称メルヘン街道を走るルートを選択しました。せっかくなので、途中で御射鹿池に立ち寄って行きました。
メルヘン街道は小刻みにカーブが続く林間ワインディングロードですが茅野市側は路面状況が今ひとつでライン取りに気をつかいます。また樹々に阻まれて眺望は全くありません。
メルヘンというよりはかなりリアリティな道です。沿道随一の展望台である日向木場展望台からは南アルプスや遠く北アルプスの眺望を望むことができます。
そして標高2,127mと国道で2番目に高い場所である麦草峠に着。特に碑などはなく表示板があるだけですが、実は同最高地点は表示板のところから白駒の池側に数百メートル走った場所になります。
さて、麦草峠を過ぎるとすぐに白駒の池の有料駐車場(200円)に着きます。そこから苔と原生林に包まれた遊歩道を10分ほど歩くと白駒の池の湖畔に到着。
水面の標高が2,115mで、2,100m以上の高さにある自然湖としては日本で最大の湖です。平日ということもあったが静かで美しい場所なので、ぜひ一度は訪ねてみることをお勧めしたいです。
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