■上毛三山旅行記(ヤマハ TMAX530)

目次

はかない世ならば 浮かれて暮らそう

古来より、湯治は社交娯楽の場として、山は信仰の場として、旅人たちが足を運びました。

街道を歩き、道中で美味に舌鼓を打ち、素晴らしい景観を眺めて浮世を楽しむ。そんな浮世とは「はかない世ならば 浮かれて暮らそう」という、好色的な意も含めて江戸時代に流行った享楽的な世間観です。

江戸時代、旅人たちは中山道を歩き参拝して湯に浸かり、うどんを食して浮世を楽しみました。そして、それは今でも変わっていません。享楽や娯楽に時代の壁は無いんですね。ただ、古の旅人たちが幾日もかけて巡った場所を、バイクでなら僅か一日で回れます。ある意味、バイクは浮世的な乗り物と言っても過言ではないでしょうから、昔の人の旅とツーリングは、何か通じるものがあるような感じがします。

種子用の小麦作付け面積日本一を誇る上里町の地粉を50%以上使用したラーメン。麺は平打ちのちぢれ麺で、スープはコクのある魚節豚骨。県下の神泉村のヤマキの御用蔵醤油を使用。味噌は皆野町のヤマブの味噌を使用しています。醤油ラーメン\590。意外とリーズナブルなのも○。佐野ラーメンにも似た味でもあります。上里SA(下り)にて。
国道120号線は、本場ドイツを模して別名「日本ロマンチック街道」と呼ばれていますが、名前ほどには…。
にほんのへそ~日本のへそ、いわゆる日本の中心というのはその算出方法によっていろいろと変わるようです。緯度・経度だったり、はたまた人口の重心だったり、日本の中心と名乗る場所が各地に存在します。青森から四国まで、たくさんあるようです。ここは、北海道の宗谷岬と鹿児島県の佐多岬を直径とする円の中心。へそ祭りなるものも開催されるそうです。じゃあ、沖縄や礼文島は…というツッコミはなしということで(渋川市渋川2110-21)
【全国各地にある主な日本の中心】

・青森県東北町~日本中央の碑 ・栃木県佐野市~道の駅 どまんなかたぬま ・山梨県韮崎市~日本列島の中心地 ・長野県辰野市~日本中央の碑 ・岐阜県美並村~日本真ん中センター ・石川県珠洲市~日本列島ここが中心 ・兵庫県西脇市~日本のへそ(へそ公園あり) ・徳島県東みよし町~日本列島中心点

まずは、赤城山へと向かいます。

途中に、畜産試験場という畜産試験場プチ北海道的な景色が眺められる、赤城山南麓に広がる草原があります。思わず寝そべりたくなりますが、県の試験場なのでご注意を。

畜産試験場

ここから県道4号線を南下すると大鳥居があり、国道353号線を西に向かうと夜景の眺望が素晴らしい立ち寄り湯「見晴らしの湯」があります。毎年秋に、畜産フェスティバルを開催。一直線に並んだ樹々が美しい場所です。

風車が目印の、道の駅「ぐりーんふらわー牧場・大胡」お勧めの休憩立ち寄りスポットです。

赤城山の南麓のワインディングを登っていくと、赤城山の山頂付近に到着します。赤城山のシンボル的な大沼や赤城神社があり、観光地としてもにぎわっている場所です。

赤城山大沼~静寂の中、湖面のさざ波と流れ行く雲に心が癒されます。
赤城神社~赤城山の大沼湖畔にある建立1200年以上もの歴史を持つ神社です。同社の駐車場からはバイクを絡めて赤い欄干の渡橋を背景にした大沼の撮影が可能です。湖畔のボート乗り場とともにお勧めの撮影スポットです。撮影後は、必ず御礼と旅の安全を祈願して参拝しましょう。また、赤城神社もボート乗り場も駐車場は未舗装なのでご注意を。神社の駐車場の方が湖畔まで歩く距離は少ないです。
赤城道路北面は走りやすい爽快なワインディングロード。ただし、飛ばして行くバイクも多いので要注意!
望郷の湯~国道120号線から少し入ったところにある立ち寄り湯(看板があるのですぐにわかる)。露天風呂から赤城山の眺望が良く、休憩室完備で食事処の蕎麦も美味しいです。入館料は大人550円(2時間)で、タオルは200円で販売。10:00~20:00 第2火曜日定休
道の駅 川場田園プラザ~関東の「好きな道の駅」で5年連続で1位に選ばれ、某新聞の「家族で一日楽しめる道の駅ランキング」でも東日本第1位を獲得しました。園内にはビール工房にパン工房、ミルク工房にミート工房、大すべり台や野菜市場もあり、もはやレジャー施設といった感じです。沼田ICからさほど遠くないので集合場所としてもいいかも。但し、ついつい長居してしまうかもしれないので要注意を。

かかあ天下とからっ風

榛名~妙義を結ぶ県道33号線。地図上では狭くタイトな道に見えますが、実は樹々の中を走る爽快なツーリングルートです。飛ばすことは出来ませんが、ツーリングにはお勧めの道です。

上州名物と言えば「かかあ天下とからっ風」です。かかあ天下は家庭問題、からっ風は冬場の風物詩なので、実は夏に上州にツーリングする際には、上州の隠れ名物の“雷”に要注意です。

バイクで走っていて雷が鳴ったら、できるだけ早くバイクを降りて、安全な建物の中に避難しましょう。パーキングエリアが無ければ、飲食店やスーパーとかでもいいかもしれません。かかあ天下の雷と同じで、いつ、どこに落ちるか分からないので、家と同じように、雲行きが怪しくなってきたら、すぐに逃げた方が賢明です。

さて、今回乗りましたバイクは海外でも人気を誇るTMAX530。スロットルワークを駆使する赤城道路、ブレーキングと加速が重要な榛名の道、そしてライン取りが重要な妙義道路と、人気漫画でも描かれた三道三様の峠道ながら、驚きました。正直、スクーターだからとコーナーリングに不安を感じていたのですが、まさにスポーツバイク的な足回りとスロットルレスポンスで、撮影メインで来たのに、がっつり走っちゃいました。いやー、楽しい!まさに享楽的世界。否、恐るべしTMAX。

沼田公園~戦国時代、江戸時代と真田氏が五代に渡り城主を務めた沼田城。その跡地のすぐ横に、整備された沼田公園が広がり、シンボルの鐘楼が建てられています。沼田城といえば、真田幸村の父で北条軍や徳川軍を策で翻弄した智将昌幸が活躍した場所です。歴史の浪漫を感じられます。真田氏時代には5層の天守や3層の櫓が建てられていたそうですが、今は石垣跡が残るのみです。

さて、赤城山を下りて沼田を越えて榛名山へと向かいます。道中には、水沢観音に水沢うどん、そして、伊香保温泉など立ち寄りスポットが続きますので、時間と見計らって寄られてみられることお勧め致します。特に伊香保温泉はアクセスも良いので、是非共同浴場や露天風呂に浸かってみたいところですが、石段も急で帰路も大変なのであまり奥(上)まで登っていかれないよう…。

水沢観音~1300余年の歴史を持つ古社。最盛期には三十余の御堂と千二百体もの御仏が存在していたらしいですが、幾度もの火災で焼失してしまったため残念ながら国宝や国重文などはないのですが、押すと回転する六角堂や迫力ある朱色の仁王門など、見どころは満載です。無料の大駐車場から本堂が歩いてすぐというのが嬉しいです。時間が十分あれば、参拝と拝観が出来ます。お勧め。
◇水沢うどん

約400年前、水澤観音参拝客向けに出されていたのが始まりとされる水沢うどん。コシと弾力がある麺は歯ごたえが良くて、つるつるとのど越しもいいです。週末は観光客も多く、人気店は待つ場合も多いです。

街道沿いには13軒もの店が軒を並べています、日本三大うどんの水沢うどん。画像は人気店の「大澤屋」の舞茸天ぷら付きざるうどん\1,260(渋川市伊香保町水沢198)
万葉集にその名が登場し、真田昌幸によって石段が作られた伊香保温泉。竹下夢二や徳富蘆花など多くの文人たちが訪ねた上州屈指の由緒ある温泉街です。365段もある石段が有名。上った先には伊香保神社があります。
石段の湯
石段の途中には、映画「テルマエ・ロマエ」のロケ地にもなった「大弓と射的」や、共同浴場の「石段の湯」などがあります。
伊香保温泉の湯治客を対象とした関所跡。気概のある方は、是非顔出し看板で撮影を。
伊香保温泉の奥にある河鹿橋。紅葉スポットでもありますが、新緑映えでも素晴らしいお勧めの立ち寄りスポットです。ただし、道中は急坂なので、バイクでの走行にはご注意を。

榛名山山頂へと向かう山岳路は、走りが楽しいワンディングロードながら、基本的にはヘアピンと直線路の連続道で、ヘアピンの立ち上がりで加速しすぎると、取り締まりに会うこともあるのでご注意を。そして、最後の長い直線を走ると秀麗な榛名富士を望む榛名湖に到着いたします。

ヘアピンと短い直線が交互に続く伊香保~榛名の道。湖付近には直線路もあります。ただし、スピードには注意を。
山上湖の榛名湖畔より、榛名富士とも呼ばれる秀麗な榛名富士を望みます。
榛名神社~1400年以上の歴史を持ち、起源は古墳時代と言われる榛名山中腹にある名社。神社内には国重文が多数点在しているほか、参道には多くのお店が軒を並べていて観光客も多いです。歴史民俗資料館やその下に小さな無料駐車場あり。ただし、駐車場から本殿まで坂道を約15分歩くのがちと辛いです。
JR横川駅の名物駅弁「峠の釜めし」。味が染み込んだ炊き込みご飯に、栗や杏など厳選された9種の具材の食感が美味。おぎのや本店のほか、上信越道横川SAでも購入することが出来ます(要販売時間注意)。\1100
1616年、江戸幕府によって「入鉄砲と出女」を厳しく監査するために中山道に作られた碓井関所。現存するのは昭和35年に再築されたものです。文化むら裏の県道92号線沿いにあります。

榛名山を降りて、上毛三山の最後の妙義山へ。

奇岩奇勝の迫力ある同山ですが、その麓を走る道は狭くてタイトコーナーが多く、どちらかというと小排気量車向けの道で、榛名山や赤城山の道とはまた違った走りを楽しめます。但し、くれぐれも妙義山の景観に目を奪われないよう、すぐにオーバーラインをしてしまいますので…

さて、上毛三山は、一度で三様の変化が楽しめる首都圏から日帰りできるお勧めのツーリングコースでした。

また、TMAXですが、大きな荷物をポンとシート下に入れて、動作はアクセルとブレーキだけ。クラッチワークもシフトチェンジもいりません。今回、550km以上走ったのですが、ここまで疲れなかったバイクは初めてですし、その動力性能にビックリしました。ちなみに燃費は23km/L。

ちょっとだけ、浮世の旅を感じられた…のですかね。

県道196号線沿いにある中之岳駐車場からは妙義山の絶景を望めます。また、妙義山パノラマパークからの景観もお薦めです。
タイトなコーナーが続きちょっと疲れますが、妙義山の奇観を間近に見ながら走れて楽しい県道196号線。
妙義神社~創建が537年という、千数百年もの歴史がある神社。本殿、唐門、総門などが国重文。参道のすぐ近くに無料の町営駐車場があります。
中之獄神社
中之獄神社~高さ20mの日本一の大黒様。なぜか木槌ではなくて剣を持っています。中之岳駐車場前。

◇その他の日本一の七福神像

※日本各地にある巨大な七福神像を調べてみました。違っていたら、すみません。

恵比寿~大前神社(栃木県真岡市):大谷石製13m。宝くじが当たるらしいです。

毘沙門天~一乗院(茨城県那珂市):青銅製13m 徳島県の雲辺寺には10mの像あり。

弁財天~最福寺(鹿児島県鹿児島市):木彫り18.5m 木造りの像では世界一。

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