ここも信州!
信州の中でも、北信や南信、中信と比べると地味な感じが否めない東信地区。しかし、絶景地や爽快路、戦国武将の史跡や伝統的町並みなどがあり、実は魅力的なエリアなのです。
信州とは長野県のことであります。古来より信濃国であった同地は、国を表す州の字を用い信州と呼ばれるようになりました(他に甲州や武州などもあります)。信州と言いますと、絶景道のビーナスラインや北アルプスの北信、南・中央アルプスに挟まれた伊那路などをイメージしますが、軽井沢や小諸、上田も信州(長野県)なのです。ということで、今回は「ここも信州!」ということで、上信越道の小諸ICから菅平高原へと周遊してみました。
まずは小諸市内にある小諸城址(懐古園)に。小諸城は豊臣秀吉家臣の仙石秀久が入った城で、城下町より低い位置に城のある国内でも珍しい穴城で、日本百名城にも選ばれています。有料の駐車場にバイクを置いた後、線路下を潜って、国重要文化財の小諸城の大手門を見に行きました。その後、懐古園に戻り、入園(500円)した後、園内を散策。水の手展望台や富士見展望台などを見て回った後、園内にありますプチ動物園を見て、和みました。
懐古園を散策した後、小諸市街からチェリーパークラインに入りました。
頂上の車坂峠まで約10㎞ですが、実はほぼ冬場はスキー場となります高峰マウンテンパークまでの道のため、意外と車通りが少なく、また全線追い越し可のため走りやすい道です。そして峠付近では八ヶ岳の好眺望を望むことが出来ます。
但し、基本的には高峰マウンテンパークまでのピストン路で、再び同じ道を下って戻らなければなりませんば、好天時ならば、この眺望を見に走る価値はあるかとは思います。
高峰マウンテンパークから先も嬬恋に抜ける道はあるのですが、浮き砂利の未舗装路で、嬬恋までは下りの砂利道が7㎞以上続くので、オフ車以外は避けるのが良いかと思います。訪問時(2022年5月初旬)には、 高峰マウンテンパーク 〜嬬恋村の区間は全面通行止となっていました。ちなみに、車坂峠の近くには日本秘湯を守る会会員宿でランプの宿の高峰温泉があり、日帰り入用も出来ます(11~16時。700円)。なお、高峰温泉から湯ノ丸高原へと抜ける湯の丸高峰林道がありますが、フラッドダートですが、こちらも高峰温泉~池の平インフォメーションセンター未舗装路の約3kmが未舗装路になります。
なので、再び爽快な走りが楽しめるチェリーパークラインを下り、東御市から県道94号線(東御嬬恋線)に入り、湯の丸高原経由で嬬恋村に入りました。この県道もほぼ追い越可の車線路で走りやすいです。湯ノ丸高原の地蔵峠を越えると、群馬県の嬬恋村に入ります。日本一のキャベツの生産量を誇る地域で、広大なキャベツ畑の中をつまごいパノラマラインが走り、牧歌的な景色を楽しみながら走れるエリアで、ぜひ、東信エリアと合わせてツーリングで訪れたい場所です。
今回、特に訪ねて見たかったのが「嬬恋の丘」で、四阿山や浅間山の好眺望を望める小高い丘で、北海道の美瑛のようなパッチワークのキャベツ畑の景色を楽しめるお勧めスポットです。
但し、案内の看板などは一切ないので、ナビは必須です。
また、今回は、国道144号線からその姿を見ることのできない田代湖を見に行きましたが、国道から湖に沿って左回りの道を走りましたら、樹々の間からしか湖面が見えませんでした。国道から田代湖にある唐沢ダムに向かった方が良かったようです。残念。
田代湖の北側を抜けて、愛妻の丘へと向かいました。嬬恋=妻恋ということなのでしょうか。見晴らし台があり、そこから見える浅間山に向かって、妻に愛の言葉を叫ぶと良いようですが…さすがに恥ずかしいですね。
この辺りはキャベツ畑が広がり、プチ北海道的な広い景観が楽しめますので、是非、脇道に逸れて、お邪魔にならないようにぷらっと狭い農耕者用の道を走ってみるのも楽しいです。そして、わずかですが、つまごいパノラマラインの北ルートを走り国道144号線に戻りますが、道中に「愛妻家に注意」の看板がありますので、是非、記念写真を撮って行きたいポイントです。
国道144号線に戻り、長野方面へと進み鳥居峠を越えますと、長野県の上田市に入ります。途中で国道406号線に入って菅平高原に向かう道中に唐沢の滝がありますので、ぜひ立ち寄りたいところです。さて、国道144号線から国道406号線に入ります。
道中、菅平ダムの近く、国道406号線から遠目に落差15mの 浄水の滝 を望むことができます。
そして、その先には唐沢の滝があります。落差11mほどの滝でこちらも国道沿いからも見れますが、3分ほど歩けば滝の間近まで行けて、迫力ある滝景を見ることができます。
菅平高原に到着。冬はスキーで賑わう場所ですか、残念ながらグリーンシーズンはリフトが稼働してないようでした(見つけられませんでした)。そんな中、実は、今回の菅平の目的地は菅平牧場。途中の料金所で入山料200円を払い牧場に入りました。
菅平牧場はまだ芝が生えていないため牛の放牧はなく、四阿山などの登山客がいるのみでした。ここから15分ほど整備された土段を登ると東屋があり、雲海に浮かぶ北アルプスの絶景を望むことが出来ます。
よくヒマラヤ山脈などの高峰がまるで空に浮いているかのような画像がありますが、まさに好天ならその景観が見られる場所です。高い空の雲より上に北アルプスの高峰が顔を出している、まさに絶景です。この風景を見たくて菅平牧場を訪れました。但し、徒歩15分とはいえ土段の一段一段に高さがあり体力がないと地獄を見るのでご注意を。
東屋から下山し、再び菅平牧場に。牧場といえば、やはりソフトクリーム。こちらでも頂きました。
菅平を後にして上田市街へと向かいました。上田市はまさに真田の町で、随所に真田の家紋の六文銭が見られました。
まずは、真田氏歴史館へ。真田三代の鎧などが展示されていて、真田氏ファンなら是非とも立ち寄って行きたい場所です。
真田歴史館の隣りには真田氏館跡があり、真田氏館跡や出陣広場、皇大神社などがあるツツジや樹々が多くある御屋敷公園となっています。
御屋敷公園 真田氏館跡
続いて、風情ある柳町を通って関ヶ原の戦いで徳川別動隊を足止めさせたことで有名な上田城址公園に。但し、バイクの駐輪は城から700mも先の城下駐車場になります。
城址公園をぷらっと散策した後、北国街道を走り、海野宿に到着。ちなみに、近くには日本の棚田百選にも選ばれています稲倉の棚田がありますので、田んぼに水がはっている時期であれば、立ち寄りお勧めです。
海野宿は江戸時代の北国街道の宿場町として栄えた町で、今も残る歴史的な町並みの中をバイクで走ることができます。
海野宿
江戸時代の北国街道の宿場町で、約650mに渡りほぼ両側に旧家が並んでいて、往時を偲ばせてくれます。水路が流れていて風情があり、バイクで町中を走ることができます(20km/h以下走行推奨)。重要伝統的建造物保存地区、及び日本の道100選に選ばれています。
そして、海野宿から国道18号線に入りますと、途中逸れたところに雷電為右衛門像があります。また、国道18号線を進み農道に入りますと、雷電の生家に。雷電は土俵人生21年間で10敗のみという力士で、最強力士と称されています。東御市の田んぼの中にポツンと雷電の生家と雷電のお墓があります。
雷電為右衛門像 雷電の生家
国道18号線に戻り、千曲川沿いの道に入り川沿いを走りますと布引渓谷があります。
そして、布引渓谷のそばに布引観音の駐車場があり、山中の参道を15分ほど歩きますと、国重要文化財の懸崖造りの観音堂に着きます。
布引観音
岩山の断崖絶壁に懸崖造りの観音堂(国重要文化財)が建つ古刹。ここの布引観音が牛に化身して、小諸に住んでいた強欲な婆さまが干していた布を角に引っ掛けて、善光寺まで追いかけさせて改悛させたという、「牛に引かれて善光寺参り」( “思いがけない誘いで良い方に向かうこと”のたとえ)のことわざの発祥の地とも言われている。千曲川沿いにあります布引観音参道駐車場から観音堂まではきつい石段を約15分。貸杖あり。
布引観音を後にして、小諸ICより再び上信越道に入り、帰路に着きました。
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