■2017年式 スズキ Vストローム650XT ABSに乗ってみました。

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日本国内ではジャストサイズのアドベンチャーバイク。高速移動して三桁国道を走るようなツーリングにはもってこい。

今春、スズキ Vストローム1000 ABSとともに,、国内仕様としてフルモデルチェンジして発売されたVストローム650。なおXTはスタンダードタイプに対して、エンジンアンダーカウルとナックルカバーを標準装備。ホイールは、チューブレスタイプのワイヤースポークホイールを採用し、車体色チャンピオンイエローNo.2にはゴールドアルマイトのリムを採用。専用設計されたブリヂストン製BATTLAX ADVENTURE A40を採用しています。

さて、熟成に熟成を重ねた645ccの90度Vツインエンジンですが、同型のエンジンを積んだSV650 ABSに乗ったときにも感じましたが、いいエンジンですね。どの領域からもスムーズにトルクフルな出力を発生し、オーバーリッターと違ってそのパワーに圧倒されたり持て余すことがないちょうどいい加減感。体が持ってかれるとか前輪が浮きそうとかでなくて、Vストローム650はその車両特性からかよりマイルドな感じになって、とても走りやすいエンジンになっています。

個人的には、日本国内のツーリングで乗るなら、このくらいの排気量が、操作的にも燃費的にもちょうどいいんじゃないかと思います。最高速は(国内仕様であるなら)どのバイクも180km/hでリミッターが効きますし、(高速の最高速度は100km/hで)サーキット以外でそんなに速度を出す必要(出す場所)がないので、サーキット等でスピードを競うスポーツバイク以外は、あまり出力とかトルクの値の差はそんなに気にしなくてもよくて、逆にその特性の方が(購入時に)重要になってくるような気がします。

でも、原付二種とかはどれだけスピードダッシュが速いか…というような、信号ダッシュ需要はありそうですが…。

とにかくマイルドで、どこからでもアクセルを回すと力強く車体を引っ張ってくれるいいエンジンです。足回りもかっちりしていて、高速のギャップも、酷道の荒れた路面の凹凸もきっちりと吸収してくれます。積載量が多かったり、タンデム時などにスプリングプリロードを最適にする油圧式プリロードアジャスターを装備しているのも嬉しいです。

その、熟成された基本性能の高さに加えて凄いのが、旧モデルからお値段据え置きながらも装備品等がより充実していることです。

まずは、トラクションコントロール。off、1(低)良好な路面状況、2(高)濡れた路面などと3段階だけながら、切り替えスイッチが左ハンドルバーにあって、使い勝手はいいです。常に使うものでもありませんが、特に、ダート走行時などはタイヤの空転を制御しているなと感じられ、安心感が得られました。

あと、個人的には、昨今、スズキの各車に付いている「ローRPMアシスト」がいいです。全ギアでエンジンの回転数の落ち込みを緩和してくれるので、半クラッチを使っての渋滞路の走行やUターンなどでエンスト&立ちごけという心配が少なくなり、こちらも安心感が得られます。

ワンプッシュで始動可能なスズキイージースタートシステムもそうですが、スズキっ、ライダーが乗りやすくなるようにバイクを作っているなぁ…って感じられるところがいいところを、このVストローム650でも感じさせてくれます。

装備(Vストローム650XT ABS)は、4本のボルトで3段階を変えられるウィンドスクリーンのほか、エンジンアンダーカウルにナックルカバーとアドベンチャー感を盛り上げる外装が装備。高速走行も防風効果が高くて、快適感が高いです。

あと、やはり長距離ツーリングを快適にしてくれる、便利なリアキャリアやDCソケットが付いているのも嬉しいです。

後方視認性のいいミラーや、チューブレスタイプのワイヤースポークホイールも、安全性をより高めてくれていて嬉しい装備です。

ただ、ネガな部分としては、これはアドベンチャーバイク全般に言えることですが、やっぱり足つき性がいまいち悪い事。

販売の主戦が欧州の180cm以上ある大柄な方たちですし、アドベンチャーという悪路走破も視野に入れた造なので、腰高なのは仕方ないところ。でも、このVストローム650は、オーバーリッターのアドベンチャーモデルほどに足つきが悪いわけでなく、また、車格に圧倒されたり取り回しが重かったりというわけではなく、タンク回りもスリムで、ある意味、日本で乗るビッグアヂベンチャーバイクとしてちょうどいい大きさなような気がします。

ちょい乗りや街乗りというより、ちょっとぷらっと遠くまでツーリングに行こうかなぁ、高速をガーッと走って山奥の紅葉や桜を見に行こうかなぁ、と思えて、実際に気軽に行きやすいバイクです。

あと、特筆すべきはその価格。いまや100万円オーバーが当たり前となってきたり、カラーバリエーションによって価格が変わるビッグバイクにおいて、全色、Vストローム650XT ABSが95万400円(税別88万円)、Vストローム650 ABSが90万7,200円(税別84万円)と、両車アンダー100万円で、その性能、その装備から鑑みると非常にリーズナブルなこと。はたして1台あたりスズキさんにどれだけの儲けがあるのか心配になっちゃうくらいです。

Vストローム650XT ABS諸元

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