はかない世ならば 浮かれて暮らそう

古来より、湯治は社交娯楽の場として、山は信仰の場として、旅人たちが足を運びました。
街道を歩き、道中で美味に舌鼓を打ち、素晴らしい景観を眺めて浮世を楽しむ。そんな浮世とは「はかない世ならば 浮かれて暮らそう」という、好色的な意も含めて江戸時代に流行った享楽的な世間観です。
江戸時代、旅人たちは中山道を歩き参拝して湯に浸かり、うどんを食して浮世を楽しみました。そして、それは今でも変わっていません。享楽や娯楽に時代の壁は無いんですね。ただ、古の旅人たちが幾日もかけて巡った場所を、バイクでなら僅か一日で回れます。ある意味、バイクは浮世的な乗り物と言っても過言ではないでしょうから、昔の人の旅とツーリングは、何か通じるものがあるような感じがします。




【全国各地にある主な日本の中心】
・青森県東北町~日本中央の碑 ・栃木県佐野市~道の駅 どまんなかたぬま ・山梨県韮崎市~日本列島の中心地 ・長野県辰野市~日本中央の碑 ・岐阜県美並村~日本真ん中センター ・石川県珠洲市~日本列島ここが中心 ・兵庫県西脇市~日本のへそ(へそ公園あり) ・徳島県東みよし町~日本列島中心点
まずは、赤城山へと向かいます。
途中に、畜産試験場という畜産試験場プチ北海道的な景色が眺められる、赤城山南麓に広がる草原があります。思わず寝そべりたくなりますが、県の試験場なのでご注意を。

ここから県道4号線を南下すると大鳥居があり、国道353号線を西に向かうと夜景の眺望が素晴らしい立ち寄り湯「見晴らしの湯」があります。毎年秋に、畜産フェスティバルを開催。一直線に並んだ樹々が美しい場所です。

赤城山の南麓のワインディングを登っていくと、赤城山の山頂付近に到着します。赤城山のシンボル的な大沼や赤城神社があり、観光地としてもにぎわっている場所です。





かかあ天下とからっ風

上州名物と言えば「かかあ天下とからっ風」です。かかあ天下は家庭問題、からっ風は冬場の風物詩なので、実は夏に上州にツーリングする際には、上州の隠れ名物の“雷”に要注意です。
バイクで走っていて雷が鳴ったら、できるだけ早くバイクを降りて、安全な建物の中に避難しましょう。パーキングエリアが無ければ、飲食店やスーパーとかでもいいかもしれません。かかあ天下の雷と同じで、いつ、どこに落ちるか分からないので、家と同じように、雲行きが怪しくなってきたら、すぐに逃げた方が賢明です。
さて、今回乗りましたバイクは海外でも人気を誇るTMAX530。スロットルワークを駆使する赤城道路、ブレーキングと加速が重要な榛名の道、そしてライン取りが重要な妙義道路と、人気漫画でも描かれた三道三様の峠道ながら、驚きました。正直、スクーターだからとコーナーリングに不安を感じていたのですが、まさにスポーツバイク的な足回りとスロットルレスポンスで、撮影メインで来たのに、がっつり走っちゃいました。いやー、楽しい!まさに享楽的世界。否、恐るべしTMAX。

さて、赤城山を下りて沼田を越えて榛名山へと向かいます。道中には、水沢観音に水沢うどん、そして、伊香保温泉など立ち寄りスポットが続きますので、時間と見計らって寄られてみられることお勧め致します。特に伊香保温泉はアクセスも良いので、是非共同浴場や露天風呂に浸かってみたいところですが、石段も急で帰路も大変なのであまり奥(上)まで登っていかれないよう…。

◇水沢うどん
約400年前、水澤観音参拝客向けに出されていたのが始まりとされる水沢うどん。コシと弾力がある麺は歯ごたえが良くて、つるつるとのど越しもいいです。週末は観光客も多く、人気店は待つ場合も多いです。






榛名山山頂へと向かう山岳路は、走りが楽しいワンディングロードながら、基本的にはヘアピンと直線路の連続道で、ヘアピンの立ち上がりで加速しすぎると、取り締まりに会うこともあるのでご注意を。そして、最後の長い直線を走ると秀麗な榛名富士を望む榛名湖に到着いたします。





榛名山を降りて、上毛三山の最後の妙義山へ。
奇岩奇勝の迫力ある同山ですが、その麓を走る道は狭くてタイトコーナーが多く、どちらかというと小排気量車向けの道で、榛名山や赤城山の道とはまた違った走りを楽しめます。但し、くれぐれも妙義山の景観に目を奪われないよう、すぐにオーバーラインをしてしまいますので…
さて、上毛三山は、一度で三様の変化が楽しめる首都圏から日帰りできるお勧めのツーリングコースでした。
また、TMAXですが、大きな荷物をポンとシート下に入れて、動作はアクセルとブレーキだけ。クラッチワークもシフトチェンジもいりません。今回、550km以上走ったのですが、ここまで疲れなかったバイクは初めてですし、その動力性能にビックリしました。ちなみに燃費は23km/L。
ちょっとだけ、浮世の旅を感じられた…のですかね。





◇その他の日本一の七福神像
※日本各地にある巨大な七福神像を調べてみました。違っていたら、すみません。
恵比寿~大前神社(栃木県真岡市):大谷石製13m。宝くじが当たるらしいです。
毘沙門天~一乗院(茨城県那珂市):青銅製13m 徳島県の雲辺寺には10mの像あり。
弁財天~最福寺(鹿児島県鹿児島市):木彫り18.5m 木造りの像では世界一。
コメント