※銀河鉄道の夜~遠野・花巻・南三陸 その1 からの続き
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宮沢賢治の世界に浸る
銀河鉄道の夜を彷彿させるかのように、灰色の煙をはきながらC58形蒸気機関車が、深い青色の客車を引い、めがぬ橋をゆっくりと渡って行きます。震災復興の後押しとして、週末、JR釜石線を走っています。
小説よろしく、いきなり強い光に包まれて、気がついたら銀河鉄道に乗っていた…なんてことを空想してみるも、僕の稚拙な想像力では機械の身体を手に入れる為に旅立つあのアニメーションとイメージが重なって、人のいい車掌さんの姿がポワっと浮かんでくるだけでありました。
さて、道の駅みやもりを後にして、トリトンブルーのGSR250Sで宮沢賢治がイーハトーブと呼んだ花巻へと向かいました。多くの童話や詩を発表した宮沢賢治の世界に浸りたいなら、想像力を駆使すべし、です。そう、ブルーのGSRを銀河鉄道に見立ててイーハトーブを走り回ってみるのも、乙なものです。
夏草や 兵どもが 夢の跡
壇ノ浦の戦いで平家が滅んだ後、わずか4年。奥州藤原氏四代当主の藤原泰衡の急襲に遭い、平泉の地で自害した源義経。享年31才。天才的な戦略や戦術、仁義に厚いその人間性から、今なお人気が高い武将です。当地平泉は、奥州藤原氏や源義経ゆかりの地が点在し、見どころも多いです。高館より眼下に流れる北上川を眺めると、約820年前にここで最期を遂げたという義経も同じ景色を見たのだろうかと思い、感慨深くなります。
その後、この地を訪ねた松尾芭蕉が、現在で言う東北6県を制覇し滅んだ奥州藤原氏の栄枯盛衰も重ね合わせ、「夏草や 兵どもが 夢の跡」と詠んだのは、それから約500年後のことでした。
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