養老清澄ラインの秘境を訪ねる(千葉県)

秘境に行ってみたい。でも、秘境って普通には行けない場所なのでは?いや、バイクだからこそ気軽に行ける秘境もあるのです。

清水代隧道

気軽に秘境に行きたい

秘境…なんとも魅力的な言葉です。閉ざされた場所、または人知れず在る場所という感じで冒険心がそそられます。

高滝湖

秘境というと、ジャングルの奥地や未開の場所、というイメージもありますが、実際、あまり人が来ない場所で少し不思議な景色が見れるところ、と考えると、そんなところを探してバイクで訪ねてみるのも楽しいものです。実は、機動力に優れていて狭路でも走りやすいバイクは、そんな秘境探訪にもってこいなのです。

仮面ライダー像

さて、今回、秘境探訪に訪れたのは房総半島。都心からアクアラインを使うととても至便な場所でありながら、一時、話題となった「T秘境」や「地図に載らない集落」などがあり、意外と秘境感が漂う場所でもあります。その理由としては、房総半島自体が丘陵地であり(千葉県最高峰の愛宕山408mは47都道府県で最低高です)、その丘陵に沿って道や川が蛇行しているのを、交通や川の利便性を高めるために、昔の人が人力で採掘して隧道や川の流れを変えるための川回しのトンネルを作ったことから、より秘境感を醸し出す風景が点在するようになったと思われます。その中で今回は、沿線に素掘りのトンネルや川回しが点在する養老清澄ラインを走り訪ねてみることにしました。

小湊鉄道 里見駅本屋(国登録有形文化財)
小湊鉄道 里見駅本屋(国登録有形文化財)

魅力的な素掘りのトンネルと川回し

養老清澄ラインは、千葉県道81号線の市原市と鴨川市を繋ぐ約36kmの区間の愛称で、一部狭路区間がありますが、大体が舗装二車線で走りやすい道です。今回、アクアラインから圏央道に入り、市原鶴舞ICで下りた後、高滝湖に向かってレイクラインという爽快路を走り養老清澄ライン県道81号線)に入りました。道中には本郷の大イチョウや国登録有形文化財の里見駅などがあります。

柿木台第一トンネル
柿木台第一トンネル

そして柿木台第一トンネルに到着。同トンネルは明治32年に掘られた全長78mの将棋の駒のような形の観音掘りの素掘りトンネル。トンネル内は電灯も多く走りやすいです。そこから少し走ると柿木台第二トンネルがあります。こちらは馬の蹄の形に掘られた馬蹄形の素掘りトンネルで全長は約48mになります。

そのまま草木が茂る狭路を走ると永昌寺トンネルに着きます。このトンネルも観音堀りで、明治31年に掘られて全長が142mと長いのですが、電灯が少なく路面状況が分かりづらいのが難点。ちなみに近くには市原市最大級の川回しの浦白川のドンドンがあります。なお、空が見える素掘りトンネルの月岡トンネルへの狭路は一般車は通行禁止になっています。

永昌寺トンネル
月崎駅
小湊鉄道沿線にて

異世界への入口に立つ

再び県道81号線に入り、養老川に沿って南下。やがて、養老渓谷温泉に入りました。温泉宿自体は点在していてこれといった温泉街はないのですが、養老渓谷駅に足湯などがあって名物の黒湯を楽しむことができます。

養老渓谷駅

ここには二階トンネルで有名になった向山・共栄トンネルがあります。現在、落石防止用のガードが張られているため風情は減ってしまいましたが、それでも秘境感を楽しめます。

向山・共栄トンネル
中瀬遊歩道

そして、トンネルを抜けると紅葉の名所でもある養老川沿いの中瀬遊歩道があり、その先の車道を進むと清水代隧道があります。著名な素掘りトンネルではないですが、異世界へと繋がるトンネルのようで秘境感が満喫できます。但し、トンネル内もその先も荒道なので、オフ車でなければトンネルの手前にバイクを置いて歩いてトンネル内を散策した方が良いです。

清水代隧道
清水代隧道

再び、向山・共栄トンネルを通って養老清澄ラインに戻り、その先の交差点脇にあります「山の駅 養老渓谷 喜楽里」にて昼食をとった。食事処は蕎麦しかないものの、駐車場の入口に「バイカーのみなさん! 養老渓谷にようこそ」という横断幕があるのが嬉しいです。また同所の裏には川回しでできた遠見の滝があり、山の駅と合わせて楽しむことができます。

「山の駅 養老渓谷 喜楽里」にある養老食堂
遠見の滝

房総最大の1 0 0 m級の滝

さて、山の駅を過ぎてそのまま南下しました。養老清澄ライン(県81号線)をそのまま直進したのですが、交差点から先は県道178号線となり、養老清澄ラインとはまた別の道になります。しばらく走ると養老の滝展望台があり、やがて養老の滝(粟又の滝)の到着すします。駐車場は滝の先にありますが、公共のものはなく、山猫の絵が描かれた駐車場であれば、滝のそばの同茶屋でソフトクリーム(450円)などを食せば停められるので利用するのもありです。

山猫が描かれた喫茶店。ソフトクリーム500円〜

養老の滝(粟又の滝)は房総最大の全長100mの滑滝で、川そばまでいくことができます(無料)が、滑りやすいので注意を。また、周辺には金神の滝や万代の滝など滝が点在しているので時間があれば見て回るのもありです。

養老の滝(粟又の滝)

再び、山の駅のある交差点に戻り、交差する国道465号線を左折。こちらが養老清澄ラインで、やがて、また県道81号線に繋がります。なお、県道81号線に入らずそのまま国道465号線を走ると亀山湖があり、湖畔の水天宮公園からは湖上に浮かぶ赤鳥居を望められるほか、名湯の亀山温泉ホテルもあります(日帰り入浴:1000円)

亀山水天宮鳥居

秘境探訪を楽しむ

さて、国4 6 5 号線から養老清澄ライン(県道81号線)に入り鴨川市へと向かいます。同道は小櫃川沿いを走っていることもあり、川回しが点在しています。紅葉の名所であります白石橋を渡った先の細道に入りますと穴の口という川回しがあります。橋の左先に銀色の階段があり、そこを下ると濃溝の滝に似た川回しを見ることができます。

穴の口

そして、再び県道81号線を南下して少し道を逸れた先には、大きな川回しの甚平穴があります。但し、道中の車の転回スペースから先は未舗装の下りの坂道でオンロードバイクだと転倒必至なため、バイクを降りて歩いて行くことになりますが、少し歩くと左側に芝生の広場があり、そこから草で隠れた木の階段を下りていくと甚平穴に到着します。川面から眼の前に川回しを見ることが出来、秘境感を味わえる場所です。

甚平穴

再び県道に戻り少し走った先に四方木不動滝の入口があります。滝までは狭路になりますが、滝の近くに駐車場があり、そこから歩いて数分で滝壺に行けます。落差10mほどの滝ですが一見の価値ありの美麗な滝です。

四方木不動滝

まだまだある房総の秘境

再び養老清澄ラインを南下すると清澄寺があります。1852年に歌川広重が訪ねて描かれた絵の風景の面影を今も見ることができます。また、境内には樹高約47mの国指定天然記念物の清澄の大スギがあるので、是非立ち寄って見たいところです。

清澄の大スギ

そして、養老清澄ラインを走っていくと清澄山道ループ橋があり、海沿いを走る国道128号線にぶつかります。ここを右に曲がれば鴨川市街に、左に曲がれば小湊に向かいます。鴨川市街での見所は、好景観の鴨川松原と魚見塚展望台です。小湊では日蓮聖人の生家跡に建立した誕生寺と鯛の浦遊歩道で、誕生寺の山門前には足湯(~16時)もあるので、浸かって、ツーリングの疲れを癒すのもありかと思います。

鴨川松原
魚見塚展望台
誕生寺 仁王門

小湊から海沿いの狭路の伊南房州通往還を走りますと、おせんころがしや行川アイランド跡地、守谷洞窟や鵜原理想郷など秘境地が目白押しなので、時間を鑑みつつ立ち寄って見られてはいかがでしょうか。

鵜原理想郷の白鳳岬からの風景
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