GB350とは別キャラクターのバイク
普通免許で乗れるホンダの単気筒バイクのGB350/S。空冷空冷4ストロークOHC単気筒348㎤のエンジンを搭載し、最大出力は15kW[20PS]/5,500rpmを発生。最大トルクは3,000回転で29N・m [3.0kgf・m]を発生させます。
ヤマハのSRのイメージからレトロ的な先入観がありましたが、実際はLEDライトやアナログと液晶を組み合わせたメーターなど、今風の雰囲気を醸し出しています。今回はGB350Sということで、スタンダードのGB350に対して、リアタイヤがワイドになっていたり(150/70R17M/C 69[GB350は130/70-18M/C 63H])、マフラーの形状がバンク角をより深める形状になっていたり、またハンドル位置とメインステップ位置が変更になっていて、よりスポーティな走りを楽しめるスタイルになっています。
イメージ的には両足べったりなのかな…なんて思ってバイクにまたがってみますと、意外とシート幅があり、足が広がる感じです。GB350SはGB350のシートと異なりタックロール風のワディングシートということもありますが、シートに肉厚感があり長距離走行での疲労感は少なそうです。ちなみにシート高は800mmになります。
ポジションは、確かにほぼ殿様乗りに近いGB350に対して、若干、前かがみな感じもあり、シフトペダルのGB350のシーソー式ペダルから、普通のシフトペダルになっています。個人的には慣れているこのシフトペダルの方が好印象です。
メーターは速度計がアナログ速度で、そのほかの燃料計やギアポジション、時計などは液晶ディスプレーで表示される一眼メーターになっています。特にタコメーターは必要と感じないので、シンプルで雰囲気があり、且つ今風で良いメーターと思います。
特に電子システムを搭載していないこともあり、左右のグリップ周辺はシンプルでスイッチも分かりやすいです(Honda セレクタブル トルク コントロールを搭載し、スイッチのON/OFFを選択できます)。
さて、セルを回してエンジンをかけて見ますと、始動性もよく、トトトト…と非常に軽くて小気味な単気筒らしいエンジン音を奏でます。音も静かで、これなら住宅街でエンジンをかけても目くじらを立てられることはないかと思います。
アシスト&スリッパー®クラッチ採用でクラッチも軽く繋げやすいやすいです。アクセルを開けていきますと、ババババ…という音に変化し、この歯切れのいいエンジン音を聞きながら走るのが、このGB350/Sの最大の楽しさのような感じがします。
タコメーターはないですが、最大トルクを 3,000回転 で発生させるということで、そのあたりをキープしてエンジン音を聞きながら走るのが◎。もちろん最高出力も 20PS ということもあり、1速では50km/hで頭打ちをして、2速、3速とギアを上げていきますが、スピードのノリもある程度という感じです。
サスペンションも若干、路面のギャップを拾いがちではありますが、普通に街中で走る分にはソフトで快適に走れます。
今回、高速は乗れませんでしたが、100km/hキープの走行はもちろんできますが、実際に楽しめる速度領域は50km/h~60km/hという感じで、高速を使って長距離のツーリングをするよりは、プチツーリングや街中をのんびりと走るのが楽しめるバイクかと思います。
ちなみに、左側に鍵を差し込める場所があり、一つはヘルメットホルダーで、もう一つはサイドカバーにあり、これでシートを外すの?と思いましたら、サイドカバーが外れるだけでした。
なお、サイドカバーのところを開けるとバッテリーが現れますので、バッテリー交換などはしやすそうです。但し、シートは外れないようで、車検証をここ(サイドカバー内)に入れるために鍵がついているのかな…と思いました。
ちなみにタイヤはGB350ダンロップのバイアスタイヤだったと思いますが、GB350Sはラジアルタイヤのメッツラーのツアランスネクストを装着していました。
バイアスタイヤ→ライアルタイヤほか、シート、マフラー、ショートタイプの樹脂製前後フェンダー、テイスト感のあるオリジナルカラーなど、GB350からの変更点を考えますと、GB350Sが59.4万円でGB350比でわずか44,000円高(2023年5月現在)というのもコストパフォーマンスが高いと思います。
もともと、税込み55万円と比較的リーズナブルなGB350。エンジンやシャシーなどは同様ですが、より走りを楽しむためのポジションと通常タイプのシフトペダル、そして剛性の高いラジアルタイヤ装着を考えますと、両車のキャラクターは異なり、街中やワィンディングのカーブなどでちょっとスポーティな走行をしてみたいという方にはGB350Sの方がお勧めかと思います。
同車の購入を考えていられる場合は、可能でしたら、是非、GB350とGB350Sを乗り比べてから検討されてみられることをお勧め致します。
↓【ご参考に】ホンダGB350インプレッション
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