日本植物園協会ナショナルコレクション認定
埼玉県比企郡滑川町と熊谷市楊井にまたがる国営武蔵丘陵森林公園は、約500品種と関東有数の椿コレクションを有しています。その価値や管理状況等が認められ、 2022年3月28日に『江戸椿を中心とする国営武蔵丘陵森林公園のツバキコレクション』が、公益社団法人日本植物園協会により「日本植物園協会ナショナルコレクション」の第14号に認定されました。2022年12月現在、貴重な古典品種を含む椿が、園内にて咲き始めています。「椿園」および特別開放する「都市緑化植物園 第二苗圃」にて鑑賞いただけます。品種が入れ替わりながら開花が続き、冬から新緑の季節まで長い期間お楽しみいただけます。
埼玉県比企郡に位置し、東京ドーム65個分もの広さを誇る国営武蔵丘陵森林公園は、約500品種・約1800本と関東有数の椿コレクションを有しています。中でも、古典江戸椿として現存する約160品種のうち128品種を保存していることが自慢です。その江戸椿128品種と、その他の貴重な椿18品種が「江戸椿を中心とする国営武蔵丘陵森林公園のツバキコレクション」として「日本植物園協会ナショナルコレクション」の第14号に認定されました。
公益社団法人日本植物園協会が2017年に創設したナショナルコレクション認定制度は、「野生種、栽培種に関わらず、日本で栽培されている文化財、遺伝資源として貴重な植物を守り後世に伝えていく」ことを目的としています。
次世代に残すべき価値あるコレクションとして認められた当公園の椿は、11月下旬から開花しており、品種が入れ替わりながら晩春まで咲き続けます。豪華な重弁の花形や、洗練された美しさを持つ椿を、ぜひご鑑賞ください。
国営武蔵丘陵森林公園WEBサイト:https://www.shinrinkoen.jp/
日本植物園協会ナショナルコレクションとは
日本には6,700種類を超える野生植物が自生していますが、その約1/4が絶滅危惧種に選定されており、また古くに作出された栽培品種の多くも失われつつあります。そのため公益社団法人日本植物園協会は、植物コレクションの認定、保全の制度を2017年に開始しました。審査に合格したコレクションを貴重な植物遺産「日本植物園協会ナショナルコレクション」として認定し、情報を公開、コレクションの橋渡しをすることで、長期間安定した保全を推進しています。
2022年3月28日に第14号として認定されたのが「江戸椿を中心とする国営武蔵丘陵森林公園のツバキコレクション」です。2022年5月17日に開催された日本植物園協会第57回大会において、秋篠宮皇嗣殿下ご臨席の下、認定証と盾が授与されました。
※ナショナルコレクションリリース:
http://www.syokubutsuen-kyokai.jp/nc/dl_files/nc_press_release_220401.pdf
国営武蔵丘陵森林公園の椿コレクション
国営武蔵丘陵森林公園は、約500品種と関東有数の椿コレクションを有しています。そのうち貴重な種として「日本植物園協会ナショナルコレクション」に認定されたのは、「江戸椿128品種」と「その他の18品種」を合わせた146品種です。
●江戸椿 128品種
椿は日本原産で、古くから日本人に親しまれてきました。特に、二代目将軍徳川忠秀は椿を好み、全国から椿を集め江戸城に植えたことから、諸大名そして庶民の間でも流行するようになりました。
江戸椿とは、元禄・文化文政の期間に、主に染井村(現在の豊島区)で作られた豪華な重弁の花や、洗練された美しさを持つ多彩な品種の総称です。明治に入り、植木職人・伊藤小右衛門らによって木板一枚刷りで発行された「椿花集」では、江戸椿を花形別に分類し約200品種がまとめられています。
当公園では、日本ツバキ協会と連携し、この「椿花集」をもとに品種の同定を行っています。現存する江戸椿約160品種のうち、8割にあたる128品種を保有しています。
<中でも貴重な品種をご紹介>
・江戸七木の‘沖の浪’(おきのなみ)
・江戸五木の‘唐錦’(からにしき)
・シーボルトが‘トライカラー’と名付けて持ち帰った‘蝦夷錦’(えぞにしき)
・「椿花集」で新花の部に載せられている‘紫椿’(むらさきつばき)他では類を見ない典型的な紫色を帯びた淡紅
●江戸椿以外の貴重な品種 18品種
江戸時代の園芸ブームの先駆けとなった椿。全国各地で特徴のある品種が作出されました。
<中でも貴重な品種をご紹介>
・尾張の‘紅妙蓮寺’(べにみょうれんじ)
・久留米の古種でシーボルトが持ち帰り欧米諸国で人気を集めた‘正義’(まさよし)
・近年長崎県五島列島で見出された‘玉之浦’(たまのうら)
・学術的に貴重なユキツバキとチャの自然雑種である‘炉開き’(ろびらき)
園内2ヶ所の椿の見どころ
■椿園
最寄:南口徒歩約15分
公開:通年
■都市緑化植物園 第二苗圃
最寄:中央口徒歩約15分
公開:11月中旬~4月中旬 ※期間限定
椿園では広い松林の下、自然樹形で咲く姿をご覧いただけます。また、期間限定公開する都市緑化植物園 第二圃場では、高さを抑えて剪定し、目線の高さで間近に花を鑑賞いただけるように仕立てています。
品種が入れ替わりながら花期長く咲き続けますが、もっとも華やかになるのは桜が咲く頃です。
貴重な品種の違いを眺めながら、ぜひ自分好みの品種を見つけてお楽しみください。
椿コレクションを後世へ残すための取り組み
園内の2ヶ所で貴重な椿の品種を保有しリスク分散しています。また、樹勢が弱い品種や貴重な品種を選別し、挿し木繁殖を行い保全しています。椿を担当する植栽スタッフが長期的に維持管理に携わるようにし、その質を維持するため技術の継承に努めています。
多くの方に椿の魅力を知っていただくため、専門家による無料のガイドツアーや、椿をテーマとしたワークショップを行っています。多くの品種が開花する3月からは、企画展も開催予定です。
イベントの詳しい情報は公園WEBサイトをご覧ください。
https://www.shinrinkoen.jp/?p=we-page-eventlist&eventlist=26085&type=event&nav=none
国営武蔵丘陵森林公園 概要
国営武蔵丘陵森林公園は、明治の偉業をたたえる記念事業の一環として、武蔵野の面影を残すロケーションを活かし開園した全国で第1号の国営公園です。自然を失いつつある都市の住民が緑を通じて人間性を回復する場を確保するため、国は明治百年を記念するにふさわしいものとして設置されました。
東京ドーム65個分もの広さを誇る園内には、日本一大きなエアートランポリンの「ぽんぽこマウンテン」やアスレチックコースなど、家族で体を思いっきり動かして遊べる遊具がたくさんあります。また、都市緑化植物園では、四季折々の風景や木々、草花もお楽しみいただけます。
※エアートランポリン「ぽんぽこマウンテン」は修繕工事のため2023年2月下旬頃まで利用を中止しております。
※新型コロナウイルス感染予防のため、ご来園・ご下見の際は、手洗いやうがいの励行 および 咳エチケット、草花観覧の際にお客さまと十分な距離を取っていただく等、感染拡大防止の取組みをお願いいたします。
<開園時間>
・12/1~2/28…9:30~16:00
・3/1~10/31…9:30~17:00
・11/1~11/30…9:30~16:30
<休園日>
・年末年始(12/31、1/1)
・6月1日~7月20日、12月1日~12月30日、1月4日~2月末の毎月曜日(月曜日が祝日の場合はその直後の平日、ただし火曜日が祝日の場合はその前日の月曜日は開園し、祝日の翌日休園)
・1月第3月曜日~金曜日
<アクセス>
●東武東上線「森林公園」駅より北口バスのりば
・「森林公園南口行(土・日曜、祝日のみ運行)」乗車、終点で下車すぐ
・「熊谷駅南口行」または「立正大学行」乗車、「森林公園西口」で下車すぐ
または「滑川中学校」で下車し徒歩約5分
●JR高崎線「熊谷」駅より南口バスのりば
・「森林公園行」乗車、「森林公園西口」または「森林公園南口入口」下車すぐ
お問い合わせ先
国営武蔵丘陵森林公園 管理センター
運営管理:森林公園里山パークス共同体
(代表企業:一般財団法人公園財団、構成員:西武造園株式会社、株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド)
住所:埼玉県比企郡滑川町山田1920
TEL:0493-57-2111
WEBサイト:https://www.shinrinkoen.jp
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