データから読み取る、コロナ禍からのクチコミシェアの変遷
TrustYou (トラスト・ユー) GmbHの日本法人であるTrustYou株式会社 は、「クチコミデータから読みとる旅行行動の変化」と題して宿泊ゲストの声であるクチコミ(レビュー)を定量化したデータから旅行業界に有益と思われるデータを公開する取り組みをしています。今回は、下記のデータをご紹介します。
2023年「サイト別クチコミシェア トップ5」および「サイト別クチコミシェアの分布図」
TrustYouでは日本国内の宿泊施設に関するクチコミ(レビュー)がどのサイトにどの位集まっているのかを調査し、その割合(シェア)を年に1度グラフでまとめています。
上記の棒グラフ「サイト別クチコミシェア トップ5」では2021年、2022年および2023年に日本国内の宿泊施設に関するクチコミを最も収集しているサイトのトップ5とそのシェア(割合)の推移を示しています。2023年は 1位 Booking.com 、 2位 Google 、 3位 Agoda 、 4位 楽天トラベル 、 5位 じゃらん.net となっています。円グラフ「サイト別クチコミシェアの分布図」では全体の割合を表示していますが、2023年の国内OTA(旅行予約サイト)のクチコミシェアは全体の 16% となっています。
※インサイト(データからの考察)
1)GoogleおよびBooking.com上のクチコミが全体の56%を占めており、コロナ前の2019年よりこのトレンドに変化はありません。
2) 2022年に第6位であったAgodaが3位に浮上、クチコミ件数の増加傾向が顕著でした。
3) 国内OTA(旅行予約サイト)のクチコミシェアは全体の16%と2022年の26%からシェアが減少しています。
4) 左の図「サイト別クチコミシェア トップ5 」の赤い折れ線は1年間のクチコミ数の推移を示しています。2022年は前年比60%増、2023年は前年比48%増となっています。
コロナ禍を経て、全体的にホテルの稼働とクチコミ数が増えるにつれ、海外OTAのクチコミシェアが増加しました。特に2022年以降のインバウンド旅行者の増加が海外OTAのクチコミシェア増大に寄与しています。
TrustYou株式会社代表取締役の志和孝洋は次のようにコメントしています。
「2023年の訪日外国人は2506万人でコロナ前2019年の8割に回復したのに対して、訪日外国人の延べ宿泊者数は2019年とほぼ同水準になる見込みです(観光庁データ※2024年2月26日現在の第一次速報値を含むデータより)。特長として、滞在日数が長く高単価な欧米の利用者が増えADR(平均客室単価)が上昇し、円安の影響もあり消費額は政府が目標として掲げていた通年5兆円を初めて突破しました。Booking.comやAgodaのような海外OTAのクチコミ数が、2022年と比べ大きく伸びたようです。訪日外国人が宿泊後に投稿するクチコミ評価は、依然として日本人のクチコミ評価に比べ高い評価になっており、多くの外国人を集客できた宿泊施設のクチコミ評価は全体的に高まった可能性があります。
弊社TrustYouが利用している試算では、100点満点中1点クチコミの点数が上がるとOCC、ADRやRevPARが上がる、というデータがあり、投稿されたそれら訪日外国人ゲストのクチコミが売上拡大に寄与したと考えています。今後の集客促進の一つとして戦略的にクチコミ分析を実施いただきたいと考えています。」
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