高原野菜畑や樹々に囲まれた爽やかな道を、その山裾を望み見ながら走る八ヶ岳山麓。信州の他アルプス山麓と違う雰囲気や風景を楽しめる場所です。
新緑の頃か、紅葉時の来訪がお勧め
信州の東に位置している八ヶ岳は、中京圏や近畿圏からだと遠く感じますが、首都圏から中央道を走ると、南アルプスと共に一番最初に出会う信州の景観になります。
八ヶ岳とは、2899mの赤岳を最高峰とする山々の総称で、高い峰々が空に浮かぶ各アルプスと違って、山裾が秀麗なのが特徴です。そして、高速からアクセスがいいのも嬉しいです。
須玉ICを下り、瑞牆山方面へ行く途中で、突然、富士山の絶景が。予想だにしない景色に会えるのもツーリングの醍醐味です(オギノ須玉店付近)。
国天然記念物の樹齢八百年の大ケヤキが本殿を挟んで対になってそびえる根古屋神社。古くより同ケヤキを見てその年の稲の作柄を占っているそうです。
山梨県道610号線沿いみずがき湖の近くにある神部神社。何気ない場所に現れる、その時にしか見れない絶景に会えるのも嬉しいです。
お勧めの絶景ポイントは平沢峠。眼前に八ヶ岳の秀峰を望むことが出来て、しかも、道沿いにあり、とても至便です。
そして、平沢峠のすぐ隣りにある黒い岩のしし岩にも、是非、立ち寄りたいdす。ここからも素晴らしい八ヶ岳の絶景を望むことができるのはもちろんのこと、甲斐駒ヶ岳や富士山に次ぐ国内第二位の標高の北岳などがある南アルプスの景観がとても綺麗に見えます。
また、清里にある美し森展望台からも好景観を望めます。無料の駐車場から急な木の階段を登るため息は切れますが、八ヶ岳と南アルプス、好天ならば富士山も含めたパノラマ絶景を見ることができ、「日本一おいしい」ソフトクリームも食べられます。
なお、周辺には、直径45mもの電波望遠鏡がある野辺山宇宙電波観測所やJR鉄道最高地点(1375m)、ソフトクリームが美味しい清泉寮などがあり、ぷらっと立ち寄ってみるのも楽しいです。
ただ、八ヶ岳南麓の清里から小渕沢にかけては長野県ではなく山梨県と言う事で、長野県イコール信州となると微妙に信州からは外れるのかもしれません。
ちなみに、平沢峠は長野県で、美しの森は山梨県。実は、行き交う主道は無いものの長野県の東端は埼玉県に接していて、長野県内に奥秩父山地までも含まます。その奥秩父山地の山梨側にある瑞牆山は、全山が花崗岩で出来ていて、麓の自然公園からは荒々しい奇勝を間近に見ることができ、ツーリングにお勧めのスポットです。そして、クリスタルラインを走り県道601号線に入り北上すると、これ見よがしに信州峠という峠があり長野県道に変わります。
さて、爽快な走りを楽しめるのが、全線山梨県内にはなりますが、清里と小渕沢を繋ぐ約22kmの八ヶ岳高原道路です。樹々に囲まれ展望はあまり望めませんが、逆に爽やかな風が吹き抜ける中、平坦路でアップダウンやヘアピンが少ないため、マイペースで走りを楽しめます。また、戦国史好きにお勧めなのが鉢巻道路。なんとこの道、甲斐の戦国武将の武田信玄が信州攻略のために作った軍用道路の信玄棒道がすぐそばを数キロに渡り並行して走っていて、棒道を武田騎馬隊が走っている様を想像しながら一緒に走っている感を味わえます。そこから八ヶ岳エコーラインを走れば、ビーナスラインへと繋がります。
そして、茅野市から八千穂高原へと八ヶ岳を横断する道が国道299号線。通称メルヘン街道と呼ばれていて、日本の国道で二番目に標高が高い麦草峠を越えるためヘアピンが続き、茅野市側は比較的道幅が狭くローギアを多用しますが、八千穂高原側は道幅もあり走りやすいです。ただ、高所ながら樹々に囲まれた道のため景観が開けず、基本的には麦草峠の標高看板と白駒池を見に行く道と割り切った方が良さそうです。
樹々の中を走る八ヶ岳高原ライン、メルヘン街道ともに、夏の新緑の頃から樹々が色付け紅葉時にかけての時期がお勧め。ビーナスラインや志賀草津のような山上を走るのとはまた違う味わいが楽しめる樹林の中を走り抜ける爽やかなツーリングエリアです。
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