■箱根・湯河原(ツーリングルート)

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国内屈指のワインディングロードパラダイス

多くのワインディングロードが交差する箱根。箱根自体はエリアが限られていて観光地のため、ツーリングの時は伊豆戸を繋ぐ通過点になりがちですが、歴史ある町には多くの史跡や、富士山の眺望のよい絶景地などが点在していて、首都圏はもとより遠州や中部エリアからも楽しめること請け合いのエリアです。でも、やはり走るのが楽しい、国内屈指のワインディングエリアです。

大観山パーキングより

総走行距離~約82km

アクセスする場所、方向によって起点は異なりますが、今回は都心からのアクセスということで小田原厚木道路の小田原西ICを起点と致しました。ちなみに、小田原厚木道路は70km/hで取り締まりが多い道ですので、速度の出し過ぎには注意を。また、小田原西ICの分岐のところで、結構距離がある前の方から左車線のターンパイク方面と右車線の箱根新道方とに分かれますので、標示案内が出たら各々の車線に入った方が良いです。

また、東名高速道路の海老名JCTより首都圏中央連絡自動車道の茅ヶ崎海岸ICで下りて、そのまま海沿いの国道134号線を左折して、国内でも有数のシーサイドロードであります西湘バイパスからのアクセスするのもお勧めです。

①西湘バイパス

さて、小田原厚木道路の小田原西ICで下りて(もしくは西湘バイパスから下りて)、箱根ターンパイクに入ります。箱根ターンパイク(正式名称は、アネスト岩田 ターンパイク箱根になります)は有料道路で550円かかりますので、箱根峠まで無料で行ける箱根新道(国道1号線バイパス)もお勧めですが、今回は椿ライン等を走るルーティングのため、ターンパイク経由でルーティングさせて頂きました。また、早川から大観山を結ぶ箱根小田原本線区間は約14kmの道ながら、好景観が望める展望台や国内有数のワインディングロードということを考えますと、個人的には550円は決して高くはない値段設定かと思います。

②アネスト岩田 ターンパイク

さて、箱根ターンパイクに入る前にお勧めの場所が2か所。1か所目は箱根ターンパイクの早川口の入口のすぐそばにあります、干物の山安(ターンパイク店)。店内で干物類を購入することが出来ますが、もし、11時~14時30分(ラストオーダー)であれば、2Fの山安食堂がオープンしていて各種干物の定食などを良心的な価格で食すことが出来ます。

山安食堂 鯵の干物定食(800円)

また、ターンパイクに入る道より海側の道(案内板あり)から坂を上りますが、少し走りますと石垣山城跡があります。歴史好きの方ならご存じかもしれませんが、1590年に全国統一のために、豊臣秀吉が難攻不落と言われた北条氏の居城の小田原城を攻城するために一夜(ではないですが)で作ったと言われる城跡です。史跡もいいですが、少し歩きますが、本丸跡近くの展望台から西湘の海岸の好景観を望むことが出来ます。なるほど、さすがは豊臣秀吉公、ここに、かの伊達政宗が白装束をまとって同じ景色を見たのかと思うと感慨深いです。

石垣山からの眺め

さて、箱根ターンパイクですが、あまりに爽快な道のため、どうしても走りで気持ちが紅葉して、大観山までの約14kmをノンストップで走り切ってしまいがちですが、ツーリング的には道中にお勧めの展望台が2か所あります。1か所目は早川口(小田原料金所)から5kmほどのところにあります湘南ビュー展望台で、ちょっと茂みで見づらいですが上記の石垣山からの眺めと同じ景観を見ることが出来ます。そして2か所目は小田原料金所から11kmのところの大観山に近い未舗装の駐車場がある白銀展望所で、相模湾に浮かぶ初島の好眺望を望むことが出来ます。

白銀展望所

もちろん、終点の大観山パーキングエリアから見る芦ノ湖も絶景です。大観山スカイラウンジ内では軽食も取れるので、休息ポイントにお勧めです。

大観山からの景観

大観山パーキングから椿ラインを右折して、そのままターンパイクの箱根伊豆連絡船には入らず進みますと、少し分かりづらいですが、箱根新道方面に向かわず道なりにまっすぐ進みますと、芦ノ湖湖畔に出ることが出来ます。箱根というエリア自体が広くは無いので、今回は大観山パーキングから左折して、湯河原に向かって椿ラインを下るルーティングをご案内したいと思います。

③椿ラインのピンカーブ

芦ノ湖畔から湯河原を結ぶ約25kmの山岳路で、道中にはかながわの景勝50選に選ばれた「椿台」という椿の名所があります。沿道には多くの椿が植えられ2月から4月にかけてが見頃です。全線二車線のほぼ追い越し禁止の道で、景観はあまりなくまた直線路もほぼ無くほとんどカーブばかりという走り好きの方が好む道ですが、道幅もさほど広くなくタイトカーブが多いので、(特に下りは)大型バイクだと少しストレスを感じるかもしれません。無料ですが、飛ばしてくる車やバイクが多いのでご注意を。制限速度は30km/hです。

しとどの窟

ちなみに、椿ラインの道中には、前出の椿台という休息が出来る展望地や、また、少しあるきますが、しとどの窟という源頼朝が身を隠したといわれる雰囲気のある洞窟などがあります。また、箱根レーダー局のバス停付近に岩肌がむき出しになっている場所があり、いつもは普通の岩肌ですが、大雨の日や大雨が降った後にだけ幻の滝が現れますので、雨後のツーリングの際は、是非、バイクを止めて眺めてみてはいかがでしょうか。

湯河原の幻の滝

さて、椿ラインを下りて奥湯河原温泉街に入り藤木川沿いの県道75号線を走りますと、道から川越しに五段の滝が見れます。そして、しばらく進みますと、無料の駐車場にバイクを止めて階段を2~3分登る必要がありますが、不動滝という風情のある滝を見ることが出来ます。再び、川沿いの道をバイクで下ると、また川越しにだるま滝という滝を見ることが出来ます。

不動滝

そのまま湯河原の温泉街の風情を楽しみながらバイクを走らせて、万葉公園に到着。日本の歴史公園100にも選ばれています駐車場完備の同公園内には、滝のある渓流や日帰り温泉小米の湯、足湯群や茶屋などがあり、立ち寄りにお勧めです。また、湯河原温泉街には日帰り温泉施設もありますので、旅の道中でのひとっ風呂にもお勧めの場所です。

万葉公園

その他、駅の方に向かいますと、約300年前に造られた陶製の首だけの大仏様が境内に鎮座する本堂が茅葺きの福泉寺がありますので、ご参拝と合わせて立ち寄ってみるのもありかと思います。

首だけ大仏(福泉寺)

そして、東海道新幹線の高架の手前でオレンジラインという眺めの良いバイパス道に入り再び椿ライン方向に戻り、今度はそのまま十国峠方面へ真っすぐに進み湯河原パークウェイに入ります。奥湯河原温泉と湯河原峠を結ぶ約5.7kmの有料道路の湯河原パークウェイは似たような区間を走る椿ラインと違って有料(340円)のため、車通りも少なく、また、カーブも椿ラインほど多くなく走りやすい道です。但し、やはり景観が無いのと、道中に名所も無いので、あくまで移動のための道といった感じですが、有料道路ということもあり、椿ラインよりは路面状況も良く道幅もあり、大型バイクでも爽快に走れる道です。

④湯河原パークウェイ

湯河原パークウェイの料金所を過ぎ左折すると十国峠経緯で伊豆スカイラインに入りますが、今回はここを右折し箱根峠方面に向かいます、すぐそばにライダースカフェのバイカーズパラダイス南箱根があり、そのまま箱根峠までの道中からは好天でしたら富士山の好眺望を望むことが出来ます。そして、そのまま芦ノ湖スカイラインにも入れますが、湖畔が混まない平日で、且つ時間があれば一度芦ノ湖湖畔に下りてみられることをお勧めします。

芦ノ湖

観光地のため、人や車が多いですが、ここは是非、箱根神社に立ち寄って参拝したいところです。神社の周辺には風情のある巨木のスギの並木があり、また参拝用の無料駐車場があり、本殿を参拝したり、湖上に立つ赤い鳥居を見たりすることができます。ちなみに週末には湖上の鳥居前は撮影待ちの列が出来る場合もあります。

箱根神社の湖上の平和の鳥居

そのまま、湖畔を進み、箱根園のロープウェイや九頭竜神社本宮、そして、少し先の大涌谷などの箱根の名所を楽しむルートもありますが、今回は、箱根神社からまた戻り、余裕があれば箱根の関所に立ち寄り、再び箱根峠に戻り、芦ノ湖スカイライン(300円)に入ります。

箱根関所

有料道路ですが、道幅が広く走りやすい中速コーナーの多い峠道で、富士山の景観を望みながら走れる国内有数のワインディングロードです。箱根に来て好天でしたら、是非、走ることをお勧めしたい道です。

⑤芦ノ湖スカイライン

道中には、杓子峠や三国峠などの富士山の好景観が望めます展望所があるほか、芦ノ湖カレーなどが食せますフジビューや芦ノ湖の景観を望めるレイクビューなどのレストランもあります。

杓子峠
三国峠

そのまま箱根スカイライン(260円)に入りますが、箱根スカイラインには入らず右折して芦ノ湖北湖畔経由で大涌谷や仙石原などの箱根の観光名所を見て、道は混みますが、箱根湯本経由で帰路に着くというルーティングもあります。

大涌谷

箱根スカイラインも有料道路で、芦ノ湖スカイライン同様に走りやすいワインディングロードですが、道中からの景観自体は芦ノ湖スカイラインほどは良くなくて、箱根芦ノ湖展望公園や富士見ヶ丘公園など立ち寄って、バイクから下りて高台に上ってその景観を楽しむ必要があります。

⑥箱根スカイライン

箱根峠の終点からはそのまま狭くて細かいカーブが続き県道401号線を走るか、右折して長尾峠下のトンネルを超えて県道736号線(道中に長尾峠の露頭という地層が見れます)経由で国道138号線を降りて行くルートの2通りがありますが好き好きで。走り好きなら路面状況はイマイチですが県道401号線へ、景観(長尾峠下トンネルを超えるとすぐに大涌谷の遠望が望めます)や名所(長尾峠の露頭)を見て細かいカーブに緊張せずに帰るには国道138号線で変えられることをお勧め致します。そのまま御殿場市に出て東名高速道のご電場ICに入ることが出来ます。

ちなみに、両道どちらでも立ち寄れますが、「乙女の鐘」からは、富士山の好眺望が望めるほか、道を挟んだ場所には「富士八景の湯(1200円)という温泉施設もあります。

乙女の鐘

今回のルートは有料道路を4か所(ターンパイク、湯河原パークウェイ。芦ノ湖スカイライン、箱根スカイライン)走りますため出費(計1,450円)になりますが、その価値ありの爽快な走りと景観が臨めると思います。

[箱根周辺のお勧めロード]

①西湘バイパス[有料]~神奈川県の大磯町と小田原市間の約20kmを結ぶ、海沿いを走る自動車専用道路。椿料金所:210円。国府津料金所:110円。石橋料金所:160円。

②アネスト岩田 ターンパイク:箱根小田原本線[有料]~約14kmの箱根有数のワインディングロード。私道であり、中高速のカーブが多いの速度超過には注意を[550円]。

③椿ライン~芦ノ湖湖畔か奥湯河原温泉を繋ぐ約19kmの低中速のカーブの多いワインディングで、道中のツバキは2~4月が見頃です。路面状況が今一つでヘアピンカーブも多いので特に下りはスピードを出し過ぎないようにご注意を。

④湯河原パークウェイ[有料]~奥湯河原温泉と湯河原峠とを結ぶ約6kmの有料道路。車通りも少なめで中速カーブが多いことから椿ラインに比べて大型バイクでも走りやすいですが、逆にこれと言って特徴的な部分や景観が少ない、若干存在感が薄い道です[340円]

⑤芦ノ湖スカイライン(一般区間)[有料]~箱根峠と湖尻峠を結ぶ全長10.7kmの有料道路で、中高速のコーナーが多く路面も良くて走りやすく、富士山の好景観も望め、爽快に走れるワインディングロードです[300円]。

⑥箱根スカイライン[有料]~湖尻峠と長尾峠とを繋ぐ約5kmの道で、中速コーナーメインのワインディングロードです。芦ノ湖スカイラインに比べて、富士山の眺望は乏しいですが、芦ノ湖スカイラインと合わせると約16kmの爽快なワインディングロードを走ることが出来ます[260円]。

⑦アネスト岩田 ターンパイク:箱根伊豆連絡線[有料]~椿ラインと湯河原峠を繋ぐ約1.3kmの道。距離は短いですが大観山と伊豆スカイラインのアクセスをショートカットするのに有用な道です[130円]。

⑧箱根新道~箱根町の湯本から箱根峠を結ぶ国道1号線のバイパスで、約14kmの自動車専用道路ですかなり勾配があり、ところどころに退避所が設けられています。主要道のため車通りも多く、追い越し禁止で追い越し車線もありますが、トラックなどの後ろで渋滞になることが多々あります。

⑨旧東海道(県道732号線)~箱根新道と並行して走る旧道で、道自体はあまり路面状況も良くなく走っていて爽快感は少ないですが、石畳や一里塚、茶屋など風情ある史跡を楽しめる歴史感がある街道で、急勾配のヘアピンが続く七曲りが名物。4月1日~11月30日の土日・休日の8:00~15:00に限り排気量550cc未満の自動二輪車が通行禁止です。

⑩国道1号線(箱根峠~三島塚原IC)~箱根峠から三島方面に下りる時に限り、いきなり視界が開けて三島市、沼津市の平野部の好景観を望めます。ところどころに追い越し区間はありますが、幹線のため車通りが多く、渋滞に引っかかる可能性が高いです。道中には山中城跡や三島スカイウォークがあります。

⑪御殿場箱根線(県道401号線:深沢東交差点~長尾峠)~箱根スカイラインの起点である長尾峠から御殿場方面に抜ける県道401号線で、細かい低速カーブが続くワインディングロードです。路面状況も悪く、ブラインドコーナーも多く景観も無いため走りの爽快感は薄いですが、意外と車通りが少ないのが○です。

実走ガイド

足柄・箱根 峠探訪その2(トライアンフ ボンネビルT120)

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