青森県の津軽エリアに古くから残る武家屋敷、湯治文化、33カ寺が並ぶ街並みなど。地元ガイドと巡るまちあるき、その土地ならではのイベントやツアーを企画

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青森県津軽エリアの歴史や文化を体験できる75のイベントを行う「古津軽ウイーク2024」。古都を巡るテーマから3つをピックアップ

古き良き暮らしや文化が残る青森県・津軽エリアを掘り下げ、旅をする楽しみだけでなく、学びの場としても提供する「古津軽ウイーク」。75のイベントを用意し、食や伝統工芸、歴史に触れるさまざまな体験ができます。今回紹介する3つのプログラムは、「古」をテーマに、地元のガイドから方言で語ってもらったり有識者から解説してもらったりするスペシャルな企画です。古津軽では今後も津軽エリアの新しい楽しみ方や観光スタイルを提案していきます。

サラリーマン武士はつらいよ

弘前藩の城下町として栄えた青森県弘前市には、今なお江戸時代の街の名残が各地に残っています。弘前城の正門だった北門近くには城の有事に備えるための武士たちが集められた武家屋敷街があり、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。サワラの生垣や点在する門、板塀が残り、当時の景観や武士の暮らしぶりがわかることが選定された理由。そんな街並みを地元の案内人と散策。華やかなイメージがある武士の生活とは裏腹に、一介の武士たちの質素で慎ましい生活をお宅から感じることができます。

当時の景観を残す貴重な街並み。通りからは津軽富士・岩木山が見えるロケーション

武士の暮らしぶりを感じたあとは、弘前市の隣、平川市に移動して日本庭園鑑賞です。東京での講演ではすぐに席が埋まってしまったこともあったという弘前文化財保存技術協会の今井二三夫氏から大石武学流庭園について講演。会場となる庭園は明治時代の三名園になったとも言われ、和洋折衷様式の建物が特徴の国指定名勝「盛美園」。3600坪(1.2ヘクタール)の日本庭園を実際に鑑賞しながら、津軽エリアの独特な歴史や文化を学びます。

盛美園は武学流の真髄を示した名園のひとつ。洋館は映画『借りぐらしのアリエッティ』のモデルになったと言われる

2つの「古」を感じるバスツアーでは、「津軽あかつきの会」が用意する津軽塗の重箱に詰め込まれたお弁当を用意します。「津軽あかつきの会」は、津軽地方に残る伝承料理を後世に伝えていこうと発足した「かっちゃ(方言で「お母さん」の意味)」たちの集団です。今では予約は半年待ちとも言われ、そんな貴重な弁当を食べることができます。また、お土産に地酒「豊盃鬼コラベル」をプレゼント。津軽エリアの食も感じられるプログラムです。

「津軽あかつきの会」が用意するお弁当。料理の一例で、季節によって食材は変わります

古津軽ツアー「秋の古津軽 弘前藩サラリーマン物語と大石武学流庭園〜津軽の地酒とともに

開催日時 2024(令和6)年9月21日(土) 12:00〜20:30

参加費 青森駅発着=13,000円、弘前駅発着=11,000円(定員25人)※地酒付き

集合場所 JR青森駅、新青森駅、弘前駅城東口

予約 また旅くらぶ(TEL 017−752−6705)

問い合わせ 青森県中南地域県民局地域連携部(TEL 0172−32−2407)

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まるでお寺ストリート?連なる寺院の街道

弘前公園近くにある「禅林街(ぜんりんがい)」は曹洞宗寺院のみ33カ寺が約600メートルの道沿いに連なる、全国でも珍しい寺街です。外からの敵の侵入に備えた枡形(ますがた)が設けられ、土塁なども残っています。そんな江戸時代の名残がある場所を散策しながら、途中に立ち寄る寺院で坐禅体験をするのが、この企画。坐禅は初心者でも参加できるように、住職から座禅の作法を習い、ありがたいお言葉も? 城を守るため、今でいう区画整理された街並みが、弘前の歴史にどのような変化をもたらしたのか。東北に2つしか残っていない「栄螺 (さざえ) 堂」も必見です。

弘前城の南西、風水でいう裏鬼門の方角にあり、津軽一円から集められた33もの寺院が並ぶまさにお寺ストリート

古津軽さんぽ「禅林街界隈と坐禅体験」

開催日時 2024(令和6)年10月5日(土) 13:00〜16:00

参加費 2,500円(定員2〜10人)

集合場所 弘前市立観光館インフォメーションカウンター

予約・問い合わせ 弘前観光コンベンション協会(TEL 0172−35−3131)

https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenmin/ch-renkei/files/3week2024.pdf

郷愁を感じる温泉街のロマン

青森県黒石市には4つの温泉郷があり、湯治場として古い歴史があります。「温湯(ぬるゆ)」は、現在に湯治場としての歴史を伝える古い温泉街が残り、訪れる人の郷愁を誘います。客舎文化もその一つ。多くの湯治客が泊まった後藤客舎は120年以上の歴史がある古い建物。昔ながらの湯治スタイルで宿泊もでき、近年ではリピーターが現れるなど温泉ファンたちの間でも静かな話題を集める宿場です。

ノスタルジックな風情溢れる温湯温泉入り口のゲート
木造の宿泊施設で中庭にも建物がある後藤客舎。風呂はなく、宿泊者は共同浴場まで入りに行く

そんな温泉街を、当時のことをよく知るガイドさんたちと散策し、湯治文化の魅力を学べるまちあるき企画です。癒しを求めて遠方から訪れた湯治客と津軽の女衆たちの間に、恋の出会いもあったとかなかったとか。地元の伝統的なおやつ(がっぱら餅など)を食べながら街に残る雰囲気を感じることができる貴重な機会です。

温湯の温泉街をガイドさんとまちあるき

古津軽さんぽ「食べて、笑って、癒される〜津軽女衆と温湯客舎湯治ものがたり」

開催日時 2024(令和6)年10月5日(土) 10:00〜11:30

参加費 2,000円(定員2〜10人)※農家のおやつ付き

集合場所 山形公民館前(黒石市温湯派15-1)

予約 黒石観光協会(TEL 0172−52−3488)

問い合わせ 青森県中南地域県民局地域連携部(TEL 0172−32−2407)

https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenmin/ch-renkei/files/14week20243.pdf

古津軽とは

青森県中南地域県民局地域連携部が管内7市町村(弘前市、黒石市、平川市、藤崎町、大鰐町、西目屋村、田舎館村)、板柳町、鶴田町にある歴史や文化、風習・習慣などを県内外に発信し、新たな観光ブランドにすることを目指す取り組み。

https://kotsugaru.com

古津軽サイトビジュアル

古津軽ウイーク2024とは

2024(令和6)年10月10日まで行われる津軽の魅力を体験できる75のイベントを集中的に実施する期間。津軽エリアの歴史や建築物、食や暮らしといったさまざまなコンテンツを用意。2022(令和4)年から始め、今年で3回目。期間中にイベントに参加すれば豪華景品が当たるキャンペーンを開催します。

https://kotsugaru.com/kotsugaruweek/index.html

古津軽ウイークのビジュアル

古津軽さんぽや体験、食などの「古津軽」を楽しむ40日間。青森を象徴するリンゴだけでなく、色づく田園風景とレトロな列車、こけしや洋館、金魚ねぷたなど、津軽地方の要素を散りばめました。ビジュアルの鬼は津軽地方では「鬼コ」と呼ばれ、神社の鳥居に設置されていることが多く、地元住民から親しまれています。

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