世界ジオパークと富士山の競演絶景
箱根から直接アクセスが可能な伊豆スカイラインや西湘から入りやすい熱海などの著名地がある東伊豆に比べて、高速のICからのアクセスも今一つで特に首都圏側からだと遠く感じてしまいます西伊豆。しかし、東の伊豆スカイラインに匹敵する西伊豆スカイラインがあるほか、車の多い東海岸とはまた違う、風光明媚な場所が多いのが西伊豆の魅力です。そして、世界ジオパークにも登録されています台地の息吹や奇勝奇岩の数多くの景観を見れます景勝満載エリアです。但し、土肥から沼津までの海岸線沿いの道は狭く曲がりくねった道が多いですので、走行にはご注意を。
総走行距離~約155km
西伊豆スカイラインと伊豆半島の西海岸線沿いを走るルートで、右回りでも左回りでもどちらでもルーティングできます。右回り(時計回り)ですと海岸線沿いに富士山が、左回り(反時計回り)ですと西伊豆スカイラインを走りながら富士山を見ることが出来ます。今回は、より海の近くを走れて、海沿いのいろいろな富士山とのコラボ景観が楽しめる右回り(時計回り)のルートでご紹介致します。
中伊豆・南伊豆(ツーリングルート)と同様に、東名自動車度の沼津ICか新東名自動車道の長泉沼津ICで下りて、そのまま伊豆縦貫道に入ります。そして修善寺ICで下りて県道18号線に入り修善寺温泉街へと向かいます。
修善寺温泉~伊豆半島の北部にある歴史ある温泉で、日本百名湯にも選ばれています。温泉街の中心には修善寺川が流れていて、川中の四阿には同温泉のシンボルでもあります無料足湯の独鈷の湯があります。多くの文人も訪ね、最近ではSNSで竹林の小径が注目を浴びました。
修善寺は、桂川沿いを中心にお店が並ぶ温泉ですが、どちらかというと観光で来る方も多く、浴衣などで闊歩しているかも少なく、車通りもあるため風情は薄いですが、町にの中心の修禅寺のほか、昨今、SNSで人気の竹林の小径や修禅寺に幽閉された鎌倉幕府二代将軍の源頼家のお墓がある源氏公園などがありますので、近場の駐車場にバイクを止めてぷらぷらと散策を楽しまれるのをお勧め致します。
さて、修善寺を後にして、そのまま県道18号線を西上しますと、やがて、駐車場のあります、だるま山高原レストハウス(達磨山展望台)に到着します。ここから駿河湾越しの富士山の好眺望を望むことが出来、レストハウスもありますので休息することが出来ます。
そして、戸田峠で県道127号線を左折して、西伊豆スカイラインに入ります。
西伊豆スカイライン~静岡県伊豆市の戸田峠から船原峠(土肥峠)を繋ぐ県道127号線、約10.8kmの名称で尾根を走る道のため視界が良く爽快で、中速コーナーが続くためビッグバイクでも楽しく走れます。道中各所に駐車場があり、好景観を望むことが出来ます。
山の尾根伝いに走る西伊豆スカイラインは景色も良く、車通りも少ない上に、爽快な走りを楽しめる、東の伊豆スカイラインに勝るとも劣らない伊豆半島屈指の爽快路です。道中には、戸田駐車場や土肥駐車場などの好景観の駐車場もあり、高速コーナーの多い伊豆スカイラインに対して、西伊豆スカイラインは中速コーナーが多いのが特徴です。西伊豆スカイライン自体は戸田峠から土肥峠までの10.8kmの区間で、40.6kmの伊豆スカイラインの比べますと走り足りない感もありますが、無料である上、土肥峠を南下してそのまま県道411号線を走り西天城高原まで走れば、戸田峠から約20kmの道のりになります。西天城高原にあります仁科峠展望台からは、富士山の好眺望を望むことが出来ます。
西天城高原から県道411号線で宇久須に下りることも出来ますが、もし、時間があれば、狭路ですが、西天城高原から県道59号線に入り、仁科川に沿って山を下りてきますと仁科の町に入り、そして国道136号線を右折。そして、やがて国道脇に乗浜海岸という堂ヶ島の島々がとても綺麗に見える海岸があります。そして、その先に行きますと、海を臨みながら入浴できる沢田公園露天風呂があり、その先に進みますと枯野公園があり、そこの展望台からは奇勝奇岩の好眺望を望むことが出来ます。
再び国道136号線に戻り、少し先に進みますと、西伊豆随一の景勝地の堂ヶ島に到着します。無料の駐車場がありますので、そこにバイクを置いて散策します。
天窓洞 (上から) 天窓洞の裏の浜
堂ヶ島~海底火山だった伊豆半島の噴火の土石流などが荒波によって浸食され、断崖や小島を作りました。干潮時に渡島の道が出来る三四郎島や天井が崩れて穴が開いた洞窟の天窓洞など、多くの景勝地があります。伊豆七不思議のゆるぎ橋がありますので、ちょっと見てみるのもいいかもしれません。
遊覧船が出ていて、洞窟の天井の穴の開いた部分から陽光が差し込む美観を望めますので、時間があれば是非乗船したいところですが、遊覧船に乗らなくても、堂ヶ島公園内から無料で天井の穴の部分から下が覗けるほか、裏の小さな浜辺でエメラルドグリーンの海を見れます。また、海側の階段を登りますと、伊豆の松島とも言われます堂ヶ島の島々の眺望の良い展望台があります。
そして、堂ヶ島公園を後にして先に進みますと瀬浜海岸の無料駐車場があり、干潮時に離島への道が出来るトンボロ現象が起きる瀬浜海岸に訪ねられます。但し。トンボロ現象は干潮時の僅か30分程度ですので、見るためにはあらかじめ時間を確認しておく必要があります。また、干潮後はすぐに水が勢いよく満ちてきますので、あまり深入りしないように時間には余裕を持たれた方が良いです。
瀬浜海岸から国道を少し走り、海沿いへの一般道を進みますと浮島海岸があります。奇勝風景が望められて、まさにジオパークを満喫できる場所で、駐車場もあるお勧めの立ち寄り場所です。
そして、その隣りの入江には田子瀬浜という風情のある海水浴場と、日本一の夕陽スポットの大田子海岸があります。ちなみに大田子海岸には駐車場があり展望デッキもあり、夕陽をゆっくりと見ることが出来ます。
再び国道136号線を北上しますと、宇久須に入る前に海沿い方面の道に入りますと、黄金崎公園があります。その名の通り、黄金色に輝く岩肌や奇岩百景にも選ばれています馬に似ている馬ロックという岩があるなど、是非とも立ち寄りたい西伊豆きっての景勝地です。特に夕陽で岩肌が光る様はとても素晴らしいです。
黄金崎~地熱などにより岩肌が黄金色に輝く岬で、馬の頭に似た馬ロックという奇岩もあります。富士山や駿河湾の眺望が素晴らしい場所です。
また、黄金崎を後にして国道を北上しますと、宇久須を過ぎてやがて恋人岬へと入る道があります。無料駐車場があり、恋人岬の展望デッキまでは歩いて10分くらいかかります。途中には恋人の鐘があり、富士山の好眺望を望めます。但し、やはり恋人たちでの来訪が多い場所です。
さて、恋人岬を後にして国道を進んで行きますと、少し先の八木沢の港町に入る前の右カーブの高台のところに富士見駐車場があり、そこから恋人岬から見えるのとほぼ同じ富士山の眺望を望むことが出来ます。この辺りから、海沿いの道を走っていて富士山が見れるようになり、走っていて気分も高騰してきます。そして、そのまま進みますと土肥に入ります。ここには土肥金山の鉱山跡(入場料1,000円)があり、世界一の巨大金塊や人当時の採掘風景を人形が再現しているテーマパークがあり、別料金で砂金採り(750円)なども体験できます。土肥から国道は山中に上がり土肥峠に入りますので、そこから西伊豆スカイラインで戻ったり、そのまま国道を進むと、伊豆縦貫道の月ケ瀬ICに入れて帰路に着くことが出来ます。また、土肥~清水で駿河湾フェリー(3,900円:二輪車運賃含む)がありますので、乗船して船旅(70分)を楽しみながら清水港へと行くということも出来ます。
さて、土肥からは海沿いに走る県道17号線(沼津土肥線)に入ります。国道と違って県道のため、急に道も狭くなるほか、海岸線の高台に沿って走りますためタイトな曲がり道も多くなりますため、対向車も含めてそうこうにはご注意を。やがて、旅人岬があり、海の眺望はいいのですが角度的に富士山が見えないのが残念です。
また、県道17号線をそのまま走って行きますと先に碧の丘という駐車場がある小展望台があり、ここからも綺麗な海を臨むことが出来ます。そして少し進みますと砂嘴(さし)の御浜岬があります。お勧めは、県道沿いに小さな駐車スペースがあり、そこから階段を登りますと御浜岬展望台があり、御浜岬越しの富士山の眺望を望むことが出来ます。また、御浜はバイクでそのまま走ることが出来(舗装路)て、先端まで行きますと、諸口神社や駿河湾深海生物館などがあり、そして、海辺に諸口神社の鳥居があり、赤い鳥居越しに富士山を望むことが出来ます。
御浜岬(みはまみさき)~海流によって運ばれた土砂が、湾の入り口にたまった砂嘴(さし)で、岬の中には樹齢100年を超える樹もある林があり、バイクで岬の先端まで行くことが出来ます。
そして、県道を走って行きますと、旧家が点在する戸田港の町に入ります。そのまま県道を進んで戸田の港を後にしますと、県道は高台に上って行き、道中に夕映えの丘、そして、その少し先に出逢い岬という展望所があります。どちらからも戸田港越しの御浜の好展望を望めますが、位置的に出逢い岬は逆側に富士山も望めてお得です。
この先からは樹々に阻まれて眺望が無くなり、道の状態も厳しくなる中、やがて視野が開けて煌めきの丘という展望台に到着します。
富士山の眺望が良く、駐車場もありますので、ぜひ、立ち寄りたい展望台です。時期によっては眼下の畑に地域名の「井田」の文字が描かれていたり、また、下に下りますと、淡水池の明神池などがあります。
再び県道17号線を走って行きますと、砂嘴(さし)の大瀬崎が見えてきます。但し、大瀬崎は同じ西伊豆の砂嘴の御浜と違ってバイクでは先端までは行けないため、大瀬崎の先端に行くにはバイクをどこかに駐車して歩いて行く必要があります。但し、大瀬有料駐車場はバイクの利用は不可となっています。大瀬海水浴場脇の樹々に覆われた道を歩いて行きますと大瀬神社があり、そして、大瀬崎の先端には、伊豆の七不思議にも数えられています、海に囲まれているのになぜか淡水池(鯉がたくさんいます)の神池があり、その先に、大瀬神社で国天然記念物に指定されています大瀬神社のご神木の大瀬崎のビャクシンや、伊豆大瀬埼灯台などがあります。灯台までは一般車両が通行止めになるところから徒歩15分くらいになります。
ただ、神池などに行かないのであれば、そのままバイクを走らせて少し先にあります西浦江梨から大瀬崎越しに富士山の眺望を望むことが出来ます。
大瀬崎~駿河湾に突き出た約1kmの砂嘴(さし)で、国指定の天然記念物のビャクシン樹林や伊豆七不思議の一つの淡水池の神池などがあります。
そして、そのまま県道17号線は駿河湾の海沿いを走りますが、道は狭く、また見通しも悪い中、対向車も来ますので、漁場や海の景色を見ながらのんびりと走るのがお勧めです。そして、幾つかの漁港を過ぎますと、やがて、無料駐車場のあります長浜城址に着きます。北条水軍の拠点ともなっていましたお城です。山頂まで少し歩きますが、遊歩道は整備されていますので歩きやすいです。山頂からは、内浦湾や淡島、富士山の眺めがとても綺麗です。
ちなみにかなり狭路にはなりますが、城から山側への山道を上ります、バイクでも行ける絶景展望台の内浦重須見晴台があり、また、伊豆・三津シーパラダイス近くにあります三の浦側から発端丈山登山口に入って10分ほど山を登りますと、淡島越しの富士山の眺めが最高な発端丈山見晴台があります。
さて、再び県道17号線を走り、そして渋滞ポイントでもあります県道130号線との分岐路でもあります沼津市の三津三差路で、右折して県道130号線入りますと伊豆中央道の長岡ICに繋がり、ICから伊豆中央道に入りますと、東名自動車道の沼津ICや新東名自動車道の長泉沼津ICに行くことが出来ます。また長岡ICの近くには伊豆パノラマパークのロープウェイ(往復2,400円)があり、山頂からは駿河湾越しの富士山の絶景を望むことが出来ます。
さて、交通量は多いですが、もし県道130号線を曲がらずにそのまま海沿いに県道17号線を進みますと、淡島を望みながら、やがて国道134号線に突き当たります。ちなみにその近くには雰囲気のある口野切通しがあり、国道を右折しますと、長岡北ICから伊豆中央道に入れます。逆に、交通量は多いですが、国道134号線を左折し、再び海沿いを走りますと、そのまま沼津港経由で千本松原(無料駐車場あり)がある千本松公園に行くことが出来ます。
また、時間があれば是非立ち寄りたいのが市内の香貫山公園で、駐車場から15分ほど登りますが、山頂の芝住展望台から眼下に沼津市街が、眼前には富士山がそびえる見晴らしの良い好眺望を望むことが出来ます。
そして、もうひとつ立ち寄りたい場所が柿田川公園にあります柿田川湧水群です。交通量の多い国道1号線ぞいにあるとは思えない自然景観で、柿田川越しの景観などもいいですが、やはり昨今SNSで人気の柿田川湧水群は必見です。特に第2展望台にある湧水は見やすく、まさにサファイヤブルーの水がとても綺麗で必見です。
ちなみに、柿田川公園から3kmほど北、沼津ICへ向かう途中ぐらいにあります鮎壺の滝。住宅街にあり、それほど大きくはありませんが水量が多く迫力もあり、好天なら富士山も望めます。そこから約5kmで東名自動車道の沼津IC、もしくは新東名自動車道の長泉ICに入れて、帰路に着くことが出来ます。
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