■2021年式ヤマハMT-07に乗ってみました。

水冷DOHC直列2気筒688㎤のエンジンを搭載しますヤマハ MT-07。ビッグバイクの価格高騰もあり、以前、ホンダが100cc=100,000円を目指して、同じエンジン、フレームも一部共有するなどして派生モデルを展開してコストを削減し、2012年に60万円台の669ccモデルのNCシリーズを発表。それを踏まえたヤマハから、2014年にMTシリーズとして846ccのMT-09と689ccのMT-07が発売されました。

現在では、ホンダのNCシリーズはNC750X(924,000円~)以外はラインナップが無くなってしまいましたが、ミドルクラスのネイキッドバイクとしては、スズキはSV650 ABS(785,400円~)が、カワサキはZ650(847,000円~)、そして、ホンダにはCB650R(979,000円~)があります。こうみますと、当初の目論見と違ってグローバル化の波から車両価格は高くなってきておりますが、今回のMT-07は814,000円と税別では740,000円とかなり頑張ってリーズナブルなプライスを実現しています。

その分、コストはあまりかけられないので、今はやりの電子制御などはほとんど付いていません。しかし、前後にミシュランパイロットロードのラジアルタイヤを装着しているほか、新LEDプロジェクターヘッドランプとLEDポジションランプ&フラッシャーランプを採用しています。

そして、一番印象高いのはLCDマルチファンクションメーターで、表示内容は、時計、外気温、ギアポジション、トリップ、オドメーター、タコメータとシンプルなものですが、ぐっと質感が上がりました。

跨った感じでは意外と腰高な感じでした。シート高は805mmということですが、案外サスペンションが沈みこまなかったのと、シートの前の部分が若干肉厚なことがあるのかもしれません。

ポジションは非常にニュートラルで、跨って手を出したらそこにハンドルがある、という感じです。タンクの張り出しもMT-09とかと比べますと少な目で、視覚的な圧迫感もありません。非常に乗りやすいポジションです。

別体式のリアシートは広くも狭くもなく標準的な感じで、リアシートバックは積みやすいですが、リアフェンダーやリアウィンカーが遠いので、リアシートにベルトを巻いて固定するタイプのバッグが良いかもしれません。また、横幅のある大きなキャンプバックなど積む場合はぐらつかないか確認した方が良いようです。

タンデムはしやすいですが、リアシートの肉厚は薄いので長距離のタンデム走行は辛いかもしれません。

さて、走りだしてみますと、クラッチを繋いでアクセルを少し回すとスルスルとリニアに走りだし、スコンスコンとギアを入れていっても低速域や低回転域でも走りやすく、そしてアクセルを回すとガツッと下からトルクが感じられるエンジンです。まさしくMTの語源ともなっていますマスターオブトルクで、最大トルクを6,500r/minで発生させます。

CP2(クロスプレーン2気筒)型のエンジンであり、クロスプレーンらしいトルク感を感じられます。逆に、通常の2気筒エンジンのような回してダッダッダッというパワー感や鼓動感が欲しい方は物足りない感じかもしれません。これはJSB1000などのレースで走っています同じ直列4気筒でクロスプレーンのヤマハYZF-R1と、通常の直列4気筒のカワサキZX-10Rの音を比べてみると分かりやすいかもしれません。

クロスプレーンのクランクシャフトの構造上、不等間隔爆発になりそれが排気音にも表れて、ZX-10Rの直4のクワーンというエンジン音に比べて、クロスプレーンのYZF-R1がドロドロという音がします。ですので、このクロスプレーン 2気筒のMT-07のエンジン音も、他の直列2気筒のバイクに比べると、若干、軽めな感じがいたします。

あと、やはりMT-07を含めまして特徴的なのが、そのデザインです。特にヘッドライトはかなり特徴的です。

イメージ的には、近未来的なロボットのような感じがします。このデザインが好きか嫌いかで、MT-07の賛否が分かれるかもしれません。

但し、個人的には走りが過激なMT-09に対して、その価格も含めてライダーフレンドリーなイメージのMT-07は、もっと万人向けの優しい顔のデザインでもよかったのかな…とも思いました。コスト的なこともあるでしょうが、フロントフォークも剛性の高い倒立ではなく汎用性の高い正立フォークということもあり、フォークの伸び縮みをガンガンに使ってスポーツ走行をするという感じでもないイメージです。

なので、女性ライダーやビギナーライダーなどのビッグマシンへの入門用バイクとしてもっと万人受けする汎用的なデザインでもよかったのかなぁ…とも思いました。色も、赤や白があってもいかもと思いました。もちろんあくまでも私見ですが…。実際、僕自身は一番最初にモーターサイクルショーで初代MT-07を見たとき、今のバイクを下取りに出して頑張れば買えるかも…と、そのデザイン性と予定価格から本気で買おうかなぁ、とも思ったくらいでした^ ^;

トルクフルで乗りやすくて、近未来的で格好良いデザインで、コストパフォーマンスにも優れていますので、このデザインを気に入ったら「買い」かと思います。

目次

■MT-07

パステルダークグレー(グレー)
ディープパープリッシュブルーメタリックC(ブルー)
マットダークグレーメタリック6(マットダークグレー)

\814,000

全長:2,085mm 全幅:780mm 全高:1,105mm ホイールベース:1,400mm 地上最低高:140mm シート高:805mm 車両重量:184kg 乗車定員:2名 エンジン型式:M410E エンジン種類:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒 総排気量:688立方センチ 圧縮比:11.5 最高出力(kW[PS]/rpm):54[73]/8,750 最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):67[6.8]/6,500 燃料タンク容量:13.0L 燃料消費量(※60km/h定地走行):40.0km/L 変速機形式:6速 タイヤ(前):120/70ZR17M/C 58W タイヤ(後):180/55ZR17M/C 73W ブレーキ(前):ダブルディスク ブレーキ(後):シングルディスク

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