◼︎2025年式 カワサキNinja1100SXに乗ってみました。

目次

スポーツもツーリングも高速走行も楽しめる装備充実のなオールマイティバイク

水冷4ストローク並列4気筒1,098cm³エンジンを搭載し、最高出力は100kW (136PS) / 9,000rpmを発生します。

いわゆる、「直4」「フルカウル」「スクリーン」「二眼」と日本人受けするアイテムを持ち、国内での人気が非常に高いカワサキのスポーツツアラーモデルです。

そのハイパワーもさることながら、カワサキトラクションコントロール (KTRC)、カワサキインテリジェントアンチブレーキシステム (KIBS)、カワサキクイックシフター (KQS)、インテグレーテッドライディングモード、エレクトリッククルーズコントロールと電子制御テクノロジーも盛り沢山に搭載。

そのほか、ライダーが意図したラインを走行できるようサポートするカワサキコーナリングマネージメントファンクションの他、前後ドライブレコーダー、スマートフォンとの接続が可能な4.3インチフルカラーTFT液晶インストゥルメントやグリップヒーター、USB電源(TYPE-C)、ヘルメットホルダー、ETC2.0車載キット標準装備など機能がこれでもか、というくらいに盛りだくさんです。

ディスプレイも照度が良く、とても見やすです。ただし、タコメーターがメーターのほぼ中央部を占めていて、タコメーターとスピードメーターの見え方が被ってしまうのと、タコメーターに引っ張られて今一つ燃料計がうまくデザインされていないのが残念。燃料計が全部で6ブロックなので、もう少し細かく刻んでくれたらツーリングユース的には嬉しいところです。

各種セッティングのほかグリップヒーターのスイッチは、左グリップにあります。英語での表記もあり、若干セッティングの仕方が難しかったです。

ちなみに右グリップ側はいたってシンプルです。

ハンドルはトップブリッジ上についていますが、セパレートハンドルになっていて、すでにオプションでUSBやドラレレコが付いていたこともあって、スマホホルダーを付ける場所は基本的にはありませんでした。このセパハンというところは、同車のコンセプトの「スポーツ+ツアラー」の”スポーツ”らしいところです。

跨ってみますとセパレートハンドルもかなりトップブリッジの上の方にあり、ポジション的には楽ですが、それでもやはり普通のアドベンチャーバイクやネイキッドバイクと違って前傾的な感じがします。

シート高は820mmありますが、シートの先端がスポーツバイク系のように狭まっていてその分足つきは良い方かと思います。

そう、実はこの”スポーツ”がこのNinja1100SXのアイディンティティでもあります。クルーズコントロールをはじめ、手動可変式のウィンドシールドやグリップヒーター、ETC、スマホ接続のディスプレインド、まさにツアラーとしての装備がてんこ盛りで、フルカウルにより高速などで風の抵抗をあまり受けずに走れることから、ツアラーモデルとしてとてもレベルの高いモデルなのですが、同車はそれに留まらず、スポーツバイクとしても高いレベルにあるのが最大の特徴でもあります。

さて、エンジンを始動してみますと4気筒らしい低く獣が唸るような音を奏でます。クラッチが軽く、クラッチミートが楽なのも嬉しいところです。

実際に走らせていますと、トロトロと走る極低速でもスルスルと走ってくれます。前モデルのNinja1000SXから排気量は上がったものの、最高出力が5psダウンし最高出力発生回転も1000rpm下がりましたが、最大トルクは2N・mもアップし(発生回転も400rpm下がっています)、エンジン的に中低速を厚くしたのがこの極低速域での乗りやすさにもなっていると思います。

なので、市街地はもちろん、酷道や狭路も走りやすく、本来、先が分かりづらい道ですと、この手のバイクだと入って行きづらいのですが、えいや、と行ってしまえる余裕が出てきます。

しかし、本来スポーツ系のエンジンであり、5千回転を超えたあたりから、どんどんとスピードが乗っていき、最高出力発生回転の9000rpmまで伸びてきますので、高速走行はもちろんワインディングロードもかなり楽しく走れます。ツアラー系のバイクですと、その厚いトルクを利用してコーナーの出口から加速して一気にスピードを上げていくスタイルが多いですが、Ninja1100SXはスーパースポーツバイクのようにコーナーの入り口での荷重によるブレーキングからバンキングでのコーナーリングでスポーツ走行を楽しめます。エンジンも4気筒らしく滑らかで、クセなく伸びていくので安心してアクセルを回せます。

そのスポーツ走行を楽しむために、タイヤはブリヂストンのスポーツタイヤのS23を装着。

シートは腰がホールドしやすいセパレートシート。

そしてクイックシフターを装備し、ショックユニットをほぼ水平に搭載し調整ホリゾンタルバックリンク式のリヤサスペンション も装備している。まさにワインディングを爽快に走る装備を搭載しています。

個人的には、手動で4段階に可変できるウィンドシールドが気に入りました。視界を良くしたい市街地やワインディングでは一番低くして、高速走行で防風w押したい時には一番角度を高くするというのが、工具なしで信号待ちなどで簡単にできてしまうのが良かったです。もちろん地味にヘルメットホルダー装備も嬉しいです。

そのNinja1100SXの凄さは1000SXに比べてエンジン特性をトルクフルに振ったことでよりツーリング山道などでよくある急坂のヘアピンなどが走りやすくなり、フルカウルと角度調整のウィンドシールドで高速走行もしやすく、より一般路でのツーリングがしやすい=余裕を持って走れることになりつつも、ワインディングに行けばスポーツ走行も満喫できること。そしてネイキッドバイクと違って、高速では走行風を妨げながら走ることができます。このような国産ビッグバイクは、今では稀有かもしれないです。

ただし、ネガな部分もあリます。スポーツ走行もツアラー走行もハイレベルで楽しめる汎用性が高い反面、若干、どっちつかずの感がなくもないです。例えば、スポーツ走行であれば、スーパースポーツの方が軽くてブレーキ力も強くスポーツ走行が楽しみやすいし、アドベンチャーバイクの方がポジションや長距離走行、悪路走行などツーリング走行は高い。その良いところ取りではあるのですが、個人的にはそれほどワインディングを攻めて走るタイプではないので、それならツアラーに特化したタイプの方がいいかも、とも思ったりします。

実際、3〜4千回転辺りは少しエンジンの伸びが鈍る感じがして、市街地や一般道では多用する回転域でもあるので、その分、爽快感がスポイルされている感じもあります。

あと、1100SXは1000をベースにUSB電源やドラレコを付けたのか、後付け感があり、デザインをスポイルしている感がありました(特に前のドラレコ)。

そして、値段が上がったこと。もちろんエンジンも大きくなり装備も充実しているので、1000SXより上がるのは当然ではあるのですが、それでも価格が177.1万円(SEは198万円)と、かなり高額になってしまいました。個人的にはある意味前モデルで値引きも期待できるNinja1000SX(159.5万円〜)を購入するのもありかな、と思います。

と、まあ重箱の隅を突くようなことを書きましたが、それだけ完成度の高いバイクということで、(お金があれば)個人的には購入したいバイクの1台に入ると思います。

1100になってトルクフルになり、前後ドラレコなどの装備も充実したことでツーリングの使い勝手が向上したことは確かです。ただ、このデザインのベースもかなり長く継続していますし、180万円を超えるバイクということで何か突き抜けた装備やデザイン、もしくは新しい感が欲しい感じは否めません、です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次