■湖南・近江八景を巡る(ツーリングルート)

目次

五百年前の景勝地を巡る

今から約500年前の室町時代に、近江国に滞在していた関白の近衛政家によって選ばれた八景と言われ、江戸時代に歌川広重によって「近江八景」の浮世絵が描かれ、一躍有名になりました。今は当時とは様相が変わってしまった場所もありますが、往時を夢想しながら佇んで見られるのも一興です。琵琶湖大橋の南側の通称、南湖を周遊をしながら風情を楽しむツーリングルートです。

琵琶湖テラス(滋賀県)

総走行距離~約83km

大阪方面と名古屋方面からではアクセスが異なりますが、大阪方面からでしたら名神高速の瀬田西ICから、名古屋方面からでしたら瀬田東ICで下りて、まず、近江八景の瀬田の唐橋へと向かいます。

瀬田の夕照(せたのせきしょう)

瀬田の唐橋~ 県道が通ります全長233.7mの橋で、日本三大橋や日本三名橋にも数えられることあり、日本書記にもその名が載っています名橋です。交通の要所でもありましたため、その時代時代によって架け替えられて、現在はコンクリート造りになっています。「いそがばまわれ」の語源ともなった橋です。琵琶湖を一周するビワイチの起点とされる場合も多いです。

琵琶湖から流れます瀬田川に架かります瀬田の唐橋は、現在はコンクリート製に架け替えられていますが、日本書記にもその名が載っている古橋で、擬宝珠などが施され、往時の様相をとどめています。

さて、瀬田の唐橋を渡り、すぐに国道422号線を左折します。そのまま瀬田川沿いに1.5kmほど南下しますと、近江八景の石山寺があります。

石山の秋月(いしやまのしゅうげつ)
石山寺 心経堂

石山寺~747年創建と伝わる古刹で、本堂、多宝塔ほか9件もの国宝を有しています。清少納言の枕草子や、紫式部の源氏物語にもゆかりのあるお寺で、境内には紫式部像もあります。参拝用や観光用の駐車場あり。

石山寺は歴史のある古刹で、本堂のほか、国内最古(1194年)の多宝塔など国宝が数多くあり、往時の姿をそのまま残しており、是非、境内の 心経堂 や光堂、庭園なども足を延ばされ、散策されることをお勧めします。

さて、石山寺から再び瀬田川沿いに瀬田の唐橋に向かって来た道を戻り、そして、唐橋を右手に見つつ、そのまま進み北上しますと、1kmほどで、琵琶湖畔に沿って広がる緑地の大津湖岸なぎさ公園があります。当時は粟津原と呼ばれ、近江八景の粟津の晴嵐の風景があった場所になります。緑地の最南端の方に粟津の晴嵐の石碑がありますので通過してお見逃しの無いよう。

粟津の晴嵐(あわづのせいらん)

そして、大津湖岸なぎさ公園のすぐ先に膳所城跡公園があり、現在、お城の遺構となるものは石垣以外はほとんど見られませんが、1601年に徳川家康が藤堂高虎に作らせましたお城で、日本三大湖城にも数えられています。ここから見る琵琶湖城の近江大橋はとても綺麗なので、是非立ち寄りたい場所です。

膳所城跡からの望む近江大橋

膳所城跡公園から、再び、琵琶湖を右手に見つつ北上しますと近江大橋があり、橋を渡らずそのまま大津湖岸線を北上して観音寺交差点を左折しますと、やがて、近江八景の園城寺 (三井寺)に到着します。

三井の晩鐘(みいのばんしょう)

三井寺(園城寺 ) ~7世紀の創建と言われている古刹で、境内には天智・天武・持統の三天皇の御産湯に用いられたとされる霊泉もある由緒あるお寺です。国宝の金堂の他、国宝・重要文化財は一〇〇余点を数えます。近江八景の「三井の晩鐘」の梵鐘を吊る鐘楼は重要文化財です。参拝用駐車場あり。入山料600円。

三井寺の梵鐘

参拝用の駐車場にバイクを止めて仁王門を潜りますと、正面に本堂が、そして、左手に三井の晩鐘の梵鐘が吊られています鐘楼があります。駐車場から本堂までは距離も無いので、入山料はかかりますが、是非、参拝に立ち寄っていきたいお寺です。

さて、三井寺から再び琵琶湖方面に向かい、湖沿いに走ります高島大津線を湖沿いに北上します。しばらく走りますと、湖畔に建ちます近江八景の唐崎の夜雨の唐崎神社に着きます。

唐崎の夜雨(からさきのやう)
近江八景 唐崎の夜雨の碑

赤い鳥居が特徴的な小さな唐崎神社の境内の先に、霊松の唐崎の松があり、その先の湖畔に近江八景の石碑があります。すぐ近くに県営都市公園唐崎苑湖岸緑地の駐車場があります。

そのまま高島大津線を北上しますと、明智光秀の居城でした坂本城跡があり、周辺には行願塔や明智塚などがあります。本来の坂本城はもう少し北側にあったのですが、現在、私有地のため、こちらに坂本城址公園が設けられています。

明智光秀像と坂本城跡

そして、県道558号線(高島大津線)は坂本城を過ぎますと、湖から少し離れた場所を走り湖が見えづらくなりますが、そのまま北上し、おごと温泉を越えて、やがて五差路の仰木口交差点を左折して湖方面に向かいますと、琵琶湖を代表する景観地のひとつであります満月寺浮御堂があります。ここが近江八景の堅田の落雁になります。

堅田の落雁(かたたのらくがん)

満月寺浮御堂~10世紀ごろに建てられました1000体の阿弥陀仏像を収めるために作られた言われ、1934年に台風によって倒壊しましたが、1937年に再建されました。拝観料300円。

現在の浮御堂は再建されたものですが、緑の松越しに青い琵琶湖の湖上に浮かぶその姿は、まさに浮世絵と同じで、風情を感じることが出来ます。ちょうど、浮世絵に描かれている舟のあたりに、堅田湖族の木造船もあります。また、浮御堂の近くには、幸福を呼ぶ石がある伊豆神社があります。そして、民家の中を走りつつ北上しますと、やがて琵琶湖大橋を望み、そして橋の麓にあります道の駅 びわ湖大橋 米プラザに到着します。ここで休憩しつつ、琵琶湖大橋の景観を望むことが出来ます。

琵琶湖大橋

琵琶湖沿いを北上する県道558号線を北上します。途中に古墳を中心に住宅街が広がるちょっと不思議な小野妹子公園もあります。そして、道の駅から15kmほど走りますと、雄松崎の内陸部、県道322号線との交差点のところに近江八景の比良の暮雪の石碑が立っています。 比良の暮雪ということで、浮世絵は雪景色で、雪が積もった比良山地越しの琵琶湖の風景になるのですが、似た風景をみるのは難しいですので、近くの 雄松崎に行って琵琶湖の眺望を楽しむのがお勧めです。

比良の暮雪(ひらのぼせつ)

もしくは、お金はかかりますが、 道の駅 びわ湖大橋 米プラザ から雄松崎に来る途中の山側にびわ湖バレイロープウェイ (往復3,000円~3,500円) に乗って行けますびわこテラスがありますので、是非立ち寄って、雪が積もっている風景を想いながら琵琶湖の絶景を望むのもいいかもしれません。

びわ湖テラスより琵琶湖を望む

雄松崎からは再び琵琶湖大橋まで戻りますので、内陸部を走ります国道161号線に入りそのまま南下。真野ICで国道477号線に入り琵琶湖大橋(100円)を渡ります。渡湖しましたら、県道559号線(さざなみ海道)を左折します。湖岸沿いを走る同道は走っていてとても気持ちの良い道です。同地には多くの湖岸緑地や公園がありますので、気になった場所がありましたらぷらっと立ち寄ってみるのもいいかもしれません。また、平湖の近く湖岸志那1 南駐車場の横に草津のメタセコイア並木がありますので、是非、立寄っておきたい場所です。やがて、矢橋帰帆島に入ります。ここから見た琵琶湖が近江八景になります。

矢橋の帰帆(やばせのきはん)

湖上に帆船は望めませんが、広い芝生の広場がありのんびり出来るほか、メタセコイアの並木があり、秋にはとても綺麗な並木道が出来ます。

矢橋帰帆島公園のメタセコイア並木

そして、そのまま県道559号線を南下しますと、近江大橋の下を潜り、やがて、瀬田唐橋に東岸に到着します。ここから、来た時と同じICに入り、帰路に着きます。

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