東北(日本100名城)

伊達政宗像[仙台城跡](宮城県)

東北といえば、伊達政宗のイメージが強いですが、戦国時代最盛期には陸奥国北部(青森県)の南部晴政や、同じく陸奥国(岩手県南部から宮城県北部)の葛西晴信、陸奥国大崎地区の大崎義隆、そして、陸奥国と出羽国(秋田県、山形県)の一部を治めていた伊達晴宗・輝宗親子、出羽国北部(秋田県)の安東愛季、出羽国南部(山形県)の最上義光、陸奥国南部(福島県)を領有していた蘆名盛氏など群雄割拠であり、多くの城も建てられましたが、土塁の物が多く、当時、日本の中心では石垣を用いた城が建てられていましたが、関東以東はまだまだ少なかったようで、関ヶ原戦い以降の藩政になり石垣の城が建てられ始めました。ちなみに伊達政宗が生まれたのが1567年、豊臣秀吉が天下統一した1591年の時に政宗は24歳。もう少し早く政宗が生まれていれば…と言われる由縁ではあります。

1.弘前城 2.根城 3.盛岡城 4.多賀城 5.仙台城 6.久保田城 7.山形城 8.二本松城 9.若松城 10.白河小峰城

■青森県

4.弘前城 (青森県弘前市) [現存12天守]

東北で唯一の現存天守

弘前城

弘前藩津軽氏4万7千石の居城の平山城です。江戸時代に建てられました天守が残る現存12天守のひとつです。1611年に建築されたものの、1627年に落雷によって五層の天守が焼失。以後、武家諸法度により天守を再建できず、約180年後の1810年に、櫓ということで三層の天守(櫓)が再建されました。城跡は弘前公園として一般開放されて、日本さくら名所100選にも選ばれています。現存建造物群8棟が国重要文化財。国史跡。

5.根城 (青森県八戸市)

南部八戸氏300年の居城

根城跡

青森県八戸市にあります平山城で、南北朝時代の1334年に南部師行により築城され、その後八戸氏により領地替えまでの約300年、八戸地方の中心でした。八戸氏22代の時に移封になり、根城は廃城。1941年に国指定史跡に指定され、1994年に本丸主殿などが復元されました。2001年に史跡根城の広場としてオープンし、季節の花々やものづくり体験工房などを楽しむことができます。入場料250円。国史跡。

■岩手県

6.盛岡城 (岩手県盛岡市)

東北三名城のひとつ

盛岡城跡

1633年に同地を治めていた南部氏によって築城され、江戸時代の間、盛岡(南部)藩の中心となりましたが、明治を迎え、1874年に城内の建築物は破却されました。周囲の川を利用した平城で、当時の白い花崗岩で組まれた石垣などが残っています。現在は盛岡城址公園として市民の憩いの場となっています。日本の歴史公園100選に選ばれていて、東北三名城に数えられています。国史跡。

■宮城県

7.多賀城 (宮城県多賀城市)

日本三大史跡

多賀城跡

724年に大和政権が創建して陸奥国府と鎮守府が置かれました。一辺約1kmの四角い塀に囲まれていて、南、東、西に門があったことが確認されています。中央の大和政権が先住民がいる陸奥国(東北)を支配するために、侵略の拠点として作られた城郭の意味もあったようです。日本三大史跡にも選ばれています。国特別史跡。

8.仙台城  (宮城県仙台市)

伊達政宗が作った城

仙台城

1601年に伊達政宗によって建てられたお城で、明治になるまで仙台藩62万石伊達家の居城として存続しました。関ヶ原の戦い以降に建てられたお城ということで、徳川家康から疑心の目を向けられないよう、天守のないお城となりました。戦災で国宝だった大手門、脇櫓などが焼失し、石垣のみが当時を偲ばせてくれます。城跡一帯は青葉山公園となっていて、本丸跡からは太平洋を望むことができます。国史跡。

■秋田県

9.久保田城 (秋田県秋田市)

常陸から移封された佐竹氏の居城

久保田城

関ヶ原の戦いの後、1604年に常陸(茨城)から秋田に移封されました佐竹義宣によって創建された久保田藩(秋田藩)の居城で、複数の廓を備えた平山城です。同城の特長としましては、石垣がほとんどなく、堀と土塁を巡らしてあり、徳川家に配慮してか天守閣を造らなかったことがなど挙げられます。1880年の大火で城内の建造物が焼失してしまいました。現在は千秋公園として憩いの場になっています。

■山形県

10.山形城 (山形県山形市)

出羽国 最上氏の居城

山県城

1357年に奥州探題の2男の斯波兼頼が築城したとされる平城で、兼頼の子孫が最上家で、代々、最上氏が山形城を居城としてきました。関ヶ原の戦い後、57万石にもなった最上家ですが、その後、改易があり鳥居氏が山形城に入城致しました。山形城の城郭は日本で5番目の広さを有しますが、明治時代に長年の風雪の蓄積で各建築物が大破し、現在、残念ながら建築物のそのほとんどが失われてしまいました。国史跡。

■福島県

11.二本松城 (福島県二本松市)

戊辰戦争の激戦地

二本松城

福島県二本松市にあるお城で、二本松氏のほか伊達氏、蒲生氏、上杉氏など、名だたる名家の支城となりました平山城です。江戸時代は二本松藩として丹羽氏の居城となりました。3重の天守などがありましたが、戊辰戦争で多くの建造物が焼失、同戦争では二本松少年隊という少年兵が若い命を散らし、その少年隊群像が建てられています。現在は霞ヶ城公園として整備されています。国史跡。

12.若松城 (福島県会津若松市)

国内唯一の赤瓦の天守

若松城

鶴ヶ城や会津若松城とも呼ばれています。会津地方を制覇していた蘆名氏の居城で、蘆名氏は戦国時代に版土を広げましたが、伊達政宗によって滅ぼされました。その後、蒲生氏郷、上杉景勝、加藤嘉明、保科正之が入城し、以降は会津松平家の居城となりました。戊辰戦争時に新政府群と激戦が繰り広げられ、損傷した天守は、その後、解体されました。1965年に現在の鉄筋コンクリート製の天守が再建されました。国内唯一の赤瓦の天守で国の史跡に指定されています。東北三名城に数えられています。

13.白河小峰城 (福島県白河市)

数少ない木造復元天守の1つ

白河小峰城

小峰城や白河城とも呼ばれています。結城親朝が小峰ヶ岡という丘陵に建てた平山城で、江戸時代に初代藩主、丹羽長重により改築された総石垣造りのお城です。戊辰戦争の際に建物が焼失。1991年に天守に相当します三重櫓を復元。現在でも数少ない木造復元天守の1つでもあります。東北三名城のひとつです。国史跡。

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