沖縄県からは100名城に3城が選定されています。沖縄のお城はグスクと呼ばれるもので、お城という機能以外に、聖域的なものだったり、集落を守るものだったりといろいろな説があります。13世紀から14世紀の沖縄を三つの国で争った三山時代にその数は増えたと考えられ、グスクの跡は沖縄県内に約300もあると言われています。「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として、世界遺産にも登録されています。
98.今帰仁城(なきじんぐすく) (沖縄県今帰仁村)
三山時代の北山王の居城
琉球王国が成立するまえ、琉球(沖縄県)は北山・中山・南山の三山時代で、各々の国が版土を広げようと争い、城を築いた。その中で、今帰仁城は北山王の居城でしたが、北山王国は1416年に中山王国に滅ぼされました。その後は中山国の北部地域の管理のために監守の居城として利用されました。しかし、1609年に薩摩軍の侵攻により城は炎上されたと言われています。現在、世界遺産に指定されています。国史跡。
99.中城城 (沖縄県中城村)
最も遺構がよく残っているグスク
14世紀後半に作られたと言われます。1440年に王の命により護佐丸盛春が標高160mほどの丘陵に城を完成させました。城は6つの郭からなっていて、城壁は琉球石灰岩が積まれています。護佐丸が滅亡した後は、城内に間切番所や中城村役場が置かれ第二次世界大戦前まで利用されました。太平洋戦争時の被害も少なく、沖縄にあるグスクの中でも、最も遺構がよく残っていると言われています。世界遺産登録。国史跡。
100.首里城 (沖縄県那覇市)
琉球王国の王の居城
琉球(沖縄)を450年にわたり支配した琉球王国の王城。三山時代には中山国の城として用いられていましたが、1429年に尚巴志王が初めて統一王朝を成立させ、首里を首府として首里城を居城としました。幾度か火災により焼失しており、1945年の沖縄戦でも建造物が破壊されました。1992年に復元されましたが、2019年に火災により再び焼失しました。建物ではなく首里城跡として世界遺産登録。国史跡。