KTM Japan株式会社は、MV Agusta Superveloce 1000 Serie Oroを発表いたしました。
「ライダーのみなさまの願望を具現化したモーターサイクルを開発する」。MV Agustaの掲げるこの明確な目標から生まれたマシンが、Superveloce 1000 Serie Oroです。研究し尽くされたスタイル、美しさを追求したデザイン、革新的な技術、圧倒的なパフォーマンスのすべてが合わさり、プロジェクト当初に定めた目標どおりのマシンを実現しました。本日、誰もが夢に見た理想のモーターサイクルを、現実の存在としてお届けします。
デザインと人間工学
新作のMV Agusta Superveloce 1000 Serie Oroは、夢のような芸術品です。わずか500台の限定生産となるこのモーターサイクルには、MV Agustaがサーキットで成し遂げてきた栄光の数々、どこまでも美しさを追求する情熱、常に進化を続ける最新技術が詰め込まれています。スタイル面では、Superveloceシリーズに共通する特徴的な要素として、MV Agustaの歴史に残るスポーツバイクをモチーフとした丸型ヘッドライトと、カーボンファイバーなどの高価な素材を駆使した流麗なボディラインを備えています。細部にまでこだわり抜いた設計により、形状、素材、性能の優れたバランスを実現しています。
テクノロジーとスタイルが融合したSuperveloce 1000 Serie Oroは、まさに車輪の付いた彫刻作品と言えます。デザイナーとエンジニアが持てる経験をすべて注ぎ込み、技術と美しさを妥協なく両立しています。特に、技術面でもスタイル面でも最も特徴的なのが、空力ウィングです。このパーツには、MV Agustaが新モデルで一新した設計・開発思想が色濃く反映されています。開発の際には、言うまでもなく重要な空気抵抗係数(Cx)だけでなく、ライディング時の操作性に大きく影響する垂直荷重(Cz)の最適化に注力することで、このバイクの傑出した最高速度と加速性能を活かすうえで欠かせない、優れた安定性を実現しています。
フェアリングに搭載された空力ウィングは、デザインとして強い印象を与えるだけでなく、車体全体の空力設計の一環として、優れた効果を発揮します。MV Agustaは1972年のグランプリマシンに、同様の空力学的デザインを採用していました。Superveloce 1000 Serie Oroの空力ウィングは、このマシンから着想を得ています。徹底的に実施した試験走行では、高速走行時にきわめて高い直進性と安定性を発揮し、さまざまな走行条件下で操作性と俊敏性が損なわれないことが実証されました。Superveloce 1000 Serie Oroの開発は、航空学的手法を応用した空流解析に基づいて進められました。最終設計では、高速走行時の優れた防風性能、全般的な快適性の向上、パフォーマンスの最適化、エンジン吸気の最適化、エンジンからの熱気の拡散による実用性の改善を実現しています。先進の設計技術によって、下部フェアリングの突出しを抑えるとともに、ボディ側面に空力性能を高める開口部を設け、エアフローを改善しています。
Superveloce 1000 Serie Oroの美しいボディラインを実現するために、カーボン素材が採用されています。鍛造カーボンとラミネートカーボンの2種類を組み合わせることで、さらに洗練されたデザインに仕上げています。ダッシュボードサポート、チェーンガード、フルフェアリング、さらに専用キットに含まれる部品など、全41箇所にカーボンファイバー製コンポーネントが使用されています。
印象的なホイールは伝説的モデル「MV Agusta F4 750 Serie Oro」の星型ホイールを再解釈したもので、キャストホイールとスポークホイールを融合させた、過去と未来がクロスオーバーするスタイリッシュなデザインとなっています。エキゾーストもF4をオマージュし、アクラポビッチ社がSuperveloce 1000 Serie Oro専用に開発したチタン製4本出しエキゾーストを採用しています。特徴的な「オルガンパイプ」形状のエキゾーストは、このバイクならではの素晴らしいサウンドを奏でるようチューンされており、カーボン製のヒートシールドが装着されています。
随所に高価な素材が用いられているのも、Superveloce 1000 Serie Oroの特徴です。たとえばシートには、最適な人間工学的デザインが施されているのはもちろん、高級素材の代名詞的存在である本革とアルカンターラを使用することで最高クラスの快適性を確保し、印象的なMVロゴをあしらっています。タンク背面の本革製ベルトは、基部のレーザー加工済みプレートからタンクの背面を縦断し、「Superveloce 1000 Serie Oro」ロゴとシリアルナンバーが彫り込まれたパーツへとつながっています。リアホイールハブには、ヘッドライトと同デザインのMVロゴが配されていますが、これはモーターサイクル界では他に類を見ない意匠です。ファスナーにはチタン製パーツが使用され、Superveloce 1000 Serie Oroのスタイルをさらに高めています。ボディカラーはMV Agustaのレースの歴史にちなみ、アゴシルバー、パールショックレッド、ゴールドチクリスティカの3色展開です。
エンジンと電子制御系統
Superveloce 1000 Serie Oroは、13,000 RPMで208 PS/153 kW、11,000 RPMで116.5 Nmのトルクを発生する4気筒直列エンジンを搭載しています。MV Agusta製4気筒エンジンならではの16本のチタン製ラジアルバルブに加え、鍛造チタン製コネクティングロッド、DLCコーディング済みカムを採用したことで、最高回転数は14,000 RPMを達成しています。カウンターシャフトによって振動が最小限に抑えられており、最高出力でもスムーズな走り心地を実現しています。
エンジン管理を担うのは、8個のインジェクター(下部に4個、上部に高噴射用4個)を制御するMVICS 2.1システムです。スロットルボディは直径50 mmです。
電子制御系統は、Superveloce 1000 Serie Oro専用に入念な調整が施されています。トラクションコントロールは解除可能であり、8段階の介入レベル(雨天用2段階、公道走行用3段階、サーキット用3段階)に対応します。FLC(フロントリフトコントロール)も解除可能で、慣性プラットフォームで収集したデータを基に、ウィリーを防ぐのではなく猛烈な加速性能を最大限に活かせるリフト角度を維持することで、最適なフロントリフトを実現します。このような運転支援システムは、ローンチコントロールと連携して作動します。
ライディングモードは、プリセット3種(レイン、スポーツ、レース)と、ライダーがカスタマイズ可能な1種(カスタム)の計4種類。カスタムモードでは、スロットル感度、エンジンのトルク、吸気、リミッター、電子制御サスペンションなどのパラメーターをライダー自身で設定できます。
MV EAS 4.0電子制御ギアボックスは、スロットル全開時もアップ/ダウンシフト操作をサポートします。
ライドバイワイヤのスロットルシステムはトルク管理アルゴリズムを搭載し、スロットルグリップを負方向に回転させることでクルーズコントロールを解除できます。この機能はSuperveloce 1000 Serie Oroにも標準装備されています。
Superveloce 1000 Serie OroにはGPSモジュールが内蔵されており、MV Agustaの全シリーズで無料利用可能なMV Rideアプリと直接通信できます。このアプリに目的地を入力するだけで、5.5TFTカラーダッシュボードに分岐点を網羅した経路が表示されます。行程記録機能を有効にすると、エンジン始動前からデータが収集され、走行後にアプリで全ルート、速度、使用ギア、バンク角、高度、運転時間を見返すことができます。さらに、当日のルートをアップロードし、他のMV Rideアプリ利用者と共有することも可能です。MV Rideアプリの一番の特徴は、バイクの応答をカスタマイズできるカスタムマップ機能です。作成したカスタムマップには任意の名前を付けられ、他のユーザーと共有することもできます。たとえば、「トスカーナ」というマップを作成し他のライダーと共有して、コミュニティを作れます。 さらに、Superveloce 1000 Serie Oroにはモビサットモジュール搭載のサテライトアラームシステムが搭載されています。このシステムはGreenboxアプリで管理でき、購入1年目はサービスを無料で利用できます。
シャーシ
クロムモリブデン鋼製パイプのトレリスフレームにアルミニウム製プレートを組み付け、そこにアルミ合金製の片持ちスイングアームを取り付けています。ピンの高さを調整でき、調整可能な範囲は美しさにこだわった特注の飾り板で示されています。
Superveloce 1000 Serie Oroでは、オーリンズ製の電子制御サスペンションシステムを採用しています。フロントフォークは直径43mm径、トラベル120mmの倒立型であり、Tin表面仕上げ。コンプレッション、リバウンド、スプリングプリロード(手動調整にも対応)を電子的に調整可能です。このサスペンションパッケージには、最適な安定性を得るため、オーリンズ製の電子制御式ステアリングダンパーが組み込まれています。ダンパーは自動介入と手動調整の両方に対応しており、ライダーの好みに合わせた最適なセットアップが可能です。リアには、直径36mm、可動域120mmのオーリンズ製のモノショック式サスペンションシステムを採用。こちらも、プリロード、リバウンド、コンプレッションを電子的に調整できます。
Superveloce 1000 Serie Oroの4気筒エンジンが生み出す驚くべきパワー、空力設計が実現した高速走行時の安定性、そして傑出した俊敏性に釣り合うよう、ブレーキシステムの品質にもこだわりました。MV Agustaの信頼の厚いブレンボ社製部品から、320mmフロントディスク、アルミ製フランジ、30mmピストン搭載のStylemaラジアルキャリパー、ラジアルマスターシリンダーを採用。リアには220mmディスクを採用し、ブレンボ製の34mm径2ピストンキャリパーを搭載しています。
このブレーキシステムの制動力を管理するのが、介入レベルを2段階に設定できるABSシステムです。スポーツモード(ダッシュボードに「S」と表示)では、前後輪にABSが作用し、コーナーリング機能とRLM(リアホイールリフトアップ軽減機能)が有効になります。RLMは、急制動時にリアホイールと路面との接触を維持し、両軸にブレンボ製システムの制動力が最適にかかるよう調整します。レースモード(ダッシュボードに「R」と表示)では、前輪へのABSの介入が弱まり、後輪への介入は無効、コーナーリング機能も無効になります。RLMシステムは有効ですが、制御範囲内でのリアホイールのリフトが可能になります。
タイヤについては、ピレリ製Diablo Supercorsa SP V4のSuperveloce 1000 Serie Oro専用バージョンを採用。特徴的な赤色の輪郭が、洗練された唯一無二の雰囲気を演出します。
Superveloce 1000 Serie Oroの予約注文はブランドコレクター様限定であり、受付はすでに終了しました。台数はわずかではありますが、MV Agustaの正規ディーラーにて、全500台のうち予約対象外の車両をご購入いただけます。ご購入いただいた方には、予約注文のコレクター様と同じ権利とサービスを提供いたします。
専用キット
これまでのMV Agusta限定エディションと同様、Superveloce 1000 Serie Oroにも専用キットが付属します。キットでは、車両と同じシリアルナンバーが記載された真正証明書と、ガレージでの保管時にマシンの美しさを守る専用カバーが提供されます。この他、以下の装備も同梱されています。
・本革とアルカンターラ素材を配したパッセンジャーシート
• パッセンジャー用フットペグおよびサポート
• カーボン製パッセンジャーヒールガード
• CNC削り出しブレーキレバーおよびクラッチレバー
• スイングアームピンの高さ調整用プレート
4年間のメーカー保証
Superveloce 1000 Serie Oroには、MV Agustaのお客様の満足度を高める4年間のメーカー保証が付属します。この保証は、当社がイタリア製モーターサイクルに寄せている信頼、そして全車に適用される厳格な品質管理プロセスに寄せている信頼の証でもあります。
※数値や仕様はEUのものです。日本に導入する車両の仕様は異なる場合があります。
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